台湾行政院主計総処(統計局)は28日、台湾の2025年の実質域内総生産(GDP)成長率が前年比3.10%になるとの予測を示した。2月の前回予測(3.14%)から0.04ポイント下方修正したが、主要な構成指標の輸出、輸入はいずれも成長率を大幅に上方修正した。25年第1四半期(1~3月)のGDP成長率予測は前年同期比5.48%とし、4月時点の予測から0.11ポイント上方修正した。
25年の主要経済指標のうち、民間消費の成長率は前年比1.64%と予測し、2月時点の予測から0.48ポイント下方修正した。就業市場の安定が賃金の伸びに有利に働き、家庭の可処分所得を押し上げ、消費を下支えするとみている。一方、世界経済や貿易の不確実性の高まり、金融市場の急激な変動が消費者の信頼感に悪影響を及ぼし、成長の勢いを抑制すると指摘した。
固定資産投資のうち民間投資の成長率は5.77%と、0.41ポイント引き下げた。半導体関連企業が人工知能(AI)の商機に対応して先進製造プロセスやハイエンド封止・検査の生産能力を積極的に拡充し研究開発(R&D)の拡大を継続することも投資の伸びを支える一方、不動産市場の減速や地政学的要因、国際貿易における不確実性の高さが投資の勢いを抑制すると分析した。
■輸出は3.83ポイント上方修正
財貨・サービス輸出の成長率は11.44%と予測し、2月時点の予測から3.83ポイント上方修正した。輸出製品の7割を占める電子部品と情報通信製品は、AIの応用拡大を背景に、クラウドサービス事業者や各国・地域政府がコンピューティング能力強化を積極的に進めている。AIインフラへの投資需要が旺盛なことに加え、関連部品の供給やシステム統合におけるボトルネックが解消されつつあることから、輸出の拡大が期待できるとした。財貨輸出額は前年比8.99%増の5,177億米ドル(約74兆6,000億円)と予測した。
財貨・サービス輸入の成長率の予測値は11.98%と、4.76ポイント引き上げた。このうち財貨輸入額は6.15%増の4,186億米ドルになるとみている。輸出と内需の需要変化の影響を受けるとした。
25年の1人当たりGDPは114万9,220台湾元(3万7,045米ドル)、1人当たり実質国民総所得(GNI)は117万9,514元(3万8,016米ドル)と予想した。
25年の消費者物価指数(CPI)上昇率の予測値は前年比1.88%とし、2月時点の予測から0.06ポイント引き下げた。
■米関税政策などが不確定要素
主計総処は25年の不確定要素として◇米国の関税政策と各国・地域の対応が世界の経済・貿易活動、インフレ、サプライチェーンに及ぼす影響◇AIなどハイテクの発展とそれに伴うインフラ需要の変化◇地政学的な情勢変化が、世界経済・原材料価格に及ぼす間接的影響◇各国・地域の金融政策の動向による国際金融市場と実体経済への影響◇台湾の財政および関連政策が、関税の影響緩和や物価の安定に果たす効果——の5つを挙げた。
■24年の成長率は4.84%に上方修正
24年のGDP成長率は前年比4.84%に修正し、2月の前回発表から0.25ポイント引き上げた。24年第4四半期(10~12月)のGDP成長率は前年同期比3.82%に修正し、2月発表から0.92ポイント引き上げた。

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固定資産投資のうち民間投資の成長率は5.77%と、0.41ポイント引き下げた。半導体関連企業が人工知能(AI)の商機に対応して先進製造プロセスやハイエンド封止・検査の生産能力を積極的に拡充し研究開発(R&D)の拡大を継続することも投資の伸びを支える一方、不動産市場の減速や地政学的要因、国際貿易における不確実性の高さが投資の勢いを抑制すると分析した。
■輸出は3.83ポイント上方修正
財貨・サービス輸出の成長率は11.44%と予測し、2月時点の予測から3.83ポイント上方修正した。輸出製品の7割を占める電子部品と情報通信製品は、AIの応用拡大を背景に、クラウドサービス事業者や各国・地域政府がコンピューティング能力強化を積極的に進めている。AIインフラへの投資需要が旺盛なことに加え、関連部品の供給やシステム統合におけるボトルネックが解消されつつあることから、輸出の拡大が期待できるとした。財貨輸出額は前年比8.99%増の5,177億米ドル(約74兆6,000億円)と予測した。
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■米関税政策などが不確定要素
主計総処は25年の不確定要素として◇米国の関税政策と各国・地域の対応が世界の経済・貿易活動、インフレ、サプライチェーンに及ぼす影響◇AIなどハイテクの発展とそれに伴うインフラ需要の変化◇地政学的な情勢変化が、世界経済・原材料価格に及ぼす間接的影響◇各国・地域の金融政策の動向による国際金融市場と実体経済への影響◇台湾の財政および関連政策が、関税の影響緩和や物価の安定に果たす効果——の5つを挙げた。
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