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端午節の3連休、国内旅行者は5.7%増

中国文化観光省は3日、今年の端午節連休(5月31日~6月2日)の国内旅行者数(延べ人数、以下同)が1億1,900万人となり、前年の同連休から5.7%増加したと発表した。国内の旅行消費額は5.9%増の427億3,000万元(約8,540億円)。今年の連休は国際こどもの日に当たる6月1日と重なったため、親子連れの旅行が増えた。
中国国営中央テレビ(CCTV)系の央視新聞によると、交通運輸省は連休中に地域をまたいで移動した人の数が6億5,700万人だったと明らかにした。当初予測の6億8,700万人を下回った。1日当たりの人流は2億1,900万人で、前年比3%増えた。
近郊や周辺の都市に向かう短・中距離のマイカー移動が目立ち、道路の交通量(人数ベース)は3.1%増の6億人となった。鉄道旅客は2.3%増の約4,710万人、航空旅客は約560万人、船などの水路は約288万人だった。
消費も旺盛だった。中国人民銀行(中央銀行)によると、「支付宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィーチャットペイ)」などの第三者決済機関と銀行との決済業務を手がける網聯清算、中国の銀行間決済ネットワークである中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)を通じた連休3日間の決済金額は前年比3.4%増の4兆8,000億元だった。決済取引件数は13%増の140億5,000万回。うち、海外からの入境者の決済額は58.8%増え、取引件数は2.2倍に拡大した。
連休中に映画を見る人も増えた。映画市場のデータ分析アプリ「灯塔」によると、端午節連休の映画興行収入は2日午後9時までに4億5,900万元となり、前年から約2割増えた。ただ23年の9億1,100万元の約半分だった。
■家族連れが伸び
文化観光省によると、家族と旅行に出かける人が目立ち、各地のテーマパークや遊園地は家族連れでにぎわった。ドラゴンボート(竜舟)に乗ったり、ちまきを作ったりして端午に関する伝統文化を体験する親子旅行も人気だった。
広東省や湖南省など各地で開かれたドラゴンボートレースも多くの観客を集めた。学びの要素を盛り込んだ旅行商品「研学旅行」の人気も高く、故宮博物院(北京市)や中国国家博物館(北京市)、中国国家図書館(北京市)などに予約が集まった。
オンライン旅行会社(OTA)の同程旅行は、連休中の親子向けツアー商品の予約数が前年同期比8割増え、傘下のホテル予約プラットフォームでも親子向け宿泊プランの予約数が3倍以上に伸びたと明らかにした。
親子向けプランでは、青海省と甘粛省の文化財や景勝地を巡る「青甘大環線」や新疆ウイグル自治区北部などのツアーが人気。中国で「最も美しい道路」と称される新疆の「独庫公路」が5月末に通行を再開したことで、新疆のマイカー旅行熱も高まったという。
携程集団(トリップドットコム・グループ)では、親子連れ向けの旅行予約が全体の4分の1を占めた。自由度の高さからレンタカーやマイカーが人気の移動手段となり、予約数の44%を占めた。
夏が近づき、避暑地のニーズも生まれている。沢登りや川下りへの注目度が大きく上がり、観光地の人気上位10位には多くのウオーターパークが入った。
■インバウンドも活発
海外との往来も活発化した。国家移民管理局によると、端午節連休中の出入境者数は590万7,000人で、1日当たり平均では前年比2.7%増の196万9,000人。中国に入境した外国人のうち、ビザ(査証)免除措置を利用した人は23万1,000人で、前年から59.4%増加した。
携程によると、出境旅行では日本や韓国、タイ、マレーシアなどに向かう人が多かった。インドネシアのバリ島や沖縄などリゾート地の人気も目立った。
インバウンド(訪中旅行)も好調で、韓国やタイ、マレーシア、シンガポールなど片道3時間圏内からの訪問が多かった。携程ではインバウンド予約数が前年から9割近く増加した。

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近郊や周辺の都市に向かう短・中距離のマイカー移動が目立ち、道路の交通量(人数ベース)は3.1%増の6億人となった。鉄道旅客は2.3%増の約4,710万人、航空旅客は約560万人、船などの水路は約288万人だった。
消費も旺盛だった。中国人民銀行(中央銀行)によると、「支付宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィーチャットペイ)」などの第三者決済機関と銀行との決済業務を手がける網聯清算、中国の銀行間決済ネットワークである中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)を通じた連休3日間の決済金額は前年比3.4%増の4兆8,000億元だった。決済取引件数は13%増の140億5,000万回。うち、海外からの入境者の決済額は58.8%増え、取引件数は2.2倍に拡大した。
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■家族連れが伸び
文化観光省によると、家族と旅行に出かける人が目立ち、各地のテーマパークや遊園地は家族連れでにぎわった。ドラゴンボート(竜舟)に乗ったり、ちまきを作ったりして端午に関する伝統文化を体験する親子旅行も人気だった。
広東省や湖南省など各地で開かれたドラゴンボートレースも多くの観客を集めた。学びの要素を盛り込んだ旅行商品「研学旅行」の人気も高く、故宮博物院(北京市)や中国国家博物館(北京市)、中国国家図書館(北京市)などに予約が集まった。
オンライン旅行会社(OTA)の同程旅行は、連休中の親子向けツアー商品の予約数が前年同期比8割増え、傘下のホテル予約プラットフォームでも親子向け宿泊プランの予約数が3倍以上に伸びたと明らかにした。
親子向けプランでは、青海省と甘粛省の文化財や景勝地を巡る「青甘大環線」や新疆ウイグル自治区北部などのツアーが人気。中国で「最も美しい道路」と称される新疆の「独庫公路」が5月末に通行を再開したことで、新疆のマイカー旅行熱も高まったという。
携程集団(トリップドットコム・グループ)では、親子連れ向けの旅行予約が全体の4分の1を占めた。自由度の高さからレンタカーやマイカーが人気の移動手段となり、予約数の44%を占めた。
夏が近づき、避暑地のニーズも生まれている。沢登りや川下りへの注目度が大きく上がり、観光地の人気上位10位には多くのウオーターパークが入った。
■インバウンドも活発
海外との往来も活発化した。国家移民管理局によると、端午節連休中の出入境者数は590万7,000人で、1日当たり平均では前年比2.7%増の196万9,000人。中国に入境した外国人のうち、ビザ(査証)免除措置を利用した人は23万1,000人で、前年から59.4%増加した。
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