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食品飲料展、350団体が参加15日まで開催、日本勢は品質PR

フィリピンのマニラ首都圏パサイ市で11日、食料品や飲料、調理機器の展示会「マニラ食品飲料展(MAFBEX)」が開幕した。食品メーカーや卸売業者を中心に約350団体が集結し、15日まで販路拡大に取り組む。日本からは高品質にこだわった企業などが参加し、同国の高級市場での商機を探った。

来場者らで賑わう展示会の様子=11日、首都圏パサイ市(NNA撮影)

マニラ食品飲料展はパサイ市の大型展示施設「世界貿易センター・メトロマニラ」で15日まで開催される。イベント運営を手がけるワールドベックス・サービシズ・インターナショナルが毎年主催しており、今年で19回目となる。
初出展となる石井食品(千葉県船橋市)は看板商品のミートボールをPRし、フィリピン市場への参入機会を探った。同商品は日本産鶏肉を無添加で使っていることが特徴。日本では冷蔵タイプの人気が高いが、海外では非常食として開発した常温保存タイプを販売する。
同社の新規販路開拓チームの櫻井智之マネージャーは「フィリピンは若年人口が多く、子育て層を念頭に置く自社の方向性と合致している」と話した。タイに次ぐ2カ国目の海外進出に向けて、日系の高級食料品店での販売に向けた交渉を進めているという。
高知県の水産振興部もフィリピンの人口構造に商機があるとみて初出展を決めた。冷凍水産物を飲食店や食料品店に卸す計画で、フィリピンへの進出が実現すれば東南アジア地域内で4カ国目となる。高知県貿易協会の水産物輸出促進コーディネーター、宮原多朗氏は「(フィリピンでは)経済成長が続く中、高級品やグルメに憧れる層に勢いがある。域内でも長期成長が見込める市場だ」と期待を寄せた。
同氏によると日本の水産物は中国で需要が低迷傾向にあるほか、近隣国では市場が成熟しつつある。そのため高知県は発達段階にあるフィリピンの高級市場で競争力を高めていく計画だ。同国の食卓で干物が定着していることからも、和食との親和性が高いとみている。
日本の大手ではキユーピーや味の素の現地法人も出展し、自社製品をPRした。
ほかにも商品の輸出先拡大を狙う企業の出展が目立った。ココナツやチョコレート由来のリキュールブランドを展開するセルビア・グローバル・トレーディングの担当者は「米国、日本、ドイツでの流通に興味があり、提携先を模索しているところだ」と話した。
乳製品を製造するベラルーシ企業は粉乳の販路拡大に向け出展。担当者は「フィリピンは乳製品の自給率が低く、長期保存が利く粉ミルクの利用も一般的だ。現時点では食品メーカーへの供給が最も多い」と述べ、さらなる需要の開拓に意欲を示した。
マニラ食品飲料展には、輸入販売業者や業務用の食品メーカーのほか、調理器具の製造者なども参加した。飲食店の経営者や一般客も訪れ、来場者数は5日間で延べ約15万人に上る見通し。
同展を11日に視察したマーク・ビリヤル上院議員によると、フィリピンの飲食サービス業界の市場規模は2025年時点の184億米ドル(約2兆6,500億円)から、30年には2倍近い362億米ドルに拡大すると予測されている。域内でも高い水準にある国内総生産(GDP)の伸び率と内需型の経済を背景に、今後も食料品市場の活発化が見込まれる。

初出展の石井食品は常温保存タイプのミートボールをPRした=11日、首都圏パサイ市(NNA撮影)
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初出展となる石井食品(千葉県船橋市)は看板商品のミートボールをPRし、フィリピン市場への参入機会を探った。同商品は日本産鶏肉を無添加で使っていることが特徴。日本では冷蔵タイプの人気が高いが、海外では非常食として開発した常温保存タイプを販売する。
同社の新規販路開拓チームの櫻井智之マネージャーは「フィリピンは若年人口が多く、子育て層を念頭に置く自社の方向性と合致している」と話した。タイに次ぐ2カ国目の海外進出に向けて、日系の高級食料品店での販売に向けた交渉を進めているという。
高知県の水産振興部もフィリピンの人口構造に商機があるとみて初出展を決めた。冷凍水産物を飲食店や食料品店に卸す計画で、フィリピンへの進出が実現すれば東南アジア地域内で4カ国目となる。高知県貿易協会の水産物輸出促進コーディネーター、宮原多朗氏は「(フィリピンでは)経済成長が続く中、高級品やグルメに憧れる層に勢いがある。域内でも長期成長が見込める市場だ」と期待を寄せた。
同氏によると日本の水産物は中国で需要が低迷傾向にあるほか、近隣国では市場が成熟しつつある。そのため高知県は発達段階にあるフィリピンの高級市場で競争力を高めていく計画だ。同国の食卓で干物が定着していることからも、和食との親和性が高いとみている。
日本の大手ではキユーピーや味の素の現地法人も出展し、自社製品をPRした。
ほかにも商品の輸出先拡大を狙う企業の出展が目立った。ココナツやチョコレート由来のリキュールブランドを展開するセルビア・グローバル・トレーディングの担当者は「米国、日本、ドイツでの流通に興味があり、提携先を模索しているところだ」と話した。
乳製品を製造するベラルーシ企業は粉乳の販路拡大に向け出展。担当者は「フィリピンは乳製品の自給率が低く、長期保存が利く粉ミルクの利用も一般的だ。現時点では食品メーカーへの供給が最も多い」と述べ、さらなる需要の開拓に意欲を示した。
マニラ食品飲料展には、輸入販売業者や業務用の食品メーカーのほか、調理器具の製造者なども参加した。飲食店の経営者や一般客も訪れ、来場者数は5日間で延べ約15万人に上る見通し。
同展を11日に視察したマーク・ビリヤル上院議員によると、フィリピンの飲食サービス業界の市場規模は2025年時点の184億米ドル(約2兆6,500億円)から、30年には2倍近い362億米ドルに拡大すると予測されている。域内でも高い水準にある国内総生産(GDP)の伸び率と内需型の経済を背景に、今後も食料品市場の活発化が見込まれる。
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