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香港系がニセコでホテル分譲「新世界」ブランド、富裕層狙う

香港系のデベロッパーとホテルが手がける北海道ニセコ町の分譲型高級リゾート「ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾート」が9日、香港で所有権の分譲を開始した。香港の不動産開発大手、新世界発展(ニューワールド・デベロップメント)グループの高級ホテルが運営を担う。オープンは2024年夏を予定。新型コロナウイルス禍後のインバウンド回復を好機と捉え、世界的に高い人気を誇るスキーリゾートで富裕層の投資を取り込む狙いだ。【菅原真央】

香港系のデベロッパーとホテルが手がけるニセコのリゾート「ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾート」の完成予想図(リスト・サザビーズ・インターナショナル・リアルティ提供)

9日に香港でメディア向けイベントを開き、施設の概要を紹介した。新世界傘下のローズウッド・ホテルグループ(瑰麗酒店集団)が「ニューワールド・ホテルズ&リゾーツ」のブランドでホテル運営を行う。
ニューワールド・ラ・プルーム・ニセコ・リゾートを開発するのは、香港を拠点に観光不動産への投資・開発を行う桜花資本国際控股(サクラ・キャピタル・インターナショナル・ホールディングス)(香港)傘下のラ・プルーム・ニセコ・リゾート・TMK。販売は香港にもオフィスを置く日本の高級不動産仲介ブランドのリスト・サザビーズ・インターナショナル・リアルティ(LSIR)などが手がける。
同リゾートはニセコエリアに4つあるスキーリゾートのうち、「ニセコビレッジスキーリゾート」に隣接。敷地面積は3万7,011平方メートルで、地上9階、地下2階建ての建物に設ける客室219室と一戸建てヴィラ5棟で構成する。
客室の所有権を購入しオーナーとなると、自身が滞在できるほか、使用しない期間は一般客向けに貸し出すこともでき、賃貸収入からコストや手数料を差し引いた配当を得ることができる。販売価格は403万~5,353万HKドル(約7,000万~9億2,900万円)。
ラ・プルーム・ニセコ・リゾート・TMKセールスディレクターのアンナ氏によると、ニセコエリアの分譲タイプのホテルの中では客室数が最も多いことや、78%の客室に温泉が付いていることが強み。フィットネスジムやプールなどのパブリックスペース部分が全体の面積の45%と高い割合を占めることも特長だという。本格中華料理を提供するレストランも設ける。
香港以外での販売は既に昨年から開始し、1~2期は完売した。3期目の現在も40%ほどを売り上げている。投資家の内訳は中国本土からが50%、日本からが30%などとなっている。

ラ・プルーム・ニセコ・リゾート・TMKのアンナ氏がリゾートの概要を紹介=9日、尖沙咀(NNA撮影)

■香港系の進出続く
ニセコエリアはアジア有数のスノーリゾートとして既に多くの外資系ホテルが軒を連ねているが、今後も香港系の複数の施設が開業を控えている。
嘉浩控股(メトロポリー・ホールディングス)はホテルやコンドミニアムを含む複合商業施設「アルクザカストリート」、ザ・パビリオンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツは古民家を移築したクラブハウスなどが特徴の「ザ・パビリオンズ・ニセコ・リゾート」をそれぞれ開発中で、24年の完成を目指す。また直近では通信・メディア大手の電訊盈科(PCCW)傘下の盈科大衍地産発展(パシフィック・センチュリー・プレミアム・デベロップメンツ、PCPD)が、20年1月に「パーク・ハイアット・ニセコ・HANAZONO」をオープンした。
LSIR東京オフィスの眞喜志健太氏によると、ニセコの不動産価格は海外のスノーリゾートと比較して手頃。世界でも貴重なパウダースノーが楽しめることに加え、高速道路や新幹線の延伸計画が進んでおり、東京や札幌からのアクセス向上が見込める。雪がないグリーンシーズンも「夏は最高気温が25~26度と香港と比べて5~6度低いため、避暑地としても多くの観光客が訪れる」と説明する。
■インバウンド回復が追い風
北海道経済部観光局の統計によると、新型コロナの感染が拡大する前の19年度のニセコエリアでの香港人観光客の延べ宿泊者数は、ニセコ町が1万3,249人、隣接する倶知安町が6万5,522人。ただコロナ拡大後の21年度はそれぞれ0人、6,634人まで落ち込んだ。22年度の人数は発表されていないが、日本政府が同年10月に外国人観光客の個人旅行を解禁したことで大幅な回復が予想されている。
眞喜志氏は「昨年からの円安傾向に加え、コロナ関連の渡航制限緩和でインバウンドは回復している。ニセコは雪質だけでなく、不動産マーケットとしてもポテンシャルがあり、アジアの富裕層から注目を集めている」と強調した。

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同リゾートはニセコエリアに4つあるスキーリゾートのうち、「ニセコビレッジスキーリゾート」に隣接。敷地面積は3万7,011平方メートルで、地上9階、地下2階建ての建物に設ける客室219室と一戸建てヴィラ5棟で構成する。
客室の所有権を購入しオーナーとなると、自身が滞在できるほか、使用しない期間は一般客向けに貸し出すこともでき、賃貸収入からコストや手数料を差し引いた配当を得ることができる。販売価格は403万~5,353万HKドル(約7,000万~9億2,900万円)。
ラ・プルーム・ニセコ・リゾート・TMKセールスディレクターのアンナ氏によると、ニセコエリアの分譲タイプのホテルの中では客室数が最も多いことや、78%の客室に温泉が付いていることが強み。フィットネスジムやプールなどのパブリックスペース部分が全体の面積の45%と高い割合を占めることも特長だという。本格中華料理を提供するレストランも設ける。
香港以外での販売は既に昨年から開始し、1~2期は完売した。3期目の現在も40%ほどを売り上げている。投資家の内訳は中国本土からが50%、日本からが30%などとなっている。
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■香港系の進出続く
ニセコエリアはアジア有数のスノーリゾートとして既に多くの外資系ホテルが軒を連ねているが、今後も香港系の複数の施設が開業を控えている。
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LSIR東京オフィスの眞喜志健太氏によると、ニセコの不動産価格は海外のスノーリゾートと比較して手頃。世界でも貴重なパウダースノーが楽しめることに加え、高速道路や新幹線の延伸計画が進んでおり、東京や札幌からのアクセス向上が見込める。雪がないグリーンシーズンも「夏は最高気温が25~26度と香港と比べて5~6度低いため、避暑地としても多くの観光客が訪れる」と説明する。
■インバウンド回復が追い風
北海道経済部観光局の統計によると、新型コロナの感染が拡大する前の19年度のニセコエリアでの香港人観光客の延べ宿泊者数は、ニセコ町が1万3,249人、隣接する倶知安町が6万5,522人。ただコロナ拡大後の21年度はそれぞれ0人、6,634人まで落ち込んだ。22年度の人数は発表されていないが、日本政府が同年10月に外国人観光客の個人旅行を解禁したことで大幅な回復が予想されている。
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