シンガポールの人材開発省が15日に発表した雇用統計で、2022年10~12月期の雇用増加数(前四半期比)は4万8,100人(改定値)だった。23年2月に発表した速報値を3,900人下回った。サービス業や製造業で増加幅が縮小した。人材開発省は、23年の労働市場が景気減速の影響を受けるとの懸念を示している。
22年10~12月期の雇用増加数は5四半期連続でプラスとなったが、前四半期の8万3,400人から大幅に縮小した。メイドを除く就労者の雇用増加数は4万3,500人。前四半期は7万5,900人だった。
業種別では、サービス業全体で速報値の3万5,500人から3万1,800人に、製造業は2,300人から2,200人にそれぞれ下方修正された。
サービス業では、卸売りや情報通信、金融サービスなどで前四半期からの縮小が目立った。一方で、祝日など季節的な要因を背景に、食品・飲料や小売りは増加幅が拡大した。
22年12月末時点の失業率(外国人を含む全体、季節調整済み)は2.0%で、速報値から横ばい。22年は四半期ベースで2.0~2.2%と低水準を維持した。
22年12月末時点の国民と永住権(PR)保持者の失業率は2.8%。9月末時点の2.9%から0.1ポイント低下した。国民は2.9%で、9月末時点から0.1ポイント下がった。
22年10~12月期の人員整理対象者数は2,990人(改定値)。業種別では電子製造業(670人)、卸売業(450人)、情報通信業(370人)など、逆風にさらされている外需依存型の産業で多かった。人材開発省は、「(新型コロナウイルス禍前の)19年の四半期ベースの水準の範囲内に収まっている」と説明した。
■22年は記録的な雇用増
22年通年の雇用増加数(メイドを除く)は22万7,800人(改定値)。1991年の統計開始以来、最大の増加数を記録した。20年は新型コロナ禍の影響で総雇用者数が16万6,600人減となり、雇用増加数はマイナスに転じていた。21年は4万1,400人増とプラスに戻った。
コロナ禍による影響で、20年には外国人雇用者数(メイドを除く)が18万1,500人減少していた。ただ22年4月に入国制限が大幅に緩和され、外国人の雇用が急増。22年の外国人雇用者数は20万1,600人増を記録した。外国人労働者への依存度が高い建設業や製造業で雇用増加数が大きかった。
国民と永住権保持者の雇用増加数は2万6,300人。主に金融・保険業(9,600人)、情報・通信業(7,900人)、専門サービス業(5,600人)などで増加した。
22年通年の失業率(外国人を含む全体)は2.1%。国民と永住権保持者は2.9%で、国民は3.0%だった。全体で2.7%だった21年と比較すると、大幅な改善をみせた。
人材開発省は23年通年について、「経済成長の鈍化が見込まれており、労働需要の緩和と労働市場の減速がみられる可能性がある」との見通しを示した。ただ、22年12月時点では、多くの企業が増員を計画しており、採用意欲は高いと付け加えた。
object(WP_Post)#9816 (24) {
["ID"]=>
int(12346)
["post_author"]=>
string(1) "3"
["post_date"]=>
string(19) "2023-03-16 00:00:00"
["post_date_gmt"]=>
string(19) "2023-03-15 15:00:00"
["post_content"]=>
string(3727) "シンガポールの人材開発省が15日に発表した雇用統計で、2022年10~12月期の雇用増加数(前四半期比)は4万8,100人(改定値)だった。23年2月に発表した速報値を3,900人下回った。サービス業や製造業で増加幅が縮小した。人材開発省は、23年の労働市場が景気減速の影響を受けるとの懸念を示している。
22年10~12月期の雇用増加数は5四半期連続でプラスとなったが、前四半期の8万3,400人から大幅に縮小した。メイドを除く就労者の雇用増加数は4万3,500人。前四半期は7万5,900人だった。
業種別では、サービス業全体で速報値の3万5,500人から3万1,800人に、製造業は2,300人から2,200人にそれぞれ下方修正された。
サービス業では、卸売りや情報通信、金融サービスなどで前四半期からの縮小が目立った。一方で、祝日など季節的な要因を背景に、食品・飲料や小売りは増加幅が拡大した。
22年12月末時点の失業率(外国人を含む全体、季節調整済み)は2.0%で、速報値から横ばい。22年は四半期ベースで2.0~2.2%と低水準を維持した。
22年12月末時点の国民と永住権(PR)保持者の失業率は2.8%。9月末時点の2.9%から0.1ポイント低下した。国民は2.9%で、9月末時点から0.1ポイント下がった。
22年10~12月期の人員整理対象者数は2,990人(改定値)。業種別では電子製造業(670人)、卸売業(450人)、情報通信業(370人)など、逆風にさらされている外需依存型の産業で多かった。人材開発省は、「(新型コロナウイルス禍前の)19年の四半期ベースの水準の範囲内に収まっている」と説明した。
■22年は記録的な雇用増
22年通年の雇用増加数(メイドを除く)は22万7,800人(改定値)。1991年の統計開始以来、最大の増加数を記録した。20年は新型コロナ禍の影響で総雇用者数が16万6,600人減となり、雇用増加数はマイナスに転じていた。21年は4万1,400人増とプラスに戻った。
コロナ禍による影響で、20年には外国人雇用者数(メイドを除く)が18万1,500人減少していた。ただ22年4月に入国制限が大幅に緩和され、外国人の雇用が急増。22年の外国人雇用者数は20万1,600人増を記録した。外国人労働者への依存度が高い建設業や製造業で雇用増加数が大きかった。
国民と永住権保持者の雇用増加数は2万6,300人。主に金融・保険業(9,600人)、情報・通信業(7,900人)、専門サービス業(5,600人)などで増加した。
22年通年の失業率(外国人を含む全体)は2.1%。国民と永住権保持者は2.9%で、国民は3.0%だった。全体で2.7%だった21年と比較すると、大幅な改善をみせた。
人材開発省は23年通年について、「経済成長の鈍化が見込まれており、労働需要の緩和と労働市場の減速がみられる可能性がある」との見通しを示した。ただ、22年12月時点では、多くの企業が増員を計画しており、採用意欲は高いと付け加えた。"
["post_title"]=>
string(56) "22年4Q雇用増加数4.8万人、製造など縮小"
["post_excerpt"]=>
string(0) ""
["post_status"]=>
string(7) "publish"
["comment_status"]=>
string(4) "open"
["ping_status"]=>
string(4) "open"
["post_password"]=>
string(0) ""
["post_name"]=>
string(158) "22%e5%b9%b4%ef%bc%94%ef%bd%91%e9%9b%87%e7%94%a8%e5%a2%97%e5%8a%a0%e6%95%b04-8%e4%b8%87%e4%ba%ba%e3%80%81%e8%a3%bd%e9%80%a0%e3%81%aa%e3%81%a9%e7%b8%ae%e5%b0%8f"
["to_ping"]=>
string(0) ""
["pinged"]=>
string(0) ""
["post_modified"]=>
string(19) "2023-03-16 04:00:07"
["post_modified_gmt"]=>
string(19) "2023-03-15 19:00:07"
["post_content_filtered"]=>
string(0) ""
["post_parent"]=>
int(0)
["guid"]=>
string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=12346"
["menu_order"]=>
int(0)
["post_type"]=>
string(4) "post"
["post_mime_type"]=>
string(0) ""
["comment_count"]=>
string(1) "0"
["filter"]=>
string(3) "raw"
}
- 国・地域別
-
シンガポール情報
- 内容別
-
ビジネス全般人事労務