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強制両替から1年、中銀が統制継続方針

ミャンマー国軍支配下の中央銀行が、外貨を現地通貨チャットに両替することを強制する通達を出してから、3日で1年がたった。民間企業などから外貨を「接収」しつつ海外への外貨流出を防ぐための一連の規制が続く。中銀は3月末、昨年度の振り返りの会合を開き、統制を続ける方針を示した。
1日付国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマーによると、中銀のタンタンスエ総裁は3月31日に首都ネピドーで開催した会合で、金融セクターの監視を続け、インフレ抑制に向けた金融政策を適時打ち出していく方針を示した。
会合では、銀行、輸出業者、輸入業者に中銀の規定を順守させ、輸出による収入や海外送金に関する報告を怠った場合は当局が指導していく方針も確認した。
中銀は2022年4月3日、強制両替などの外貨規制に関する最初の通達を発出。先細りする外貨の確保やチャット相場の安定化を図るが、規制対象や免除される条件は二転三転し、各産業を混乱させている。
タンタンスエ氏は、インド準備銀行(RBI、中銀)の承認を得られれば、貿易においてルピー決済を導入するとも指摘した。軍政下で中国の人民元、タイのバーツ、ロシアのルーブルなどを利用可能とするよう各国と交渉を進め、米ドル依存からの脱却を図ろうとしている。
ミャンマーでは21年2月1日にクーデターが発生。チャットの実勢レートは現在、1米ドル=2,800チャット台で推移しており、政変前と比べて価値が2分の1以下まで下がっている。中銀はチャットの安定化に向けて相場の管理を図り、公定レートは昨年8月から1米ドル=2,100チャット(約133円)で固定している。
チャット安の常態化は物価高をもたらしており、軍政はミャンマーに標的制裁を科して圧力をかける米欧への反発を強めている。国軍トップのミンアウンフライン総司令官は、訪問先のロシアで昨年9月、「大国の米ドル操作で小国が被害を受けている」と非難していた。

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中銀は2022年4月3日、強制両替などの外貨規制に関する最初の通達を発出。先細りする外貨の確保やチャット相場の安定化を図るが、規制対象や免除される条件は二転三転し、各産業を混乱させている。
タンタンスエ氏は、インド準備銀行(RBI、中銀)の承認を得られれば、貿易においてルピー決済を導入するとも指摘した。軍政下で中国の人民元、タイのバーツ、ロシアのルーブルなどを利用可能とするよう各国と交渉を進め、米ドル依存からの脱却を図ろうとしている。
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