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BYDの工場建設地が決定西ジャワ州スバン県、年産15万台

中国のEV最大手、比亜迪(BYD)の現地法人BYDモーター・インドネシアは4月30日、建設計画を公表していた完成車工場について、西ジャワ州スバン県の新興都市「スバン・スマートポリタン」に建設すると発表した。工場の年産能力は約15万台を計画しており、2026年1月の稼働を目指す。首都ジャカルタで4月30日に開幕した、電気自動車(EV)の展示・販売会「Periklindo電気自動車ショー(PEVS)2024」で明らかにした。

BYDモーター・インドネシアは西ジャワ州スバン県に工場を建設すると発表し、不動産開発スルヤチプタ・スワダヤと用地売買に関する合意書を交わした=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

BYDが工場を建設するスバン・スマートポリタンは、地場不動産開発スルヤチプタ・スワダヤが開発を手がけており、PEVS初日の同日にBYDとスルヤチプタ・スワダヤが用地売買に関する合意書を締結した。用地面積は108ヘクタール超で、生産設備だけでなく、研究・開発拠点や研修施設を備えた大型拠点となる。スバン・スマートポリタンに入居が決まっている企業の中でも最大のアンカーテナントで、8月に用地の引き渡しを予定する。
スバン県は、日系企業が集積する工業地帯があるジャカルタ東郊の西ジャワ州カラワン県に隣接しており、次世代の成長地域として注目されつつある。
スバン・スマートポリタンは現在、24年12月の第1フェーズの開業に向けて開発が進められており、BYDは第2フェーズの用地に入居する予定。スバン・スマートポリタンでは、同じスバン県で日系企業が運営する自動車ターミナルを備えるパティンバン港とをつなぐパティンバン・アクセス高速道路の建設も始まっている。
BYDは工場への投資額を明らかにしてないが、BYDモーター・インドネシアのイーグル・チャオ社長は、工場を含めたインドネシアへの投資総額として約10億米ドル(約1,580億円)超を見込んでいると述べた。
BYDは1月にインドネシアの乗用車市場へ参入を表明し3車種を投入したが、まだ納車は開始されていない。チャオ社長は納車が遅れていることについて謝罪し、6月には開始できるとの見通しを示した。数千台の納車を予定している。
国内のディーラー網の整備については、BYDは年内に50店舗のディーラーを設けることを掲げており、4月末までに8都市13カ所を整備したと説明した。

BYDのPEVS2024の出展ブースでは、セダン「シール」など3車種を展示した=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

■五菱汽車のハッチバックEV、4.1億ルピアから
PEVS2024は、出展した四輪メーカーの半数以上が中国系ブランドで、30日の各社の会見では新たな製品も発表された。
中国・上汽通用五菱汽車(SGMW)のインドネシア法人SGMWモーター・インドネシアは、中型ハッチバックのEV「クラウドEV(Cloud EV)」の事前予約の受け付けを開始した。価格は、政府の税制優遇を適用した想定で4億1,000万ルピア(約390万円)と発表した。5月中旬に正式発売し、月内に納車を開始する予定だ。
クラウドEVは5人乗りで、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFPバッテリー)を搭載し、航続距離は460キロメートル。
クラウドEVは2月の自動車展示・販売会「インドネシア国際モーターショー(IIMS)2024」で初公開し「年内に投入予定」としていたが、早くも販売・納車を開始する。五菱汽車は、第1四半期(1~3月)のインドネシアのブランド別EV販売で最多となるなど、国内のEV市場をリードしている。

五菱汽車は中型ハッチバック「クラウドEV」の想定価格を発表し、事前予約の受け付けを開始した=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

■ナタ汽車、特別価格2億ルピア台で新車投入
中国・浙江合衆新能源汽車が展開するEVブランドの「ナタ汽車」(ナ=口へんに那、タ=口へんに託のつくり、NETA)の現地法人NETAオート・インドネシアは、小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「NETA V—II」を先行発表した。同モデルはNETAがインドネシアで初めて現地組み立て生産するモデルとなる。
販売価格の詳細は明らかにしなかったが、5月下旬に正式発売までは、期間限定の特別価格として2億ルピア台に設定する予定。早ければ6月上旬から納車を始める。

ナタ汽車が先行発表した、小型SUVのEV「NETA V—II」=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

NETA V—IIの航続距離は401キロ。9種類の先進運転支援システム(ADAS)を備える。ボディーカラーは4色展開し、カラーに応じて内装のバリエーションも増やした。

ナタ汽車はPEVS2024で、新型EV「NETA V—II」を2億ルピア台の特別価格で提供すると発表するなど価格攻勢をかける=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

中国・東風小康汽車(DFSK)や重慶金康賽力斯汽車(セレス)ブランドを展開するソコニンド・オートモービルは、来年にもセレスブランドのSUV「M7」や「M9」を販売する予定だとし、乗用車を拡充する方針を示した。
■年5万台の販売を目標に=調整省次官
30日のPEVS2024の開幕式に出席した、海事・投資担当調整省のラフマット・カイムディン次官(インフラ・運輸調整担当)は、「多くの新型EVが投入されており、今年のEV販売台数は5万台以上を目指したい」と述べた。
インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)のデータによると、23年のEVの卸売り販売台数は1万7,051台で、24年1~3月のEV販売は5,918台となっている。3月のEV販売は前年同月比2倍の2,140台。新車販売全体におけるシェアは2.9%で、前年同月からは1.8ポイント上昇した。
PEVS2024は、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場ジャカルタ・インターナショナル・エキスポ(JIエキスポ)で5日まで開催されている。四輪車10ブランド、二輪車9ブランドのほか、部品メーカーなどを含めて計116事業者が参加している。日系ブランドは四輪では出展がなく、二輪でホンダ1社が参加している。


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スバン県は、日系企業が集積する工業地帯があるジャカルタ東郊の西ジャワ州カラワン県に隣接しており、次世代の成長地域として注目されつつある。
スバン・スマートポリタンは現在、24年12月の第1フェーズの開業に向けて開発が進められており、BYDは第2フェーズの用地に入居する予定。スバン・スマートポリタンでは、同じスバン県で日系企業が運営する自動車ターミナルを備えるパティンバン港とをつなぐパティンバン・アクセス高速道路の建設も始まっている。
BYDは工場への投資額を明らかにしてないが、BYDモーター・インドネシアのイーグル・チャオ社長は、工場を含めたインドネシアへの投資総額として約10億米ドル(約1,580億円)超を見込んでいると述べた。
BYDは1月にインドネシアの乗用車市場へ参入を表明し3車種を投入したが、まだ納車は開始されていない。チャオ社長は納車が遅れていることについて謝罪し、6月には開始できるとの見通しを示した。数千台の納車を予定している。
国内のディーラー網の整備については、BYDは年内に50店舗のディーラーを設けることを掲げており、4月末までに8都市13カ所を整備したと説明した。
[caption id="attachment_19785" align="aligncenter" width="620"] BYDのPEVS2024の出展ブースでは、セダン「シール」など3車種を展示した=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)[/caption]
■五菱汽車のハッチバックEV、4.1億ルピアから
PEVS2024は、出展した四輪メーカーの半数以上が中国系ブランドで、30日の各社の会見では新たな製品も発表された。
中国・上汽通用五菱汽車(SGMW)のインドネシア法人SGMWモーター・インドネシアは、中型ハッチバックのEV「クラウドEV(Cloud EV)」の事前予約の受け付けを開始した。価格は、政府の税制優遇を適用した想定で4億1,000万ルピア(約390万円)と発表した。5月中旬に正式発売し、月内に納車を開始する予定だ。
クラウドEVは5人乗りで、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFPバッテリー)を搭載し、航続距離は460キロメートル。
クラウドEVは2月の自動車展示・販売会「インドネシア国際モーターショー(IIMS)2024」で初公開し「年内に投入予定」としていたが、早くも販売・納車を開始する。五菱汽車は、第1四半期(1~3月)のインドネシアのブランド別EV販売で最多となるなど、国内のEV市場をリードしている。
[caption id="attachment_19784" align="aligncenter" width="620"]五菱汽車は中型ハッチバック「クラウドEV」の想定価格を発表し、事前予約の受け付けを開始した=4月30日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)[/caption]
■ナタ汽車、特別価格2億ルピア台で新車投入
中国・浙江合衆新能源汽車が展開するEVブランドの「ナタ汽車」(ナ=口へんに那、タ=口へんに託のつくり、NETA)の現地法人NETAオート・インドネシアは、小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「NETA V—II」を先行発表した。同モデルはNETAがインドネシアで初めて現地組み立て生産するモデルとなる。
販売価格の詳細は明らかにしなかったが、5月下旬に正式発売までは、期間限定の特別価格として2億ルピア台に設定する予定。早ければ6月上旬から納車を始める。
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NETA V—IIの航続距離は401キロ。9種類の先進運転支援システム(ADAS)を備える。ボディーカラーは4色展開し、カラーに応じて内装のバリエーションも増やした。
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中国・東風小康汽車(DFSK)や重慶金康賽力斯汽車(セレス)ブランドを展開するソコニンド・オートモービルは、来年にもセレスブランドのSUV「M7」や「M9」を販売する予定だとし、乗用車を拡充する方針を示した。
■年5万台の販売を目標に=調整省次官
30日のPEVS2024の開幕式に出席した、海事・投資担当調整省のラフマット・カイムディン次官(インフラ・運輸調整担当)は、「多くの新型EVが投入されており、今年のEV販売台数は5万台以上を目指したい」と述べた。
インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)のデータによると、23年のEVの卸売り販売台数は1万7,051台で、24年1~3月のEV販売は5,918台となっている。3月のEV販売は前年同月比2倍の2,140台。新車販売全体におけるシェアは2.9%で、前年同月からは1.8ポイント上昇した。
PEVS2024は、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場ジャカルタ・インターナショナル・エキスポ(JIエキスポ)で5日まで開催されている。四輪車10ブランド、二輪車9ブランドのほか、部品メーカーなどを含めて計116事業者が参加している。日系ブランドは四輪では出展がなく、二輪でホンダ1社が参加している。


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