台湾のスタートアップ支援組織、Startup Island TAIWAN(スタートアップアイランド台湾)はこのほど、関西市場への進出を支援する同盟「Alliance WEST(アライアンスウエスト)」が発足したと発表した。アクセラレーターやベンチャーキャピタルが参加し、台湾のスタートアップと共に2025年大阪・関西万博に向けた商機を探る。7月には30社以上を率いて大阪、京都、神戸を訪問する予定だ。【山田愛実】
台湾スタートアップの関西市場への進出を支援する同盟、アライアンスウエストが発足した(NNA撮影)
スタートアップアイランド台湾によると、アライアンスウエストに参加する団体は、日本や関西エリアでの影響力を発揮し、大阪に進出しようとする台湾のスタートアップをサポートする。スタートアップアイランド台湾は今後の目標について「大阪側との対話を組織対組織で行って効率的にコミュニケーションを図り、万博以降も関係性を継続する」と説明した。
アライアンスウエストにはアクセラレーターの北医生医加速器(TMU BioMed Accelerator)や比翼生医(BE Health)、AppWorks(之初加速器)、交大産業加速器(IAPS)、遠伝新創加速器(FET Startups Accelerator)、ベンチャーキャピタルの蜂行資本(Hive Ventures)が参加。このほか◇台湾通信システム大手の精誠資訊(システックス)◇米国とアジアのビジネス促進団体、AAMA◇プラスチック高分子分野の研究開発(R&D)を手がける塑膠工業技術発展中心(塑膠中心、PIDC)◇台湾企業の日本進出支援団体、台湾新経済連盟(NEAT)◇IT・ソフトウエア業界団体の中華民国資訊軟体協会(CISA)——なども名を連ねる。
このうち塑膠中心は直近で特に医療機器のスタートアップに注力して医療機器の商品化設計開発サービスを提供。このほど関西の企業と提携し、自主開発した医療用コーティング材料技術の普及を進めている。将来的には日本の医療機器メーカーとのより深い技術協力と交流の機会が増えることを期待しているという。
比翼生医は医療技術への投資に特化した「病院ベンチャーキャピタル」。18年の設立以来、140以上のスタートアップチームを支援。30社のディスラプター(破壊的企業)に投資し、総額2億米ドル(約315億円)の資金調達を支援してきた。日本にも現地チームを持ち、日本のスタートアップが台湾で臨床試験や設計・生産を行う支援をしている。
比翼生医は、病院や研究開発機関などとつながり、日台の医療スタートアップの海外展開を支援するとしている。
遠伝新創加速器はこれまでにイベント「スタートアップクリニック」を65回開催し、37社のスタートアップを支援。投資誘致額は4億5,000万台湾元(約21億9,000万円)を突破した。支援を受けたスタートアップのうち、いくつかは日本に支社を設立し、現地の大手企業と連携している。
CISAは06年から日台の産業間の交流と協力の促進に取り組む。関西、関東、東北、沖縄など日本各地の15の関連団体と協力協定を締結し、双方の訪問や交流、マッチングなどの活動を行っている。
7月の大阪訪問では、大阪商工会議所との協力で商談交流会を開催予定。指標的企業の訪問や大型展示会への参加を通じて、台湾の情報サービス業者が西日本市場に進出し、新たな商機を獲得できるよう支援するとしている。
スタートアップアイランド台湾は5月下旬、アライアンスウエストの設立イベントと関西展開に関する説明会を開催。三井住友銀行や大阪イノベーションハブ、大阪国際経済振興センター国際部(IBPC大阪)、大阪商工会議所を招いて大阪市場の発展見通しと海外スタートアップのリソースについて情報共有を行ったほか、大阪に進出した台湾のスタートアップの成功事例の分析を紹介した。
■30社超が関西でピッチ
アライアンスウエストは7月1~3日に大阪を、4~6日に京都、神戸をそれぞれ訪問する。スマートシティー、スマート製造、ヘルスケアに関連する台湾のスタートアップ30社以上が参加し、ピッチイベントなどを行う。
参加するスタートアップは、電話番号識別アプリ「Whoscall(フーズコール)」を運営するGogolook(ゴーゴールック)、モバイル決済の喬睿科技(チェリーテック)、電子本人確認(eKYC)ソリューションの数位身分(Authme、オースミ)など。
スタートアップアイランド台湾は、大阪訪問で万博のビジネスチャンスを狙い、日本側とのコラボレーションを強化すると指摘。これにより日本のインバウンド業界に貢献したい考えも示した。
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アライアンスウエストにはアクセラレーターの北医生医加速器(TMU BioMed Accelerator)や比翼生医(BE Health)、AppWorks(之初加速器)、交大産業加速器(IAPS)、遠伝新創加速器(FET Startups Accelerator)、ベンチャーキャピタルの蜂行資本(Hive Ventures)が参加。このほか◇台湾通信システム大手の精誠資訊(システックス)◇米国とアジアのビジネス促進団体、AAMA◇プラスチック高分子分野の研究開発(R&D)を手がける塑膠工業技術発展中心(塑膠中心、PIDC)◇台湾企業の日本進出支援団体、台湾新経済連盟(NEAT)◇IT・ソフトウエア業界団体の中華民国資訊軟体協会(CISA)——なども名を連ねる。
このうち塑膠中心は直近で特に医療機器のスタートアップに注力して医療機器の商品化設計開発サービスを提供。このほど関西の企業と提携し、自主開発した医療用コーティング材料技術の普及を進めている。将来的には日本の医療機器メーカーとのより深い技術協力と交流の機会が増えることを期待しているという。
比翼生医は医療技術への投資に特化した「病院ベンチャーキャピタル」。18年の設立以来、140以上のスタートアップチームを支援。30社のディスラプター(破壊的企業)に投資し、総額2億米ドル(約315億円)の資金調達を支援してきた。日本にも現地チームを持ち、日本のスタートアップが台湾で臨床試験や設計・生産を行う支援をしている。
比翼生医は、病院や研究開発機関などとつながり、日台の医療スタートアップの海外展開を支援するとしている。
遠伝新創加速器はこれまでにイベント「スタートアップクリニック」を65回開催し、37社のスタートアップを支援。投資誘致額は4億5,000万台湾元(約21億9,000万円)を突破した。支援を受けたスタートアップのうち、いくつかは日本に支社を設立し、現地の大手企業と連携している。
CISAは06年から日台の産業間の交流と協力の促進に取り組む。関西、関東、東北、沖縄など日本各地の15の関連団体と協力協定を締結し、双方の訪問や交流、マッチングなどの活動を行っている。
7月の大阪訪問では、大阪商工会議所との協力で商談交流会を開催予定。指標的企業の訪問や大型展示会への参加を通じて、台湾の情報サービス業者が西日本市場に進出し、新たな商機を獲得できるよう支援するとしている。
スタートアップアイランド台湾は5月下旬、アライアンスウエストの設立イベントと関西展開に関する説明会を開催。三井住友銀行や大阪イノベーションハブ、大阪国際経済振興センター国際部(IBPC大阪)、大阪商工会議所を招いて大阪市場の発展見通しと海外スタートアップのリソースについて情報共有を行ったほか、大阪に進出した台湾のスタートアップの成功事例の分析を紹介した。
■30社超が関西でピッチ
アライアンスウエストは7月1~3日に大阪を、4~6日に京都、神戸をそれぞれ訪問する。スマートシティー、スマート製造、ヘルスケアに関連する台湾のスタートアップ30社以上が参加し、ピッチイベントなどを行う。
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