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パーソルとNNA、労務・経済展望で講演会

インドネシアで人事労務コンサルティングを手がけるパーソルケリー・コンサルティング・インドネシア(PERSOL)とNNAインドネシアは6月27日、首都ジャカルタでセミナーを共催した。NNAインドネシアで連載企画を執筆しているPERSOLの森智和氏のレポート発売に合わせて、両社が労務問題や大統領選挙後の経済展望について講演を行った。セミナーには約250人が参加した。

「インドネシア労務のポイント」と題して講演した、パーソルケリー・コンサルティング・インドネシア(PERSOL)の森智和氏=6月27日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)

森氏は講演で、賃金、手当、退職金、労働組合など日本人経営者が知るべきトピックについて解説。インドネシアの労働法では、たとえ経営者であっても外国人が人事に携わることは禁じられているとし、「社長であっても外国人が人事書類に署名を行うことで、多額の罰金につながる恐れがある」と強調した。承認欄と確認欄のいずれの署名も記録に残してはならないとし、人事書類へのサインは必ずインドネシア国籍者に行わせることが必要だと注意を呼びかけた。
また、会社業績に応じて支給される賞与については、会社に貢献した社員とそうでない社員に大きく差をつけることで、有能な人材の確保の施策に生かせるとの考え方を示し、平等を重視しがちとされる日系企業の制度に「平等は本当に必要でしょうか」と問いかけた。
今回のセミナーは、NNAインドネシアで連載企画「労務のツボ」を執筆している森氏のレポート「インドネシア労務のツボ」の発売に合わせて開催。森氏は「2023年にインドネシア移住20年の節目を迎え、何か形に残るものを残したいとの思いがきっかけだった」と熱を込めて語り、これまでの連載とは別に新たに書き下ろすなど力を注いできたと述べた。
2月に実施された大統領選後の経済動向に関する講演には、NNAインドネシアの京正裕之編集長が登壇した。当選したプラボウォ氏は年8%の経済成長を掲げているが、「国民に向けた、成長潜在性は高いというメッセージ」と捉えるべきだと解説。今後も、政府は産業の高付加価値化を推進する方針で、こうした文脈の中で、特に中国からの投資を中心とした電気自動車(EV)産業の育成も進められるだろうと述べた。
また、政治外交面では、インドネシアは伝統的に「バランス外交」を掲げており、強まる中国との経済関係が必ずしも政治的な近さに結び付いているわけではないとの見方を解説。「プラボウォ氏は、初めての外遊先となった中国の後、日本を訪問することを判断したように、特定の大国に偏らない外交を進めている」と説明した。

約250人が参加して開催されたパーソルとNNAの共催セミナー=6月27日、ジャカルタ特別州(NNA撮影)
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