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市民8割が年1~10回本土へ飲食や買い物、中央系機関調査

香港市民の8割以上が今年、中国本土に1~10回出かける予定があることが中国中央政府系機関の調査で分かった。目的は飲食や買い物が多く、3割近い人が4,000人民元(約8万1,000円)超を使うと答えた。香港に隣接する広東省深センなどへ出かけて消費する「北上消費」の拡大が伝えられる中、市民はコストパフォーマンスの高さを求めて本土を訪れていることが改めて浮き彫りとなった。
中国文化観光省の香港出先機関であるアジア観光交流センターが27日、24年の香港・マカオ市民の本土旅行の特徴に関する調査報告を発表した。調査は4~6月にオンラインとオフラインで実施。1,594人から有効回答を得た。
24年に本土に行く予定が1~10回あると答えた人は、香港が82.7%、マカオが61.0%でいずれも最多だった。11回以上と答えた人もそれぞれ16.8%、38.8%に達した。
同センターによると、新型コロナウイルス禍前の19年は平均で香港市民が10.7回、マカオ市民が40.4回本土に出かけていた。今年本土に行く回数が19年より増えると答えた人は約半数(香港50.0%、マカオ49.7%)となり、「19年並み」(同39.1%、38.0%)、「減る」(同10.8%、12.1%)を上回った。
同センターは「コロナ禍で蓄積された旅行需要の解放に加え、本土の文化や観光の魅力が増していること、香港ドル高などが要因」と分析した。
香港市民の本土旅行の目的は「グルメ・ショッピング」が45.1%と突出して多かった。以下は◇レジャー(19.7%)◇観光(17.9%)◇ヘルスケア(13.0%)◇親族・友人の訪問(13.0%)◇スタディーツアー(4.2%)◇ビジネス・会議(3.3%)——の順。マカオ市民もグルメ・ショッピング(26.5%)が最も多かったが、香港に比べて回答が分散した。
香港市民にとっての本土旅行の魅力は「飲食・ショッピングのコストパフォーマンスの高さ」が35.8%で最多だった。「文化・観光資源の豊富さ」(30.8%)、「地理的な近さ」(23.9%)、「交通の利便性」(20.4%)を上回り、市民がお得感を求めて本土へ出かけていることが分かった。一方、マカオは文化・観光資源の豊富さ(26.6%)の比率が最も高く、交通の利便性(22.8%)、飲食・ショッピングのコストパフォーマンスの高さ(16.7%)が続いた。
旅行中の消費予算は、4,001元以上と答えた人が香港は29.3%、マカオは67.5%に上った。一番多い金額帯は香港が1,001~4,000元(39.8%)、マカオが4,001~8,000元(36.3%)だった。
同センターは「コロナ禍後の往来正常化以降、珠海、深セン、広州、中山など『粤港澳大湾区(グレーターベイエリア、広東省の珠江デルタ9市と香港、マカオで形成する一大経済圏)』の本土側都市の質の高い消費環境とサービスが香港・マカオ市民を引きつけ、週末に訪れることが常態化している」と指摘した。
■広東省以外にも
旅行期間は4~6日間と答えた人が香港(31.9%)、マカオ(42.6%)ともに最も多かった。2~3日(香港24.4%、マカオ30.7%)がそれに続き、香港では日帰り(22.5%)も目立った。
一方、人気の旅行先では広東省以外の地域も上位に入った。香港市民に人気だったのは1位から◇北京◇新疆◇広東◇上海◇重慶——。マカオ市民は◇北京◇上海、広東(同率)◇江蘇◇天津——となった。
交通手段は飛行機(香港35.2%、マカオ33.1%)が高速鉄道(同34.9%、25.2%)を上回った。同センターは「高速鉄道や航空便の選択肢が増えたことで、より遠い場所への旅行が人気になってきている」と指摘。海外の航空路線がまだ完全には再開されていないことから、元々欧米に行く予定だった香港・マカオ市民の一部が本土ツアーに切り替えているとの見方も示した。
本土旅行の主な障壁には「地理に詳しくない」「旅行ルートの計画」「観光スポットのチケット予約」などが上位に挙がった。環境や衛生、支払い手段などを懸念する声もあった。

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24年に本土に行く予定が1~10回あると答えた人は、香港が82.7%、マカオが61.0%でいずれも最多だった。11回以上と答えた人もそれぞれ16.8%、38.8%に達した。
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