長野県は、シンガポールで県産ブドウの販促を進めている。今回、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などで知られるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が運営するアジア向けブランド店「ドンドンドンキ」の国内全店舗で、県産ブドウの三大品種を売り込む。期間は10月4日までの3週間。長野県がシンガポールの小売店で同様の販売フェアを本格的に開催するのは初となる。現地での需要動向を探り、今後の販促につなげたい考えだ。
「ドンドンドンキ」の店頭に並んだ長野県産のブドウ3品種=シンガポール中心部(NNA撮影)
JA全農長野(長野市)は、赤紫色の長野県産オリジナル品種「クイーンルージュ」、黒紫色の「ナガノパープル」、黄緑色の「シャインマスカット」の3品種を県を代表するブドウとしており、日本では「ぶどう三姉妹」と称しアピールしている。3品種はいずれも「大粒」「種なし」で「皮ごと食べられる」「糖度が高い」のが特長だ。
クイーンルージュは2021年に出荷を本格的に開始したばかりの新品種。シンガポールでは海外販売時のブランド名「妃紅提」を使っている。
今回は、シンガポールの「ドンドンドンキ」の全16店舗で県産ブドウフェアを開催。店頭にPOP広告やのぼり旗などを掲げて3品種をPRする。フェア終了後もブドウの販売は継続する。価格はクイーンルージュとナガノパープルがそれぞれ約20Sドル(約2,200円)、シャインマスカットが約13Sドルだ。
長野県庁の担当者はNNAに対し、「シンガポールではこれまでも県産ブドウのPRを行ってきたが、今回のようなフェアを大々的に行うのはドンドンドンキを含め同国の小売店で初となる。3品種をセットにして出せるのが県の強みだ」と話した。フェアを通じて、現地の消費者の需要動向を探りたい考えだ。
また16店舗のうち3店舗では、3品種のブドウを使ったフルーツ大福も販売する。
JA全農長野の担当者によると、今回のブドウフェア向けに県から3品種合わせて2,000ケースを出荷した。県産ブドウは、平均標高が高く昼夜の寒暖差が大きい長野県の気候環境を生かして生産されており、糖度が全般的に高い。県のブドウの収穫量は全国2位とトップクラスだ。
フェア開催に合わせこのほか、県庁の担当者らがシンガポールの卸売業者などと懇談。現地の消費者の嗜好(しこう)や市場動向、他国産ブドウの評価など多様な観点から、今後のシンガポールでのブドウの販路拡大に向けて意見交換を行った。
長野県は、23年度から県産農産物輸出拡大に向けた取り組みとして「海外で稼ぐNAGANO農産物輸出拡大事業」を始動。輸出重点国・地域はシンガポール、台湾、香港、米国。重点品目はブドウ、コメ、花卉(かき)としている。
シンガポールでの今回の活動はこの取り組みの一環となる。23年は台湾で県産ブドウの販路拡大事業を実施していた。
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クイーンルージュは2021年に出荷を本格的に開始したばかりの新品種。シンガポールでは海外販売時のブランド名「妃紅提」を使っている。
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長野県庁の担当者はNNAに対し、「シンガポールではこれまでも県産ブドウのPRを行ってきたが、今回のようなフェアを大々的に行うのはドンドンドンキを含め同国の小売店で初となる。3品種をセットにして出せるのが県の強みだ」と話した。フェアを通じて、現地の消費者の需要動向を探りたい考えだ。
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