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【日本の税務】短期滞在者免税(183日ルール)とは

第316回
能見さん:みらい先生こんにちは。今度、マレーシア子会社の工場で製造工程を追加することとなり、3カ月の予定でクアラルンプールへ出張することになりました。その間の私の給料に対する税金で注意すべきことはありますか?
みらい:マレーシア出張中の能見さんの給料は、本社(日本法人)と子会社のどちらが負担するのですか?
能見さん:今まで通り本社が負担すると聞いています。
みらい:それでしたら、「短期滞在者免税」の適用を受けられる可能性がありますね。
能見さん:「短期滞在者免税」とは、何でしょうか?
みらい:国際税務の基本的な考え方として、給与所得に対する課税権は、実際に勤務を行う勤務地国(源泉地国)にあるとされていますが、源泉地国での滞在日数が短期間であれば、その期間の給料について源泉地国では課税しないという制度です。具体的な要件などは租税条約に定められています。
能見さん:一定の要件を満たせば、マレーシアでの課税はなくて、日本だけでの課税になるということでしょうか?
みらい:その通りです。
能見さん:「短期滞在者免税」が適用されるための要件はどのようなものでしょうか?
みらい:ポイントは3つあり、そのすべてを満たす必要があります。第一は、滞在期間に関するものです。この要件は国によって若干異なっているので注意が必要ですが、能見さんの出張先のマレーシアであれば、今年中(1月から12月)の滞在期間が183日を超えないこととされています。183日というのは、多くの国が採用しているところから「短期滞在者免税」は「183日ルール」とも呼ばれています。
能見さん:私の場合4月から6月までの3カ月ですので、この要件はクリアしていますね。ただ、作業の進捗(しんちょく)状況によっては延長の可能性があると言われています。その場合はどうなりますか?
みらい:仮に滞在期間が延長されて、183日を超えてしまう場合には、短期滞在者免税の要件を満たさなくなるので、当初の期間からマレーシアで課税されることになります。
能見さん:当初の期間は日本で課税されていますよね。日本とマレーシアの両方で課税されることになりませんか?
みらい:その場合には、外国税額控除という制度があります。ただ、手続きが少し面倒ですし、二重の課税が解消されないこともあります。183日を超えることが分かったら、早めに会社と相談してみてください。
能見さん:ありがとうございます。そうします。残りの要件はなんでしょうか。
みらい:第二の要件は給料が全額日本法人から支払われているということです。
能見さん:何かしらの手当てを含めて、子会社から給与の一部分でも支給されれば、この要件に該当しないということですね。
みらい:その通りです。第三として、本社が支払った給料をマレーシアにある支店や営業所などが負担しないということも要件とされています。
能見さん:良くわかりました。念のため本社に確認してみます。
みらい:租税条約にのっとった手続きが必要になりますが、現地の担当者に確認してもらえばいいでしょう。それでは、マレーシアでのお仕事頑張って下さいね。
筆者:みらいコンサルティンググループ/提供:NNA(先行連載)

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みらい:マレーシア出張中の能見さんの給料は、本社(日本法人)と子会社のどちらが負担するのですか?
能見さん:今まで通り本社が負担すると聞いています。
みらい:それでしたら、「短期滞在者免税」の適用を受けられる可能性がありますね。
能見さん:「短期滞在者免税」とは、何でしょうか?
みらい:国際税務の基本的な考え方として、給与所得に対する課税権は、実際に勤務を行う勤務地国(源泉地国)にあるとされていますが、源泉地国での滞在日数が短期間であれば、その期間の給料について源泉地国では課税しないという制度です。具体的な要件などは租税条約に定められています。
能見さん:一定の要件を満たせば、マレーシアでの課税はなくて、日本だけでの課税になるということでしょうか?
みらい:その通りです。
能見さん:「短期滞在者免税」が適用されるための要件はどのようなものでしょうか?
みらい:ポイントは3つあり、そのすべてを満たす必要があります。第一は、滞在期間に関するものです。この要件は国によって若干異なっているので注意が必要ですが、能見さんの出張先のマレーシアであれば、今年中(1月から12月)の滞在期間が183日を超えないこととされています。183日というのは、多くの国が採用しているところから「短期滞在者免税」は「183日ルール」とも呼ばれています。
能見さん:私の場合4月から6月までの3カ月ですので、この要件はクリアしていますね。ただ、作業の進捗(しんちょく)状況によっては延長の可能性があると言われています。その場合はどうなりますか?
みらい:仮に滞在期間が延長されて、183日を超えてしまう場合には、短期滞在者免税の要件を満たさなくなるので、当初の期間からマレーシアで課税されることになります。
能見さん:当初の期間は日本で課税されていますよね。日本とマレーシアの両方で課税されることになりませんか?
みらい:その場合には、外国税額控除という制度があります。ただ、手続きが少し面倒ですし、二重の課税が解消されないこともあります。183日を超えることが分かったら、早めに会社と相談してみてください。
能見さん:ありがとうございます。そうします。残りの要件はなんでしょうか。
みらい:第二の要件は給料が全額日本法人から支払われているということです。
能見さん:何かしらの手当てを含めて、子会社から給与の一部分でも支給されれば、この要件に該当しないということですね。
みらい:その通りです。第三として、本社が支払った給料をマレーシアにある支店や営業所などが負担しないということも要件とされています。
能見さん:良くわかりました。念のため本社に確認してみます。
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