韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を内乱の首謀の疑いで捜査している高官犯罪捜査庁(高捜庁)と警察の合同捜査本部は15日、尹氏の身柄を拘束した。現職大統領の身柄拘束は憲政史上初となる。これに対し尹氏は、令状執行後に弁護団を通じて「この国では法が全て崩壊した」と声明を公表し、捜査は違法だと主張した。尹氏の徹底抗戦の構えにより、政局の混乱が長期化する恐れもある。
尹氏は非常戒厳令を宣布してから43日目での身柄拘束となった。3日の令状執行時には、大統領警護庁による抵抗で拘束が失敗に終わっていたが、今回は懸念された警護隊との大きな衝突はなかった。合同捜査本部は、令状執行に向けて尹氏の公邸に3,000人以上の警察官らを招集していた。
尹氏の取り調べは高捜庁の庁舎で行われ、200ページを超える質問書が準備されたという。ただ、尹氏は15日午後時点で取り調べに対し供述を拒否しているようだ。
高捜庁は尹氏を取り調べて、48時間以内に逮捕状を請求する方針だ。逮捕状が出されれば、尹氏は裁判まで最長20日間にわたり拘束されることになる。
取り調べ後、尹氏はソウル拘置所に移された。聯合ニュースによると、拘置所に収容されれば3坪程度の独房に収容される可能性が高いという。
韓国では内乱罪の首謀者と認定されれば、死刑や無期懲役、無期禁錮が科される。大統領には在職中に原則として刑事上の訴追を受けない特権があるが、内乱罪などは例外とされる。
■尹氏側「関係者に法的責任」
一方、尹氏側は拘束前に録画した映像メッセージを公開した。「流血事態を防ぐため、違法ではあるものの取り調べに応じることにした」とし、捜査を受け入れるものではないと説明した。尹氏の弁護団も拘束令状の執行は不法だとして「関係者全員に法的責任を問う」と強調した。
与党「国民の力」のトップである権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長は「高捜庁は真実の究明よりも現職大統領の拘束執行により自らの存在感を示そうとした」と批判した。
■憲法裁判所の判断に影響も
尹氏を巡っては、憲法裁判所で14日、非常戒厳の宣言が憲法違反かどうかを審理する初弁論が開かれた。尹氏の欠席により1回目の弁論は約4分で終了となった。
16日に開かれる予定の第2回弁論も尹氏が拘束されたことで欠席となる見通しだが、2回目からは尹氏が出席しなくても審理が本格的に進められるようだ。一方、尹氏側は憲法裁判所の弾劾審判でも自らの正当性を主張している。
憲法裁判所は国会が弾劾案を可決した日から180日以内に罷免の可否を判断することになる。ただし、尹氏の内乱容疑が刑事裁判となれば、憲法裁判所の判断が遅れる可能性もあるようだ。
22年の大統領選で遊説する尹氏=仁川市(NNA撮影)
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■尹氏側「関係者に法的責任」
一方、尹氏側は拘束前に録画した映像メッセージを公開した。「流血事態を防ぐため、違法ではあるものの取り調べに応じることにした」とし、捜査を受け入れるものではないと説明した。尹氏の弁護団も拘束令状の執行は不法だとして「関係者全員に法的責任を問う」と強調した。
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尹氏を巡っては、憲法裁判所で14日、非常戒厳の宣言が憲法違反かどうかを審理する初弁論が開かれた。尹氏の欠席により1回目の弁論は約4分で終了となった。
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