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4年10カ月ぶり金融緩和、物価上昇率低下で

シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)は24日、金融緩和への転換を発表した。金融政策を緩和するのは2020年3月以来4年10カ月ぶりとなる。消費者物価指数(CPI)上昇率が低下傾向になることが背景にある。25年の物価上昇率と経済成長率についてはそれぞれ鈍化するとの見通しを明らかにした。
政策金利がないシンガポールでは、主要貿易相手国の通貨に対してシンガポールドル(Sドル)を非公開の政策バンドの中で変動させることで、為替レートを調整・設定する金融政策を実施している。具体的には、シンガポールドルの名目実効為替レート(NEER)の政策バンドの「傾き」「許容変動幅」「中央値」の三つのレバーを通じて調整する。
金融管理庁は声明で、シンガポールドルの名目実効為替レートの政策バンドの「傾き」を「やや緩やかにする」と説明。「この調整は、政策バンドの緩やかな上昇軌道と一致しており、中期的な物価安定を確保する」と付け加えた。幅と中央値は据え置いた。
シンガポールの24年12月のCPI上昇率は前年同月比1.6%となり、低水準に落ち着いている。インフレ懸念が薄らいだことから金融緩和に踏み切った。
同庁は、21年10月からインフレ抑制に向けて金融引き締めを実施。緊急時を含め、引き締め政策を5回継続した。23年4月以降は、前回の24年10月まで6回連続で金融政策を維持していた。
25年通年のコアインフレ率(運輸や住宅など、政府の政策の影響を受けやすい項目を除外したインフレ率)については、従来予想の前年比1.5~2.5%から1.0~2.0%へと引き下げ、CPI全体の上昇率は1.5~2.5%に据え置いた。
25年通年の国内総生産(GDP)成長率については、「先進国では労働市場が好調で賃金の伸びも堅調のため個人消費は旺盛な状況が続くが、製造業と貿易は徐々に減速する可能性があり、24年の4.0%から鈍化する」と予想。貿易産業省が24年11月に発表していた1.0~3.0%で推移するとの従来予測を維持した。
金融政策の発表は、24年から四半期ごと(1月、4月、7月、10月)に変更されている。

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