兵庫県や宮崎県など９県・地方の自治体を含む日本の13団体が、香港で20日に開幕した書籍関連の大型展示会「第32回香港書展（香港ブックフェア）」に出展し、訪日観光の魅力をアピールしている。海外から日本への旅行は、団体ツアー限定で６月に再開されたばかり。香港では、海外から戻った際の指定ホテルでの隔離が旅行者にとって最大の障害となっているが、各自治体は隔離廃止後の需要に期待をかける。【天野友紀子、蘇子善】

香港ブックフェアは香港貿易発展局（ＨＫＴＤＣ）が主催し、香港島・湾仔の香港会議展覧中心（香港コンベンション・アンド・エキシビションセンター、ＨＫＣＥＣ）で26日まで開催されている。
日本からは◇山陰山陽◇兵庫県◇石川県◇鹿児島県◇宮崎県◇沖縄県◇福岡県◇大分県◇和歌山県——の９県・地方に日本政府観光局（ＪＮＴＯ）、在香港日本総領事館、旅行大手ＪＴＢ、出版大手ＫＡＤＯＫＡＷＡ（カドカワ）を加えた計13団体が出展し、「日本館」を構成。各ブースは大型テレビで観光動画を流したり、ご当地キャラクターの写真撮影用パネルを用意したりして来場者を呼び込んだ。
■日本旅行を懐かしむ声
最上階の５階に設置された日本館は、初日となった20日の午前中から多くの来場者でにぎわった。
新型コロナウイルスの流行前は毎年延べ200万人以上が日本を訪れていた香港で、日本への再訪を望む声は大きい。コロナ前は日本旅行が趣味だったという関さん夫婦（60代）はＮＮＡに対し「日本の風景の写真を見ていると懐かしくてたまらない。できるなら早くまた日本に行きたい」とコメント。30代の事務員の女性、姚さんは「まだ日本に行けないので、代わりに観光冊子を眺めるのが楽しみになっている」と話した。
■７月は５組、８月は九州旅行も
日本は６月、団体ツアーに限定する形で２年以上ぶりに外国人観光客の受け入れを再開した。
ＪＮＴＯ香港事務所の小沼英悟所長によると、初月となった６月には香港から２組のツアーが催行され、計25人が日本観光を楽しんだ。７月は５組のツアーが催行予定。８月には、日本で開催される音楽フェス「サマーソニック」に香港の人気男性アイドルグループMIRROR（ミラー）が出演するため、サマソニ観覧を行程に含んだツアーも企画されているという。
小沼所長はＮＮＡに対し、香港からの訪日旅行で最大の障害は「香港に戻った際の７日間のホテル隔離だ」とコメント。まずは香港側の隔離が撤廃され、日本が香港人観光客に対する観光ビザを免除し、さらに個人旅行を解禁すれば、各航空会社が定期便を再開して訪日客が急増するという「良い流れが生まれるだろう」と今後に期待感を示した。
宮崎県香港事務所の植木史徳代表も、訪日旅行の活性化に期待をかける。植木氏は「８月には宮崎県を含む九州のツアーも再開する。催行できる人数が集まるよう、宮崎の魅力を売り込みたい」と語った。
九州を巡るツアーは香港の旅行大手である東瀛遊控股（ＥＧＬホールディングス）が企画。宮崎を含む九州５県を巡る「１周ツアー」と大分県の別府温泉など４県を巡る「深掘りツアー」の２種類があり、８月４、11、18、25日出発予定で参加者を募集している。料金は香港帰還後の隔離ホテル費用も含めて２万2,699HKドル（約40万円）からだ。
■大学生の発想で集客

兵庫県のブースは午前10時の開幕直後から人だかりができ、大人気となった。
兵庫県香港事務所の山谷公男所長に話を聞くと、今回は日本に留学予定の大学生３人をインターンに迎え入れ、出展ブースの設計や企画を一任したという。インターン生は６月から準備を開始。来場者がブース内にあるＱＲコードをスキャンして、スマートフォンで兵庫県の観光やグルメに関するクイズに答えるプロモーションを考えた。
クイズに一定数正解すると、兵庫県の観光名所の写真をプリントしたトートバッグと、フェニックスをモチーフにした兵庫県のマスコット「はばタン」のミニストラップを贈呈。トートバッグもインターン生がデザインしたといい、実用的でかわいらしい記念品で来場者を引きつけた。「クイズに答えることで兵庫県のことを知ってもらえる」と、山谷氏は胸をはる。
■23日は花笠音頭のステージも
在香港日本総領事館のブースでは、香港に自治体事務所を持たない東北地方の魅力を紹介している。領事館は香港で活動する日本舞踊の団体「香の会」と連携し、東北地方にゆかりのある踊りを披露するステージを用意。日本館のある展示室「５Ｂ」のステージで23日の正午から午後１時まで、「津軽じょんがら節」や「花笠音頭」など６演目を披露する。

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香港ブックフェアは香港貿易発展局（ＨＫＴＤＣ）が主催し、香港島・湾仔の香港会議展覧中心（香港コンベンション・アンド・エキシビションセンター、ＨＫＣＥＣ）で26日まで開催されている。

日本からは◇山陰山陽◇兵庫県◇石川県◇鹿児島県◇宮崎県◇沖縄県◇福岡県◇大分県◇和歌山県——の９県・地方に日本政府観光局（ＪＮＴＯ）、在香港日本総領事館、旅行大手ＪＴＢ、出版大手ＫＡＤＯＫＡＷＡ（カドカワ）を加えた計13団体が出展し、「日本館」を構成。各ブースは大型テレビで観光動画を流したり、ご当地キャラクターの写真撮影用パネルを用意したりして来場者を呼び込んだ。

■日本旅行を懐かしむ声

最上階の５階に設置された日本館は、初日となった20日の午前中から多くの来場者でにぎわった。

新型コロナウイルスの流行前は毎年延べ200万人以上が日本を訪れていた香港で、日本への再訪を望む声は大きい。コロナ前は日本旅行が趣味だったという関さん夫婦（60代）はＮＮＡに対し「日本の風景の写真を見ていると懐かしくてたまらない。できるなら早くまた日本に行きたい」とコメント。30代の事務員の女性、姚さんは「まだ日本に行けないので、代わりに観光冊子を眺めるのが楽しみになっている」と話した。

■７月は５組、８月は九州旅行も

日本は６月、団体ツアーに限定する形で２年以上ぶりに外国人観光客の受け入れを再開した。

ＪＮＴＯ香港事務所の小沼英悟所長によると、初月となった６月には香港から２組のツアーが催行され、計25人が日本観光を楽しんだ。７月は５組のツアーが催行予定。８月には、日本で開催される音楽フェス「サマーソニック」に香港の人気男性アイドルグループMIRROR（ミラー）が出演するため、サマソニ観覧を行程に含んだツアーも企画されているという。

小沼所長はＮＮＡに対し、香港からの訪日旅行で最大の障害は「香港に戻った際の７日間のホテル隔離だ」とコメント。まずは香港側の隔離が撤廃され、日本が香港人観光客に対する観光ビザを免除し、さらに個人旅行を解禁すれば、各航空会社が定期便を再開して訪日客が急増するという「良い流れが生まれるだろう」と今後に期待感を示した。

宮崎県香港事務所の植木史徳代表も、訪日旅行の活性化に期待をかける。植木氏は「８月には宮崎県を含む九州のツアーも再開する。催行できる人数が集まるよう、宮崎の魅力を売り込みたい」と語った。

九州を巡るツアーは香港の旅行大手である東瀛遊控股（ＥＧＬホールディングス）が企画。宮崎を含む九州５県を巡る「１周ツアー」と大分県の別府温泉など４県を巡る「深掘りツアー」の２種類があり、８月４、11、18、25日出発予定で参加者を募集している。料金は香港帰還後の隔離ホテル費用も含めて２万2,699HKドル（約40万円）からだ。

■大学生の発想で集客

[caption id="attachment_5447" align="aligncenter" width="620"]兵庫県香港事務所の山谷所長（左）とインターン生のヨヨさん。大学生が考えたＰＲの仕組みは、来場者に大ウケ＝20日、香港会議展覧中心（ＮＮＡ撮影）[/caption]

兵庫県のブースは午前10時の開幕直後から人だかりができ、大人気となった。

兵庫県香港事務所の山谷公男所長に話を聞くと、今回は日本に留学予定の大学生３人をインターンに迎え入れ、出展ブースの設計や企画を一任したという。インターン生は６月から準備を開始。来場者がブース内にあるＱＲコードをスキャンして、スマートフォンで兵庫県の観光やグルメに関するクイズに答えるプロモーションを考えた。

クイズに一定数正解すると、兵庫県の観光名所の写真をプリントしたトートバッグと、フェニックスをモチーフにした兵庫県のマスコット「はばタン」のミニストラップを贈呈。トートバッグもインターン生がデザインしたといい、実用的でかわいらしい記念品で来場者を引きつけた。「クイズに答えることで兵庫県のことを知ってもらえる」と、山谷氏は胸をはる。

■23日は花笠音頭のステージも

在香港日本総領事館のブースでは、香港に自治体事務所を持たない東北地方の魅力を紹介している。領事館は香港で活動する日本舞踊の団体「香の会」と連携し、東北地方にゆかりのある踊りを披露するステージを用意。日本館のある展示室「５Ｂ」のステージで23日の正午から午後１時まで、「津軽じょんがら節」や「花笠音頭」など６演目を披露する。"
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