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中国BYDが販売網を強化年内にSUVで乗用車参入

中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は今年、インドの乗用車市場への参入を予定している。EVの中型スポーツタイプ多目的車(SUV)「ATTO3(アットスリー)」を、現地で消費が活発化する祭事期(10~12月)に投入する。商用車販売で得たノウハウを生かし、現在は充電インフラや販売店網の構築、融資の拡充などを通じてEVエコシステムの強化を進めている。【Atul Ranjan】[2386520_1.jpg]
インド法人BYDインディアは2021年11月以降、インド全土のディーラーを通じて、EVの多目的車(MPV)「E6」を商用向けに展開してきた。乗用車の発売は、年内に予定するアットスリーが初めて。
同モデルは、韓国・現代自動車の「コナEV」や英系自動車メーカー、MGモーター・インディアの「ZS—EV」と競合する見通し。地元紙の報道では、価格は250万ルピー(約430万円)、航続距離(1回の充電で走行可能な距離)は450~500キロメートルと予想されている。
アットスリーの発売に向け、販売やサービスの体制強化を進めている。同社の広報担当者によると、22年末までに乗用車のショールームを少なくとも20カ所開設する計画だ。
この目標を達成するために、同社は商用向けにE6を販売するディーラーに働きかけ、アットスリーの販売や充電などのサービス提供を求めている。
8月17日には、同社にとって国内初のディーラー運営の乗用車ショールームが開設した。南部ケララ州のエルナクラムにあり、E6を展開する既存ディーラーのEVMサウスコーストが運営する。
EVMサウスコーストの関係者は8月27日にNNAに対し、「E6は商用だが、近く発売するアットスリーは一般消費者向けになる」と話した。
ショールームの面積は2,500平方フィート(約232平方メートル)で、訓練を受けた整備士が在籍し、修理場や顧客向けのラウンジ、充電所を備えている。
25日と26日には、南部アンドラプラデシュ州ビジャヤワダとテランガナ州ハイデラバードでそれぞれ、2カ所目と3カ所目となるディーラー運営の乗用車ショールームが開業した。[2386520_2.jpg]
北部デリーを拠点にE6を取り扱うディーラーの関係者であるクンワル(Kunwar S)氏はNNAの取材で、BYDインディアはデリーでは9月5日にディーラーの乗用車ショールームを開設する予定だと明らかにした。同氏によると、BYDインディアは既にアットスリーについて顧客への通知を始めているという。
「発売後すぐに予約が始まるが、納車は来年の1月からになる可能性がある」とクンワル氏は話した。
BYDインディアはデリー首都圏(NCR)と西部ムンバイでの販売について、21年12月に地場グループ・ランドマークと提携している。
■融資でHDFC銀と覚書
BYDインディアは、ディーラー向けの融資の拡充も進めている。今月10には、大手民間銀行HDFC銀行とディーラー向け融資に関する覚書を締結した。BYDインディアで電動乗用車部門の責任者を務めるサンジャイ・ゴパラクリシュナン氏は声明で「国内最大規模の銀行との提携で、ディーラーの在庫管理のための資金を調達できるようになった」と述べた。
シンガポール金融最大手DBSグループの最新の報告書によると、国内のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を含む「新エネルギー車(NEV)」市場で広く受け入れられて以来、BYDはアットスリーで積極的に海外の乗用EV市場に進出している。
「BYDはもともと商用のEV市場をターゲットにしてきたが、(乗用車市場に積極的に進出する)新たな方向性は同社により大きな成長機会をもたらす」とDBSグループは指摘する。
■進出15年、累計1.5億ドル投資
BYDは07年、電子部品の製造事業でインドに進出。21年に商用EVの販売を開始した。進出15年となった今年は、同国を南アジアでの「戦略的ハブ」に据えた。
BYDインディアは南部チェンナイに製造拠点2カ所を設置しており、インド市場への累計投資額は1億5,000万米ドル(約210億円)を超えた。
インド事業では、携帯電話部品、太陽光パネル、蓄電池、電気バス、電気トラック、電気フォークリフト、充電器などを手がけている。地場企業との提携で、電気バスの国内大手としても台頭している。

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アットスリーの発売に向け、販売やサービスの体制強化を進めている。同社の広報担当者によると、22年末までに乗用車のショールームを少なくとも20カ所開設する計画だ。
この目標を達成するために、同社は商用向けにE6を販売するディーラーに働きかけ、アットスリーの販売や充電などのサービス提供を求めている。
8月17日には、同社にとって国内初のディーラー運営の乗用車ショールームが開設した。南部ケララ州のエルナクラムにあり、E6を展開する既存ディーラーのEVMサウスコーストが運営する。
EVMサウスコーストの関係者は8月27日にNNAに対し、「E6は商用だが、近く発売するアットスリーは一般消費者向けになる」と話した。
ショールームの面積は2,500平方フィート(約232平方メートル)で、訓練を受けた整備士が在籍し、修理場や顧客向けのラウンジ、充電所を備えている。
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北部デリーを拠点にE6を取り扱うディーラーの関係者であるクンワル(Kunwar S)氏はNNAの取材で、BYDインディアはデリーでは9月5日にディーラーの乗用車ショールームを開設する予定だと明らかにした。同氏によると、BYDインディアは既にアットスリーについて顧客への通知を始めているという。
「発売後すぐに予約が始まるが、納車は来年の1月からになる可能性がある」とクンワル氏は話した。
BYDインディアはデリー首都圏(NCR)と西部ムンバイでの販売について、21年12月に地場グループ・ランドマークと提携している。
■融資でHDFC銀と覚書
BYDインディアは、ディーラー向けの融資の拡充も進めている。今月10には、大手民間銀行HDFC銀行とディーラー向け融資に関する覚書を締結した。BYDインディアで電動乗用車部門の責任者を務めるサンジャイ・ゴパラクリシュナン氏は声明で「国内最大規模の銀行との提携で、ディーラーの在庫管理のための資金を調達できるようになった」と述べた。
シンガポール金融最大手DBSグループの最新の報告書によると、国内のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を含む「新エネルギー車(NEV)」市場で広く受け入れられて以来、BYDはアットスリーで積極的に海外の乗用EV市場に進出している。
「BYDはもともと商用のEV市場をターゲットにしてきたが、(乗用車市場に積極的に進出する)新たな方向性は同社により大きな成長機会をもたらす」とDBSグループは指摘する。
■進出15年、累計1.5億ドル投資
BYDは07年、電子部品の製造事業でインドに進出。21年に商用EVの販売を開始した。進出15年となった今年は、同国を南アジアでの「戦略的ハブ」に据えた。
BYDインディアは南部チェンナイに製造拠点2カ所を設置しており、インド市場への累計投資額は1億5,000万米ドル(約210億円)を超えた。
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