開業20年を祝う飾りを施したデリーメトロの車両=24日、首都ニューデリー(NNA撮影)
デリーメトロ(都市鉄道)が今月で開業20年を迎えたことを受け、建設・運行主体のデリーメトロ鉄道公社(DMRC)は24日、インドの首都ニューデリーで記念式典を開催した。式典は、ウエルカム駅の改札内スペースで開かれ、円借款で事業を支援した国際協力機構(JICA)や、建設に携わった日本のコンサルティング会社、メーカー、商社など、関係者約140人が出席した。
デリーメトロ鉄道公社のビカス・クマル総裁は式典で、デリーメトロについて「インドでも世界クラスのインフラを構築し、運用できることを示した。インドの『メトロ革命』を先導した」とあいさつ。駐インド日本大使の鈴木浩氏は「建設は大きな成功を収め、日印の友好関係の深化にも大きく貢献した」とたたえた。
デリーメトロ鉄道公社はこの日、式典を開催したスペースで、20年間の歴史を振り返る常設のパネル展示を初披露した。クマル総裁と鈴木大使は、笑みを時折こぼしながら、一つ一つのパネルを丁寧に見て回った。式典終了後、JICAインド事務所の斎藤光範所長はNNAなどの取材に応じ、「デリーメトロは、インドの建設文化や市民の生活を大きく変えた。我々も一緒に仕事ができ、光栄に思う」と述べた。
デリーメトロは2002年12月、コルカタメトロ(1984年10月に開業)に続く、インドで2番目のメトロとして開業した。路線17キロの完成に20年以上かかったコルカタメトロの反省を生かし、他機関との調整の仕方を工夫したり、工期厳守を徹底したりした。
デリーメトロ鉄道公社のスリダラン初代総裁は、東京メトロを視察した経験を持ち、視察時にきれいな車両や明るい車内、定時運行に感銘を受けた。そうした経験が、デリーメトロの建設工事で、日本のコンサルティング会社を選ぶ要因の一つになったとされる。
デリーメトロの建設工事では、建設コンサルや建設会社をはじめ多数の日本企業が関わり、日本の安全意識と工期厳守の考え方がデリーで浸透した。さらにその後、デリーメトロ建設を経験した人材を通じ、インド各地やバングラデシュ、インドネシアの都市鉄道に対し、日本の工事文化および、きれいで明るいなど日本の列車文化が波及している。
デリーメトロは現在、計12路線286駅があり、通勤や通学など1日当たり約506万人(19年)が乗車。全長は約390キロメートルに達し、日本の東京メトロ(195キロ)と都営地下鉄(109キロ)の合計より長い。総事業費約1兆7,377億円(進行中の4期工事を含む)の5割弱に及ぶ8,251億円は円借款で賄っている。
20年前の02年は12月24日に式典を開き、25日から乗客を乗せた通常運行を始めた。
ウエルカム駅のパネル展示を見て回る駐インド日本大使の鈴木浩氏(手前左から2人目)とデリーメトロ鉄道公社のビカス・クマル総裁(同3人目)=24日、ニューデリー(NNA撮影)
object(WP_Post)#9816 (24) {
["ID"]=>
int(10891)
["post_author"]=>
string(1) "3"
["post_date"]=>
string(19) "2022-12-26 00:00:00"
["post_date_gmt"]=>
string(19) "2022-12-25 15:00:00"
["post_content"]=>
string(4242) "[caption id="attachment_10892" align="aligncenter" width="620"]開業20年を祝う飾りを施したデリーメトロの車両=24日、首都ニューデリー(NNA撮影)[/caption]
デリーメトロ(都市鉄道)が今月で開業20年を迎えたことを受け、建設・運行主体のデリーメトロ鉄道公社(DMRC)は24日、インドの首都ニューデリーで記念式典を開催した。式典は、ウエルカム駅の改札内スペースで開かれ、円借款で事業を支援した国際協力機構(JICA)や、建設に携わった日本のコンサルティング会社、メーカー、商社など、関係者約140人が出席した。
デリーメトロ鉄道公社のビカス・クマル総裁は式典で、デリーメトロについて「インドでも世界クラスのインフラを構築し、運用できることを示した。インドの『メトロ革命』を先導した」とあいさつ。駐インド日本大使の鈴木浩氏は「建設は大きな成功を収め、日印の友好関係の深化にも大きく貢献した」とたたえた。
デリーメトロ鉄道公社はこの日、式典を開催したスペースで、20年間の歴史を振り返る常設のパネル展示を初披露した。クマル総裁と鈴木大使は、笑みを時折こぼしながら、一つ一つのパネルを丁寧に見て回った。式典終了後、JICAインド事務所の斎藤光範所長はNNAなどの取材に応じ、「デリーメトロは、インドの建設文化や市民の生活を大きく変えた。我々も一緒に仕事ができ、光栄に思う」と述べた。
デリーメトロは2002年12月、コルカタメトロ(1984年10月に開業)に続く、インドで2番目のメトロとして開業した。路線17キロの完成に20年以上かかったコルカタメトロの反省を生かし、他機関との調整の仕方を工夫したり、工期厳守を徹底したりした。
デリーメトロ鉄道公社のスリダラン初代総裁は、東京メトロを視察した経験を持ち、視察時にきれいな車両や明るい車内、定時運行に感銘を受けた。そうした経験が、デリーメトロの建設工事で、日本のコンサルティング会社を選ぶ要因の一つになったとされる。
デリーメトロの建設工事では、建設コンサルや建設会社をはじめ多数の日本企業が関わり、日本の安全意識と工期厳守の考え方がデリーで浸透した。さらにその後、デリーメトロ建設を経験した人材を通じ、インド各地やバングラデシュ、インドネシアの都市鉄道に対し、日本の工事文化および、きれいで明るいなど日本の列車文化が波及している。
デリーメトロは現在、計12路線286駅があり、通勤や通学など1日当たり約506万人(19年)が乗車。全長は約390キロメートルに達し、日本の東京メトロ(195キロ)と都営地下鉄(109キロ)の合計より長い。総事業費約1兆7,377億円(進行中の4期工事を含む)の5割弱に及ぶ8,251億円は円借款で賄っている。
20年前の02年は12月24日に式典を開き、25日から乗客を乗せた通常運行を始めた。
[caption id="attachment_10893" align="aligncenter" width="620"]ウエルカム駅のパネル展示を見て回る駐インド日本大使の鈴木浩氏(手前左から2人目)とデリーメトロ鉄道公社のビカス・クマル総裁(同3人目)=24日、ニューデリー(NNA撮影)[/caption]"
["post_title"]=>
string(53) "デリーメトロ公社、開業20年式典を開催"
["post_excerpt"]=>
string(0) ""
["post_status"]=>
string(7) "publish"
["comment_status"]=>
string(4) "open"
["ping_status"]=>
string(4) "open"
["post_password"]=>
string(0) ""
["post_name"]=>
string(155) "%e3%83%87%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e5%85%ac%e7%a4%be%e3%80%81%e9%96%8b%e6%a5%ad20%e5%b9%b4%e5%bc%8f%e5%85%b8%e3%82%92%e9%96%8b%e5%82%ac"
["to_ping"]=>
string(0) ""
["pinged"]=>
string(0) ""
["post_modified"]=>
string(19) "2022-12-26 04:00:06"
["post_modified_gmt"]=>
string(19) "2022-12-25 19:00:06"
["post_content_filtered"]=>
string(0) ""
["post_parent"]=>
int(0)
["guid"]=>
string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=10891"
["menu_order"]=>
int(0)
["post_type"]=>
string(4) "post"
["post_mime_type"]=>
string(0) ""
["comment_count"]=>
string(1) "0"
["filter"]=>
string(3) "raw"
}
- 国・地域別
-
インド情報
- 内容別
-
ビジネス全般人事労務