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【日本の税務】非居住者の介護保険について

第300回

永田さん:みらい先生、こんにちは。私は昨年の秋からタイに赴任していて、ようやくこちらの生活に慣れてきました。来月の40歳の誕生日には、帯同している家族とタイの有名なレストランで食事をする予定です。

みらい:こんにちは、永田さん。40歳のお祝いを家族と海外のレストランでされるとはすてきですね。海外生活も慣れてきたとのことで安心しました。ところで赴任前、出国されるときに、住民票の除票手続きはされましたか?

永田さん:はい。赴任予定が3年間なので、会社から指示されて、除票しています。

みらい:そうですか。実は、介護保険制度は、日本国内に住所がある方が対象なので、永田さんのように40歳以上65歳未満の方であっても、住民票を除票して一定の手続きを行うと、適用除外となって介護保険料が徴収されないのですよ。

永田さん:そうなのですか?実は、私の兄が昨年40歳になっており、給与から介護保険料が天引きされるようになったと言っていたので、私も40歳になったら天引きされるのかと思っていました。適用除外を受けるための手続きはどうしたらいいですか?

みらい:「介護保険適用除外等該当・非該当届」に住民票の除票を添付して、会社経由で医療保険者(健康保険組合または協会けんぽ)に提出が必要です。加入している医療保険者によって、届け出様式が異なるので、会社に確認してみてくださいね。ちなみに、奥さまはおいくつですか?

永田さん:妻は来年、40歳になります。

みらい:医療保険者が健康保険組合で、40歳以上65歳未満の被扶養者分の介護保険料を徴収する特定被保険者制度を定めている場合には、被扶養者分の手続きも必要となるので注意してください。現在、奥さまを扶養されており、タイに帯同しているので、40歳到達後に適用除外の手続きを行えば、介護保険料は徴収されませんね。

永田さん:保険料の天引きがされないことは分かったのですが、介護保険制度についてもう少し詳しく教えていただけますか?

みらい:もちろんです。介護保険制度は、高齢化の進展に伴い高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして創設されました。65歳以上の方を第1号被保険者といい、原因を問わず、要介護または要支援認定を受けたときに介護サービスを利用することができます。40歳から64歳までの医療保険加入者を第2号被保険者といい、末期のがんや関節リウマチ等の老化による病気が原因で要介護または要支援認定を受けたときに介護サービスを利用することができます。介護が必要となってサービスを利用したいときは、お住まいの自治体の介護保険課、高齢者支援課などが相談先になります。

永田さん:海外赴任で介護保険料を負担していない期間がある場合、将来介護サービスを利用するときに不都合は生じないのでしょうか?

みらい:日本に居住していない間は、サービスを利用できませんが、介護保険制度は年金制度と違って、保険料納付期間によって給付内容が変わることはありません。赴任期間終了後、日本に帰国した後に住民票登録をして、再度「介護保険適用除外等該当・非該当届」を医療保険者に提出すれば、介護保険料の徴収が始まり、介護サービスを利用できるようになりますよ。

永田さん:給付に影響がないことを知って、安心しました。タイから帰任したときの手続きも忘れないようにしたいと思います。ありがとうございました。

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永田さん:はい。赴任予定が3年間なので、会社から指示されて、除票しています。

みらい:そうですか。実は、介護保険制度は、日本国内に住所がある方が対象なので、永田さんのように40歳以上65歳未満の方であっても、住民票を除票して一定の手続きを行うと、適用除外となって介護保険料が徴収されないのですよ。

永田さん:そうなのですか?実は、私の兄が昨年40歳になっており、給与から介護保険料が天引きされるようになったと言っていたので、私も40歳になったら天引きされるのかと思っていました。適用除外を受けるための手続きはどうしたらいいですか?

みらい:「介護保険適用除外等該当・非該当届」に住民票の除票を添付して、会社経由で医療保険者(健康保険組合または協会けんぽ)に提出が必要です。加入している医療保険者によって、届け出様式が異なるので、会社に確認してみてくださいね。ちなみに、奥さまはおいくつですか?

永田さん:妻は来年、40歳になります。

みらい:医療保険者が健康保険組合で、40歳以上65歳未満の被扶養者分の介護保険料を徴収する特定被保険者制度を定めている場合には、被扶養者分の手続きも必要となるので注意してください。現在、奥さまを扶養されており、タイに帯同しているので、40歳到達後に適用除外の手続きを行えば、介護保険料は徴収されませんね。

永田さん:保険料の天引きがされないことは分かったのですが、介護保険制度についてもう少し詳しく教えていただけますか?

みらい:もちろんです。介護保険制度は、高齢化の進展に伴い高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして創設されました。65歳以上の方を第1号被保険者といい、原因を問わず、要介護または要支援認定を受けたときに介護サービスを利用することができます。40歳から64歳までの医療保険加入者を第2号被保険者といい、末期のがんや関節リウマチ等の老化による病気が原因で要介護または要支援認定を受けたときに介護サービスを利用することができます。介護が必要となってサービスを利用したいときは、お住まいの自治体の介護保険課、高齢者支援課などが相談先になります。

永田さん:海外赴任で介護保険料を負担していない期間がある場合、将来介護サービスを利用するときに不都合は生じないのでしょうか?

みらい:日本に居住していない間は、サービスを利用できませんが、介護保険制度は年金制度と違って、保険料納付期間によって給付内容が変わることはありません。赴任期間終了後、日本に帰国した後に住民票登録をして、再度「介護保険適用除外等該当・非該当届」を医療保険者に提出すれば、介護保険料の徴収が始まり、介護サービスを利用できるようになりますよ。

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 みらいコンサルティンググループ
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みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング)は、グループに監査法人、税理士法人、社会保険労務士法人、各種事業会社を持つ総勢約300名の総合コンサルティングファーム。国内には東京本社のほか10都市に支社を展開。海外には中国(北京・上海・深セン)、シンガポール、タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン・ハノイ)、マレーシア(クアラルンプール)に子会社を設立、現地にて日系企業の海外展開におけるビジネスコンサルティングを提供している。

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