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【日本の税務】海外勤務が決まった人の所得税額の精算について

第304回

島村さん:みらい先生、こんにちは。新型コロナウイルスの影響で延期になっていたベトナム市場の開拓が再開されることになり、来月から弊社ベトナム子会社へ出向することになりました。海外へ行くのも初めてなので準備に時間がかかり忙しい日々を送っています。

みらい: 初めての海外出向ということで期待と不安が入り交じっているかと思いますが、気になることがあれば何でも相談してくださいね。

島村さん:ありがとうございます。非常に心強いです。実は海外出向期間が1年以上となっており、今後の日本国内における所得税に関して何か準備等しておく必要があるか心配です。

みらい:わかりました。まず役員や従業員の方が国外へ1年以上の予定で出向した場合には、一般的に所得税法上「非居住者」、1年未満の予定で国外へ出向した場合は「居住者」となります。今回の場合ですと「海外出向期間」が「1年以上」とのことですので、所得税法上の「非居住者」となります。

島村さん:所得税法上の「非居住者」に該当した場合はどのような影響があるのでしょうか?

みらい:会社からの給与のみで、他に所得がない給与所得者を前提としますと、今後「非居住者」として国外勤務により得た給与に関しては、原則として日本の所得税が課税されないこととなります。

島村さん:「非居住者」に該当すると現地で働いて得た給与に関しては、日本での所得税が課税されないということですね。

みらい:そうです。そのため、海外赴任や出向をする人については、「居住者」としての最後の給与支給の際に年末調整を行うことによって、既に源泉徴収された所得税を精算する必要があります。なお、給与収入が2,000万円を超える方や主たる給与収入以外に一定の収入(例えば、不動産賃貸収入等)があるなど確定申告が必要な方は、納税管理人の届け出をする場合を除き、出国するまでに確定申告(準確定申告)をしなければなりません。納税管理人とは、非居住者の確定申告書の提出、税務署等からの書類の受け取り、税金の納付や還付金の受け取り等を納税者本人に代わって行う人です。

島村さん:私の場合ですと、給与収入のみなので、出国までの所得について年末調整する必要があるということですね。

みらい:そうですね。年末調整は会社側が行うので、島村さんは下記の手続きを行う必要があります。

1.「給与所得者の保険料控除申告書」を会社に提出する(この調整で控除する保険料は、非居住者となる日までに支払った金額を対象に計算します)。

2.年初に提出した「給与所得者の扶養控除等申告書」の記載内容に変更がないか確認し、変更があれば「異動申告書」を会社へ提出する。

3.「給与所得者の基礎控除兼配偶者控除等兼所得金額調整控除申告書」も併せて会社へ提出する。

なお、控除対象扶養親族等になるかならないかは、出国時の現況での判断となります。また、配偶者や扶養親族に所得があるときは、海外勤務となる年の1年分の所得金額を出国の時の現況で見積もって「配偶者控除」や「配偶者特別控除」、「扶養控除」を受けられるかどうかの判断をします。

島村さん:良くわかりました。出国も近づいてきているので総務・経理部へ年末調整の件、確認してみたいと思います。ありがとうございました。

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みらい: 初めての海外出向ということで期待と不安が入り交じっているかと思いますが、気になることがあれば何でも相談してくださいね。

島村さん:ありがとうございます。非常に心強いです。実は海外出向期間が1年以上となっており、今後の日本国内における所得税に関して何か準備等しておく必要があるか心配です。

みらい:わかりました。まず役員や従業員の方が国外へ1年以上の予定で出向した場合には、一般的に所得税法上「非居住者」、1年未満の予定で国外へ出向した場合は「居住者」となります。今回の場合ですと「海外出向期間」が「1年以上」とのことですので、所得税法上の「非居住者」となります。

島村さん:所得税法上の「非居住者」に該当した場合はどのような影響があるのでしょうか?

みらい:会社からの給与のみで、他に所得がない給与所得者を前提としますと、今後「非居住者」として国外勤務により得た給与に関しては、原則として日本の所得税が課税されないこととなります。

島村さん:「非居住者」に該当すると現地で働いて得た給与に関しては、日本での所得税が課税されないということですね。

みらい:そうです。そのため、海外赴任や出向をする人については、「居住者」としての最後の給与支給の際に年末調整を行うことによって、既に源泉徴収された所得税を精算する必要があります。なお、給与収入が2,000万円を超える方や主たる給与収入以外に一定の収入(例えば、不動産賃貸収入等)があるなど確定申告が必要な方は、納税管理人の届け出をする場合を除き、出国するまでに確定申告(準確定申告)をしなければなりません。納税管理人とは、非居住者の確定申告書の提出、税務署等からの書類の受け取り、税金の納付や還付金の受け取り等を納税者本人に代わって行う人です。

島村さん:私の場合ですと、給与収入のみなので、出国までの所得について年末調整する必要があるということですね。

みらい:そうですね。年末調整は会社側が行うので、島村さんは下記の手続きを行う必要があります。

1.「給与所得者の保険料控除申告書」を会社に提出する(この調整で控除する保険料は、非居住者となる日までに支払った金額を対象に計算します)。

2.年初に提出した「給与所得者の扶養控除等申告書」の記載内容に変更がないか確認し、変更があれば「異動申告書」を会社へ提出する。

3.「給与所得者の基礎控除兼配偶者控除等兼所得金額調整控除申告書」も併せて会社へ提出する。

なお、控除対象扶養親族等になるかならないかは、出国時の現況での判断となります。また、配偶者や扶養親族に所得があるときは、海外勤務となる年の1年分の所得金額を出国の時の現況で見積もって「配偶者控除」や「配偶者特別控除」、「扶養控除」を受けられるかどうかの判断をします。

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 みらいコンサルティンググループ
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みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング)は、グループに監査法人、税理士法人、社会保険労務士法人、各種事業会社を持つ総勢約300名の総合コンサルティングファーム。国内には東京本社のほか10都市に支社を展開。海外には中国(北京・上海・深セン)、シンガポール、タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン・ハノイ)、マレーシア(クアラルンプール)に子会社を設立、現地にて日系企業の海外展開におけるビジネスコンサルティングを提供している。

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