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《日系進出》松屋、香港1号店をオープングループ客に照準、年内に2号店

牛丼チェーンなどを展開する松屋フーズホールディングスは11日、香港1号店を九龍地区・佐敦(ジョーダン)にオープンした。海外展開は中国本土、台湾、モンゴルに続く4カ国・地域目。香港ではグループ客をターゲットとした店づくりを行った一方、メインメニューは日本と同じとし、味も再現した。年内にも2号店の出店を計画している。【菅原真央】

松屋の香港1号店。オープン初日は入店を待つ長蛇の列ができた=11日、佐敦(NNA撮影)

商業ビル「荘士倫敦広場(チュアンズ・ロンドン・プラザ)」の1階(グランドフロア)に位置する店舗の前にはオープン初日、ランチタイムのピークを過ぎた午後2時ごろでも約40人の行列ができていた。人通りの多い弥敦道(ネイザンロード)沿いにあることから、行列を見て足を止める人もいた。
日本に留学していた時によく行っていたという20代男性は「牛めしの味が日本とほとんど一緒だった。店員も親切だった」とコメント。20代のカップルはインスタグラムで進出を知って来店したといい、「牛めしとチーズ牛めし、キムチ牛めしを注文した。少し高いと感じたが、味はおいしかった」と話した。
店内は木目と緑色を基調としたナチュラルな雰囲気で、天井や壁には和風のデザインも取り入れた。日本では働く男性の1人客が多いためカウンター席が主となっているが、香港はグループ客が多いとみて、ほとんどをテーブル席とした。
香港松屋餐飲(松屋フーズ香港)の浜野隼董事総経理は「香港で展開する牛丼チェーンの客は男女比が半々くらいで、若い人も多い印象。オープン後、実際にどんな層が来てくれるかを分析しながらターゲットを絞っていき、それに合わせたメニュー開発をしていきたい」と説明した。
浜野氏によると、松屋フーズが近年海外展開を加速する中、日本食が浸透しており、日本から材料の輸入がしやすい香港が進出先の一つとして選ばれた。「牛めしのたれやカレーなど、ブランドの味を守るために必要不可欠なものは日本から輸入している。輸入がしやすい香港は、日本の味を再現する商売には適している」と指摘した。
一方、サイドメニューでは香港限定の「油菜(ゆでた青菜料理)」も提供する。ローカライズには前向きな考えを示し、将来的にメインメニューでも香港人に好まれる商品を開発していきたいとしている。
■差別化を意識
香港で展開する日系牛丼チェーン大手としては「吉野家」「すき家」に次ぐ後発となる。浜野氏は差別化を図る上で、ゆったりした空間、テイクアウト容器へのこだわり、メニューの多さをアピールした。
1号店は3,224平方フィート(約300平方メートル)の店舗面積に45席という香港ではゆとりのある配置。ランチなどでのテイクアウト需要も高いとみて、牛丼の具と白飯をセパレートで提供できる容器を準備し、時間がたってもおいしく食べられるようにした。
定番の牛めしは並盛が35HKドル(約660円)で、他2社の中間の価格に設定。このほか、焼き肉定食(59HKドル~)、カレー(39HKドル~)、ブラウンソースハンバーグ定食(75HKドル~)などもある。浜野氏は「茶餐庁(香港式大衆カフェ)のように、香港ではメニューが豊富な店が受け入れられやすいと考えている」と自信を示した。
■年内に2号店
松屋フーズは今年1月に香港子会社の香港松屋餐飲を設立。香港は直営で展開する。
2号店は早ければ3~4カ月後に出店したい考え。場所は今後検討する。店舗拡大は継続する方針で、浜野氏は「数十店舗から100店舗以上を展開する日系、地場のチェーンもある。われわれも香港で愛されるファストフードを目指したい」と意気込みを語った。

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浜野氏によると、松屋フーズが近年海外展開を加速する中、日本食が浸透しており、日本から材料の輸入がしやすい香港が進出先の一つとして選ばれた。「牛めしのたれやカレーなど、ブランドの味を守るために必要不可欠なものは日本から輸入している。輸入がしやすい香港は、日本の味を再現する商売には適している」と指摘した。
一方、サイドメニューでは香港限定の「油菜(ゆでた青菜料理)」も提供する。ローカライズには前向きな考えを示し、将来的にメインメニューでも香港人に好まれる商品を開発していきたいとしている。
■差別化を意識
香港で展開する日系牛丼チェーン大手としては「吉野家」「すき家」に次ぐ後発となる。浜野氏は差別化を図る上で、ゆったりした空間、テイクアウト容器へのこだわり、メニューの多さをアピールした。
1号店は3,224平方フィート(約300平方メートル)の店舗面積に45席という香港ではゆとりのある配置。ランチなどでのテイクアウト需要も高いとみて、牛丼の具と白飯をセパレートで提供できる容器を準備し、時間がたってもおいしく食べられるようにした。
定番の牛めしは並盛が35HKドル(約660円)で、他2社の中間の価格に設定。このほか、焼き肉定食(59HKドル~)、カレー(39HKドル~)、ブラウンソースハンバーグ定食(75HKドル~)などもある。浜野氏は「茶餐庁(香港式大衆カフェ)のように、香港ではメニューが豊富な店が受け入れられやすいと考えている」と自信を示した。
■年内に2号店
松屋フーズは今年1月に香港子会社の香港松屋餐飲を設立。香港は直営で展開する。
2号店は早ければ3~4カ月後に出店したい考え。場所は今後検討する。店舗拡大は継続する方針で、浜野氏は「数十店舗から100店舗以上を展開する日系、地場のチェーンもある。われわれも香港で愛されるファストフードを目指したい」と意気込みを語った。" ["post_title"]=> string(102) "《日系進出》松屋、香港1号店をオープングループ客に照準、年内に2号店" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e3%80%8a%e6%97%a5%e7%b3%bb%e9%80%b2%e5%87%ba%e3%80%8b%e6%9d%be%e5%b1%8b%e3%80%81%e9%a6%99%e6%b8%af%ef%bc%91%e5%8f%b7%e5%ba%97%e3%82%92%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%bc" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2024-08-12 04:00:02" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2024-08-11 19:00:02" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=21556" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
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