めぶきフィナンシャルグループの常陽銀行(水戸市)は2日、ハノイに駐在員事務所を開設した。日本の地方銀行が、ハノイに駐在員事務所を開設するのは初めて。同行の海外駐在員事務所は中国の上海、シンガポール、米ニューヨークに続き4カ所目となる。
業務協力協定に署名した常陽銀行の寺門頭取(左)とドンバン第3工業団地インフラ開発社のグエン・バン・ルオン氏=2日、ハノイ
ハノイ駐在員事務所は、ホアンキエム区ファンチューチン通りのオフィスビル「サンレッドリバー」に開設された。飯島寛志氏が首席駐在員を務める。取引先企業のベトナム進出サポートや業務支援、当局や提携機関との連携による情報提供、ベトナムの金融・経済などに関する情報収集を手掛ける。
めぶきフィナンシャルグループの社長を兼任する常陽銀行の寺門一義頭取は、NNAらと会見し、「傘下の常陽銀行、足利銀行(宇都宮市)の取引先企業を合わせて約110社がベトナムに進出しており、東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも政治的に安定し、高い経済成長が見込まれるベトナムへの進出は顕著に増えている」と説明。昨年から提携先であるヴィエティンバンク(VietinBank)のジャパンデスクに行員を派遣していることに言及し、「駐在員事務所を開設したことで『常陽銀行』として活動できるようになり、情報提供の体制を強化していく」との方針を示した。
日本とベトナムが今年、外交関係樹立45周年を迎える一方で、日本ベトナム友好協会茨城県連合会は昨年、創立50周年を迎え、常陽銀行の本拠地である茨城県とベトナムは強固な結びつきを構築している。製造業に加え、県産農産物の輸出やベトナム人実習生の受け入れなど農業での交流も活発化しているほか、サッカーJ2水戸ホーリーホックにグエン・コン・フオン選手が加入したことがあるなどスポーツ分野でも親交を深めており、今後モノとヒトの交流が一層盛んになることが見込まれる。
■ドンバン第3工業団地と協定締結
常陽銀行は同日、北部ハナム省のドンバン第3工業団地インフラ開発社と業務協力協定を締結した。同行の取引先企業がドンバン第3工業団地に進出する際に優遇価格を適用するほか、視察や顧客セミナーの開催などで協力する。
同工業団地は、ハノイの南50キロメートルに位置し、日系企業専用の工業団地となっている。昨年3月に完成し、敷地面積は300ヘクタールで、将来的には800ヘクタールまで拡張される予定。周辺の道路や下水道などのインフラ整備は、日本政府による円借款で実施されている。
ハナム省人民委員会ジャパンデスクのコンサルタント、中川良一氏によると、現時点で16社の入居が決定している。「ハナム省が中心となって管理・運営していることから、民営の工業団地に比べてリース料が安く、土地使用権が70年と、通常の50年より長いことが特徴」という。ハナム省全体では現在、日系企業約70社が進出しており、今後100社程度まで増加すると見込まれている。
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日本とベトナムが今年、外交関係樹立45周年を迎える一方で、日本ベトナム友好協会茨城県連合会は昨年、創立50周年を迎え、常陽銀行の本拠地である茨城県とベトナムは強固な結びつきを構築している。製造業に加え、県産農産物の輸出やベトナム人実習生の受け入れなど農業での交流も活発化しているほか、サッカーJ2水戸ホーリーホックにグエン・コン・フオン選手が加入したことがあるなどスポーツ分野でも親交を深めており、今後モノとヒトの交流が一層盛んになることが見込まれる。
■ドンバン第3工業団地と協定締結
常陽銀行は同日、北部ハナム省のドンバン第3工業団地インフラ開発社と業務協力協定を締結した。同行の取引先企業がドンバン第3工業団地に進出する際に優遇価格を適用するほか、視察や顧客セミナーの開催などで協力する。
同工業団地は、ハノイの南50キロメートルに位置し、日系企業専用の工業団地となっている。昨年3月に完成し、敷地面積は300ヘクタールで、将来的には800ヘクタールまで拡張される予定。周辺の道路や下水道などのインフラ整備は、日本政府による円借款で実施されている。
ハナム省人民委員会ジャパンデスクのコンサルタント、中川良一氏によると、現時点で16社の入居が決定している。「ハナム省が中心となって管理・運営していることから、民営の工業団地に比べてリース料が安く、土地使用権が70年と、通常の50年より長いことが特徴」という。ハナム省全体では現在、日系企業約70社が進出しており、今後100社程度まで増加すると見込まれている。"
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