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物価高、GDPに下押し圧力0.6ポイント、23年成長に影

フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は長期化する物価高が2023年も続いた場合、国内総生産(GDP)が0.6ポイント下押しされるとの見方を示している。政府は同年の経済成長率が前年比6.5~8.0%になると予測するが、世界的な利上げや景気後退リスクにより目標を下回る恐れが出てきた。低所得者層への支援拡大や経済活動の再開の幅を広げるなど対策を打っていく考えだ。

低所得層を中心に物価高に苦しむ市民は多い=9月、マニラ首都圏(NNA撮影)

足元のインフレはウクライナ情勢などによる供給制約と米国の大幅利上げによるフィリピンペソの通貨安が主な要因だ。通貨安により輸入物価が上昇し、国内で売られる際に商品の価格が跳ね上がる。政府債務の返済額も増え、国家運営も難しくしている。

国家経済開発庁のバリサカン長官は19日、記者団に対し「ペソ安は米国の利上げが終わるまで続くだろう」と指摘した。フィリピン中央銀行による利上げは通貨防衛の手段になるが、経済成長の伸びしろが縮む恐れもあり慎重になる必要があると説明した。

9月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比6.9%と4年ぶりの高水準となった。当初は一時的とみられた物価高は長期化し、国内経済の先行きは不透明さが増している。国家経済開発庁は物価高がGDPを0.6ポイント下振れさせると分析した。

一方で、バリサカン氏は現時点で政府が予測する23年の成長率を下方修正する必要はないとの見解を示した。400万世帯を超える低所得者層に範囲を絞った救済措置を手厚くするほか、迅速な燃料補助の支給に向けた法改正を検討していると明らかにした。

さらに、国内経済への貢献度が高い観光業の回復も重要になるとした。他国が新型コロナウイルス対策の入国制限撤廃に動くなか、フィリピンにはいまだに比較的厳しい入国条件が残っていることを批判した。バリサカン氏は「入国制限は撤廃したい」と話した。

フィリピン統計庁(PSA)によると、21年のGDPに占める観光の寄与度は5.2%だった。新型コロナ発生前の12.9%から大幅に縮小している。

経済界も物価高が収まらず、長期的な経済成長の鈍化が懸念される現状に危機感を示している。フィリピン商工会議所(PCCI)は現政権が取り組むべき政策8本をまとめた。法改正による食料安全保障の確保や医療分野の官民連携、新規投資の支援を通じた雇用創出などが柱となる。20日にマルコス大統領に提言する予定だ。

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足元のインフレはウクライナ情勢などによる供給制約と米国の大幅利上げによるフィリピンペソの通貨安が主な要因だ。通貨安により輸入物価が上昇し、国内で売られる際に商品の価格が跳ね上がる。政府債務の返済額も増え、国家運営も難しくしている。

国家経済開発庁のバリサカン長官は19日、記者団に対し「ペソ安は米国の利上げが終わるまで続くだろう」と指摘した。フィリピン中央銀行による利上げは通貨防衛の手段になるが、経済成長の伸びしろが縮む恐れもあり慎重になる必要があると説明した。

9月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比6.9%と4年ぶりの高水準となった。当初は一時的とみられた物価高は長期化し、国内経済の先行きは不透明さが増している。国家経済開発庁は物価高がGDPを0.6ポイント下振れさせると分析した。

一方で、バリサカン氏は現時点で政府が予測する23年の成長率を下方修正する必要はないとの見解を示した。400万世帯を超える低所得者層に範囲を絞った救済措置を手厚くするほか、迅速な燃料補助の支給に向けた法改正を検討していると明らかにした。

さらに、国内経済への貢献度が高い観光業の回復も重要になるとした。他国が新型コロナウイルス対策の入国制限撤廃に動くなか、フィリピンにはいまだに比較的厳しい入国条件が残っていることを批判した。バリサカン氏は「入国制限は撤廃したい」と話した。

フィリピン統計庁(PSA)によると、21年のGDPに占める観光の寄与度は5.2%だった。新型コロナ発生前の12.9%から大幅に縮小している。

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