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粉末調味料の包装材に変化味の素、プラごみ削減を推進

インドネシア政府が国内で操業する一部の製造業や飲食業、小売業に対し、2029年末までにごみの排出量を30%減らすことを求める中、同国の日系企業も環境対策に取り組んでいる。インドネシア味の素は、粉末調味料の包装材の一部に紙を使用したほか、小袋入りのサイズを従来よりも大きめに変えるなどして、プラスチックごみの削減を進めている。【山本麻紀子】

粉末調味料の小袋包装は、店の軒先につり下げるためのヘッダー部分をなくした代わりに、12袋を連ねたものを折り曲げてディスプレーしている(インドネシア味の素提供)

味の素グループは20年に、全世界で30年までに環境負荷を50%削減する目標を発表した。世界で2番目に海洋プラスチックごみの流出量が多いとされるインドネシアでは、プラごみ削減に向けた取り組みを本格的に推進してきた。
プラごみ削減策の1つ目として、21年10月に主力商品の風味調味料(顆粒=かりゅう=タイプ)「Masako(マサコ)」の包装を変えた。伝統市場で商店の軒先につり下げて陳列される、8.5グラム入りの小袋商品を連ねた「カレンダー式製品」のヘッダー部分をなくした。
それまでの縦6袋・横2袋を連ねた包装形態を、縦12袋・横6袋へと幅を広げて、ヘッダーがなくても折り曲げてディスプレーできるようにした。横幅を大きくしたことで買い物客の目にも留まりやすくなった。
さらに、配送しやすくするために使用していた商品の中袋も廃止した。これらの取り組みにより、年間630トンのプラスチック使用量を削減した。
■使い捨てからの脱却を啓発
プラスチック包装材の使用量を減らす2つ目の取り組みは、「Masako」の8.5グラム入りの次に大きなサイズとして、22年6月から新たに40グラム入りを投入した。それまでは、さらに大きい100グラム入りの商品しかなかった。
1回分の使い切り商品ではなく、何度か使ってから包装袋を捨てることに慣れてもらうのが狙いだ。これにより35%のプラスチック削減効果を見込んでいる。
■紙パッケージにエコラベル認証
3つ目の取り組みは、「味の素」(120グラム入り)の包装材の一部に紙を使用した商品を発売した。ほぼ同じ容量の商品ではこれまで、包装材の素材としてポリプロピレンを使用していたが、袋の表側を紙に変更することで、プラスチックの使用量を3割削減した。この商品パッケージは、インドネシアの環境・林業省傘下の認証機関からエコラベル認証を取得した。
インドネシア版ギネスブック「MURI」からは、国内のうま味調味料(MSG)としては初めて「エコフレンドリー包装」として登録された。

インドネシア味の素が包装材を紙に変更した「味の素」(中央)は、インドネシア環境・林業省傘下の認証機関からエコラベル認証を取得している(同社提供)

■多少高くてもエコに配慮
メーカーにとっては一般的に、環境に配慮した商品はコストがかかり、販売価格が割高になってしまうという懸念がつきまとう。インドネシア味の素は紙パッケージの商品の発売にあたり、ジャカルタ首都圏で営業するスーパーの店頭で試験販売を実施した。
プラスチック包装の従来品と、紙パッケージの新商品の2種類について、ほぼ同じ容量の商品を店頭に並べて、それぞれの販売個数を比較した。紙パッケージの新商品は、1グラム当たりの単価を約15%高めに設定したものの、販売個数は1割以上も多かった。
購入者に紙パッケージを選んだ理由を聞いたところ、「多少値段が高くても、環境に良いと思う商品を選ぶ」と答えた人が多かったという。
インドネシア味の素の関係者は、紙パッケージの新商品について「お客さまの関心は高く、販売は堅調に推移している」と話している。

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味の素グループは20年に、全世界で30年までに環境負荷を50%削減する目標を発表した。世界で2番目に海洋プラスチックごみの流出量が多いとされるインドネシアでは、プラごみ削減に向けた取り組みを本格的に推進してきた。
プラごみ削減策の1つ目として、21年10月に主力商品の風味調味料(顆粒=かりゅう=タイプ)「Masako(マサコ)」の包装を変えた。伝統市場で商店の軒先につり下げて陳列される、8.5グラム入りの小袋商品を連ねた「カレンダー式製品」のヘッダー部分をなくした。
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さらに、配送しやすくするために使用していた商品の中袋も廃止した。これらの取り組みにより、年間630トンのプラスチック使用量を削減した。
■使い捨てからの脱却を啓発
プラスチック包装材の使用量を減らす2つ目の取り組みは、「Masako」の8.5グラム入りの次に大きなサイズとして、22年6月から新たに40グラム入りを投入した。それまでは、さらに大きい100グラム入りの商品しかなかった。
1回分の使い切り商品ではなく、何度か使ってから包装袋を捨てることに慣れてもらうのが狙いだ。これにより35%のプラスチック削減効果を見込んでいる。
■紙パッケージにエコラベル認証
3つ目の取り組みは、「味の素」(120グラム入り)の包装材の一部に紙を使用した商品を発売した。ほぼ同じ容量の商品ではこれまで、包装材の素材としてポリプロピレンを使用していたが、袋の表側を紙に変更することで、プラスチックの使用量を3割削減した。この商品パッケージは、インドネシアの環境・林業省傘下の認証機関からエコラベル認証を取得した。
インドネシア版ギネスブック「MURI」からは、国内のうま味調味料(MSG)としては初めて「エコフレンドリー包装」として登録された。
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■多少高くてもエコに配慮
メーカーにとっては一般的に、環境に配慮した商品はコストがかかり、販売価格が割高になってしまうという懸念がつきまとう。インドネシア味の素は紙パッケージの商品の発売にあたり、ジャカルタ首都圏で営業するスーパーの店頭で試験販売を実施した。
プラスチック包装の従来品と、紙パッケージの新商品の2種類について、ほぼ同じ容量の商品を店頭に並べて、それぞれの販売個数を比較した。紙パッケージの新商品は、1グラム当たりの単価を約15%高めに設定したものの、販売個数は1割以上も多かった。
購入者に紙パッケージを選んだ理由を聞いたところ、「多少値段が高くても、環境に良いと思う商品を選ぶ」と答えた人が多かったという。
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