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ゲーム市場、日本勢が攻勢任天堂は11月に公式店オープンへ

東南アジア最大級のゲーム展示会「タイランドゲームショウ2024」が18~20日、タイの首都バンコクで開催された。任天堂やセガなどの日本の大手ゲームブランドをはじめ、中国、台湾、韓国などの海外ゲームメーカーやゲーム機器メーカーなど50ブース以上が出展。会場とオンラインで延べ18万人が参加した。会場では一般参加者が最新作をいち早く試遊したり、ゲームキャラクターなどのコスプレを楽しんだりする姿が見られた。
タイランドゲームショウは2007年に始まったゲーム展示会で、今年で18年目を迎える。今年の主催は、台湾系のIT機器販売大手シネックス(タイランド)、通信大手トゥルー・コーポレーション傘下でオンラインメディア「ベータイ」を運営するショー・ノー・リミット、ゲームメディア「オンライン・ステーション」を運営するトゥルー・デジタル・グループの3社。
主催のシネックス(タイランド)はタイで任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を販売する。シネックス(タイランド)のスティダー最高経営責任者(CEO)は開会式で、タイ初となる任天堂の公式ショップを11月、首都バンコクの商業施設サイアムパラゴンにオープンすると発表。任天堂のゲームだけでなく、グッズなどの販売やアフターサービスを実施すると話した。
開会式に参加したスダワン文化相は、近年のタイでのゲーム産業について「タイ人のゲームに対する姿勢はより積極的になり、ゲーム業界の売り上げが拡大している」と説明。文化省は「文化主導型経済」というコンセプトの下、タイの文化的側面からゲーム市場の育成を目指していると話した。
デジタル経済社会省傘下のデジタル経済振興機関(DEPA)によると、タイのデジタルコンテンツ産業の市場規模は23年、442億バーツ(約1,980億円)に達し、うち78%に当たる343億バーツがゲーム産業による。24年以降はデジタルコンテンツ産業全体で年4%の成長を見込んでいる。
■日本の開発会社が出展
家庭用ゲームの開発・販売を手がけるSNK(大阪市)は、25年4月に発売予定の新作対戦格闘ゲーム「餓狼伝説 シティ・オブ・ザ・ウルヴス」を宣伝。1990年代の格闘ゲームブームをけん引してきた人気シリーズから、26年ぶりの新作発売となる。
同社グローバルマーケティング部の呉羽真緒氏、傅暁氏はNNAの取材に対し、「格闘ゲームが再び盛り上がりつつある中、長年のコアファンが親しみを持つレジェンドIP(知的財産)を復活させる試みだ」と話す。格闘ゲームの中でも、キャラクターやストーリー性を重視した点に独自性を持つシリーズだ。新作にはライトユーザーも取り込むべく、初心者にもプレイしやすいバトルシステムを取り入れた。同作品にとっては、「タイやインドネシアなど、東南アジアも重要なマーケットの1つで、これから本格的に認知拡大に取り組んでいく」という。同社は今年、9月の「東京ゲームショウ」のほか、ドイツやブラジルでもゲーム展示会に参加。世界市場の開拓に意欲を出している。
同社はeスポーツの振興にも力を入れている。昨年から今年にかけては対戦格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズXV」の世界大会、「SNKワールド・チャンピオンシップ2023」を開催。今年3月の決勝大会に向け、タイを含む20カ国・地域で予選大会が開催され、世界から延べ3,000人が参加した。2025年にも世界大会の開催が決まっており、現在予選が世界各地で行われている。

SNKが来年発売する新作ゲームの試遊に興じる一般参加者=18日、タイ・バンコク(NNA撮影)

■ジェトロはインディーズを支援
展示会では日本貿易振興機構(ジェトロ)・バンコク事務所も出展した。日本のインディーズ作品に興味を持つ参加者に向けて、米バルブ・コーポレーションが運営する世界規模のPCゲーム配信サービス「Steam(スチーム)」で日本の中小ゲームメーカーや個人開発者が販売する作品を試遊できるブースだ。同事務所で日本のコンテンツの海外展開促進を担当する山本翔太氏は、「ジェトロがタイランドゲームショウに出展するのは今年が初」という。ジェトロでは世界3カ所にコンテンツ拡大を担う拠点を置いており、米ロサンゼルス、インドのニューデリーと並んでバンコク事務所がその一角を担う。「タイではデジタルコンテンツ市場が伸びており、日本文化に対する認知度も高い」。特にロールプレーイングゲーム(RPG)やシューティング、ホラーのジャンルが人気だという。山本氏は、「こうしたBtoC向けのイベントでフックを作り、海外バイヤーに対して日本のインディーズゲームを取り扱うイメージを持ってもらいたい」と話す。
ジェトロは展示会と並行して、日本のゲーム開発者と海外バイヤーをマッチングさせるオンライン商談会も実施し、タイや東南アジア市場に進出意欲を持つ日本のゲーム企業を後押ししている。

日本貿易振興機構バンコク事務所の山本翔太氏(右)。日本のインディーズゲームをタイのバイヤーにアピールする=18日、タイ・バンコク(NNA撮影)

■タイでのゲーム開発も
タイで開発に取り組むゲームメーカーも少ないながらも出展があった。シンガポール系のゲーム会社タイニーリトル傘下で、2021年にタイに設立し「タイニーリトル」シリーズの開発を手がけるヘンテックは、新作のスマホゲーム「タイニーリトル・デーヴァ」を宣伝。プレーヤー同士がコミュニケーションを取りながら一緒にプレイできる、タワーディフェンスゲームだ。ヘンテックの共同創業者、タナパット氏は「誰でもプレイできる、カジュアルでライトなゲームとして開発した」という。タイが宗教への信仰心が強い人が多い国であることを生かし、蛇神ナーガや象の頭を持つガネーシャ、神鳥ガルーダなど、タイで人気のアジアの神々をキャラクター化した。ゲームはタイ語でプレイ可能。

アジアの神々をキャラクター化したスマホゲームを開発するヘンテックの共同創業者、タナパット氏=18日、タイ・バンコク(NNA撮影)

同社グループはタイとシンガポールのほか、中国、香港にもオフィスを設立している。タナパット氏は「タイの豊かな文化的多様性を取り入れたゲームで、世界市場でも特別なタイトルになれる」と海外展開に意欲を見せた。

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タイランドゲームショウは2007年に始まったゲーム展示会で、今年で18年目を迎える。今年の主催は、台湾系のIT機器販売大手シネックス(タイランド)、通信大手トゥルー・コーポレーション傘下でオンラインメディア「ベータイ」を運営するショー・ノー・リミット、ゲームメディア「オンライン・ステーション」を運営するトゥルー・デジタル・グループの3社。
主催のシネックス(タイランド)はタイで任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を販売する。シネックス(タイランド)のスティダー最高経営責任者(CEO)は開会式で、タイ初となる任天堂の公式ショップを11月、首都バンコクの商業施設サイアムパラゴンにオープンすると発表。任天堂のゲームだけでなく、グッズなどの販売やアフターサービスを実施すると話した。
開会式に参加したスダワン文化相は、近年のタイでのゲーム産業について「タイ人のゲームに対する姿勢はより積極的になり、ゲーム業界の売り上げが拡大している」と説明。文化省は「文化主導型経済」というコンセプトの下、タイの文化的側面からゲーム市場の育成を目指していると話した。
デジタル経済社会省傘下のデジタル経済振興機関(DEPA)によると、タイのデジタルコンテンツ産業の市場規模は23年、442億バーツ(約1,980億円)に達し、うち78%に当たる343億バーツがゲーム産業による。24年以降はデジタルコンテンツ産業全体で年4%の成長を見込んでいる。
■日本の開発会社が出展
家庭用ゲームの開発・販売を手がけるSNK(大阪市)は、25年4月に発売予定の新作対戦格闘ゲーム「餓狼伝説 シティ・オブ・ザ・ウルヴス」を宣伝。1990年代の格闘ゲームブームをけん引してきた人気シリーズから、26年ぶりの新作発売となる。
同社グローバルマーケティング部の呉羽真緒氏、傅暁氏はNNAの取材に対し、「格闘ゲームが再び盛り上がりつつある中、長年のコアファンが親しみを持つレジェンドIP(知的財産)を復活させる試みだ」と話す。格闘ゲームの中でも、キャラクターやストーリー性を重視した点に独自性を持つシリーズだ。新作にはライトユーザーも取り込むべく、初心者にもプレイしやすいバトルシステムを取り入れた。同作品にとっては、「タイやインドネシアなど、東南アジアも重要なマーケットの1つで、これから本格的に認知拡大に取り組んでいく」という。同社は今年、9月の「東京ゲームショウ」のほか、ドイツやブラジルでもゲーム展示会に参加。世界市場の開拓に意欲を出している。
同社はeスポーツの振興にも力を入れている。昨年から今年にかけては対戦格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズXV」の世界大会、「SNKワールド・チャンピオンシップ2023」を開催。今年3月の決勝大会に向け、タイを含む20カ国・地域で予選大会が開催され、世界から延べ3,000人が参加した。2025年にも世界大会の開催が決まっており、現在予選が世界各地で行われている。
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■ジェトロはインディーズを支援
展示会では日本貿易振興機構(ジェトロ)・バンコク事務所も出展した。日本のインディーズ作品に興味を持つ参加者に向けて、米バルブ・コーポレーションが運営する世界規模のPCゲーム配信サービス「Steam(スチーム)」で日本の中小ゲームメーカーや個人開発者が販売する作品を試遊できるブースだ。同事務所で日本のコンテンツの海外展開促進を担当する山本翔太氏は、「ジェトロがタイランドゲームショウに出展するのは今年が初」という。ジェトロでは世界3カ所にコンテンツ拡大を担う拠点を置いており、米ロサンゼルス、インドのニューデリーと並んでバンコク事務所がその一角を担う。「タイではデジタルコンテンツ市場が伸びており、日本文化に対する認知度も高い」。特にロールプレーイングゲーム(RPG)やシューティング、ホラーのジャンルが人気だという。山本氏は、「こうしたBtoC向けのイベントでフックを作り、海外バイヤーに対して日本のインディーズゲームを取り扱うイメージを持ってもらいたい」と話す。
ジェトロは展示会と並行して、日本のゲーム開発者と海外バイヤーをマッチングさせるオンライン商談会も実施し、タイや東南アジア市場に進出意欲を持つ日本のゲーム企業を後押ししている。
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■タイでのゲーム開発も
タイで開発に取り組むゲームメーカーも少ないながらも出展があった。シンガポール系のゲーム会社タイニーリトル傘下で、2021年にタイに設立し「タイニーリトル」シリーズの開発を手がけるヘンテックは、新作のスマホゲーム「タイニーリトル・デーヴァ」を宣伝。プレーヤー同士がコミュニケーションを取りながら一緒にプレイできる、タワーディフェンスゲームだ。ヘンテックの共同創業者、タナパット氏は「誰でもプレイできる、カジュアルでライトなゲームとして開発した」という。タイが宗教への信仰心が強い人が多い国であることを生かし、蛇神ナーガや象の頭を持つガネーシャ、神鳥ガルーダなど、タイで人気のアジアの神々をキャラクター化した。ゲームはタイ語でプレイ可能。
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