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1月PMIは49.6まで上昇改善傾向は見込めず、楽観は困難

米金融情報サービス大手のS&Pグローバルが先ごろ発表した、ミャンマーの2023年1月の製造業購買管理者指数(PMI)は49.6となり、前月を7.5ポイント上回った。49台まで戻したのは22年5月以来だが、景気判断の節目となる50は9カ月連続で下回っており、専門家は改善傾向が続くとは考えがたいとし、先行きを楽観視するのは困難だとみている。
S&Pグローバルは、1月は製造業の生産と新規受注が9カ月ぶりに増加に転じたと報告した。顧客の需要が回復したことで、購買活動もほぼ3年ぶりに増加。PMIの二大要素である生産と受注が改善し、8カ月続いた景気の悪化傾向が和らいだとの見方を示した。
ただ、製造コストと雇用情勢を例に挙げ、製造業を取り巻く環境は引き続き厳しいと指摘した。製造コストについては、原材料が需給逼迫(ひっぱく)を背景に値上がりしているほか、輸送費も上昇していると説明。雇用情勢については、製造業で従業員の離職が多く、7カ月連続で関連する指標が低下しているとした。
こうした中、企業の先行きに対する見方は厳しいまま。同社の調査対象者のほぼ全員が、「今後1年間の生産高に変化はない」と回答したという。
PMIは、企業の購買担当者を対象にした調査結果から算出される景気指標の1つ。ミャンマーでは20年9月から50を割り込み、国軍によるクーデターが発生した21年2月には20台まで低下した。22年4月に50.4まで持ち直した後は再び50を下回り、年末まで下落傾向にあった。
■雇用減少、景況の改善傾向は見込めず
S&Pグローバルのエコノミストのマリアム・バルーチ氏は1月のPMIについて、「生産と新規受注が増加し、景気悪化が和らいだ」と説明した。一方で、価格上昇圧力の強まりで購買活動が制限されていると分析。雇用の減少は前月から加速し、結果として製造業全体の健全性は一段と悪化していると述べた。
シンガポールに駐在する三井住友銀行のエコノミストの阿部良太氏は、「全体的に見ると回復と取れなくもないが、製造業を取り巻く環境からすれば改善傾向が続くとは思いがたい」と指摘。中長期的に50を上回るには、見通しと雇用の回復が必須だと強調した。
阿部氏は、アジア諸国の製造業の動向にも言及。中国がゼロコロナ政策を撤廃したものの、ポジティブな材料はまだ見られないと述べ、企業心理は「国によりまちまちだが、12月と比べて大きく改善も悪化もしていない」と語った。
今後については、中国のゼロコロナ政策転換でやや改善するとみられるものの、チャット安や生産コストの上昇といった国内での事業環境は変わらないことから、先行きを楽観する姿勢に転じるのは困難だと見通しを示した。

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■雇用減少、景況の改善傾向は見込めず
S&Pグローバルのエコノミストのマリアム・バルーチ氏は1月のPMIについて、「生産と新規受注が増加し、景気悪化が和らいだ」と説明した。一方で、価格上昇圧力の強まりで購買活動が制限されていると分析。雇用の減少は前月から加速し、結果として製造業全体の健全性は一段と悪化していると述べた。
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