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《安全》【新型コロナ】日系も韓国の対応「評価」事業の影響は拡大、本格回復遠く

【前編】新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、韓国はいち早く抑え込みに成功しつつある。ただ、経済への影響は計り知れず、経営環境の回復には時間がかかりそうだ。そこでNNAでは、韓国でビジネス展開する日系企業(有効回答72社)を対象にアンケート調査の第2弾を実施した。韓国政府の対応には「評価する」との声が圧倒的だが、経営面での課題は山積しており、不安な日々が続いている。きょうと25日の2回に分けて報告する。

韓国では文在寅(ムン・ジェイン)大統領や洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相(写真右)が防疫対策でリーダーシップを発揮し、新型コロナの早期抑え込みに成功した=韓国(企画財政省提供)

韓国では依然として小規模な集団感染が散発的に発生しているものの、徹底的なPCR検査の実施や矢継ぎ早の対策が奏功して感染拡大の抑制につながった。厳格な予防策「社会的距離を取る期間」を5月5日に終了して現在は「日常生活でできる防疫措置」に緩和し、プロスポーツの開幕や小中高校生の登校にも踏み切った。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は15日時点で65%(ギャラップ調べ)と高い水準を維持しており、「コロナ対策」を評価する声が大多数を占めている。
■日系のほぼ100%が評価
日系企業に韓国政府の一連の対応について聞いたところ、「評価しない」との回答はゼロで、「評価する」は77.8%、「高く評価する」も19.4%とほぼ100%が評価するとの結果となった。その理由について最も多かったのは「防疫当局の強いリーダーシップ」「(対応に)スピード感がある」や「徹底した検査の実施」「感染者の追跡情報の公開」などだった。

政府の情報公開のあり方について「個人情報の扱いには疑問を感じる」「行動規制の緩和が少し早過ぎた」といった指摘もあるが、「社会的な安心感を醸成しつつ、未知の危機に対して国民を守ろうとする姿勢が明快」「ロックダウンせずに、市民生活もある程度行える状態で感染拡大を抑制した」といった点が高い評価につながったようだ。
■日韓ビジネスへの打撃続く

ただ、経済面への影響はそう簡単に解消されそうにない。韓国は通常の事業活動の再開が進む一方、日本は東京など大都市圏で非常事態宣言が解かれておらず、両国の交流は事実上停止されたままだ。今回の事態が自社の事業に与える影響についても「出ている」が72.2%、「深刻に出ている」が16.7%と、前回調査の結果と同水準の約9割が何らかの被害を受けていることが分かった。
販売・サービス業では、ほとんどの企業で韓国市場の消費の冷え込みによる「売り上げ減」が続いているようだ。「顧客の生産ライン停止で受注が大幅ダウン」「取引先(小売業)の来客減少による業績悪化」「得意先の販売不振や在庫増による受注急減」など、多くの企業が現地企業との連鎖的な停滞を訴えている。
特に厳しさを増すのは航空・観光業界とその関連業界で、「インバウンド需要が消滅し、(納入先の)免税店が閉鎖してしまった」「日韓のエアラインが事実上停止してしまったほか、ビザなし渡航もできなくなったため、観光客の誘致が不可能になった」など悲痛な声が上がっている。
■在宅勤務は限定対応か

新型コロナの感染防止策として注目された在宅勤務やテレワークについての実施状況については、「一時的に実施した」が44.4%でもっと多く、「現在も実施している」は18.1%だった。業態によって実施が難しいという理由もあるだろうが、「一度も実施していない」との回答も30.6%に上った。
一方、「現在も実施中」の企業がいつまで継続するかについては、「5月いっぱい」が5社で、「コロナが終息するまで」は2社だった。このほか「大邱から(釜山に)通勤している社員がおり、いつ出社許可を出すか悩んでいる」との答えもあった。
「6月から営業活動を再開するが、コロナに関係なく在宅勤務を一部併用予定」という回答があったが、コロナ後も在宅勤務を継続導入する考えの企業は少数派のようだ。
在宅勤務を実施した企業からは「モチベーションの低下」や「社員同士のコミュニケーション不足」といったデメリットも指摘された。
日常生活は少しずつ戻りつつあるが、ビジネス戦線での見えない恐怖との闘いは依然続いており、先が見えない不安は絶えず付きまとう。アンケートの後編では、実際の営業活動での制限の現状や、日系企業が抱える現場での不安材料や課題などを中心に見ていく。

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率は15日時点で65%(ギャラップ調べ)と高い水準を維持しており、「コロナ対策」を評価する声が大多数を占めている。
■日系のほぼ100%が評価
日系企業に韓国政府の一連の対応について聞いたところ、「評価しない」との回答はゼロで、「評価する」は77.8%、「高く評価する」も19.4%とほぼ100%が評価するとの結果となった。その理由について最も多かったのは「防疫当局の強いリーダーシップ」「(対応に)スピード感がある」や「徹底した検査の実施」「感染者の追跡情報の公開」などだった。

政府の情報公開のあり方について「個人情報の扱いには疑問を感じる」「行動規制の緩和が少し早過ぎた」といった指摘もあるが、「社会的な安心感を醸成しつつ、未知の危機に対して国民を守ろうとする姿勢が明快」「ロックダウンせずに、市民生活もある程度行える状態で感染拡大を抑制した」といった点が高い評価につながったようだ。
■日韓ビジネスへの打撃続く

ただ、経済面への影響はそう簡単に解消されそうにない。韓国は通常の事業活動の再開が進む一方、日本は東京など大都市圏で非常事態宣言が解かれておらず、両国の交流は事実上停止されたままだ。今回の事態が自社の事業に与える影響についても「出ている」が72.2%、「深刻に出ている」が16.7%と、前回調査の結果と同水準の約9割が何らかの被害を受けていることが分かった。
販売・サービス業では、ほとんどの企業で韓国市場の消費の冷え込みによる「売り上げ減」が続いているようだ。「顧客の生産ライン停止で受注が大幅ダウン」「取引先(小売業)の来客減少による業績悪化」「得意先の販売不振や在庫増による受注急減」など、多くの企業が現地企業との連鎖的な停滞を訴えている。
特に厳しさを増すのは航空・観光業界とその関連業界で、「インバウンド需要が消滅し、(納入先の)免税店が閉鎖してしまった」「日韓のエアラインが事実上停止してしまったほか、ビザなし渡航もできなくなったため、観光客の誘致が不可能になった」など悲痛な声が上がっている。
■在宅勤務は限定対応か

新型コロナの感染防止策として注目された在宅勤務やテレワークについての実施状況については、「一時的に実施した」が44.4%でもっと多く、「現在も実施している」は18.1%だった。業態によって実施が難しいという理由もあるだろうが、「一度も実施していない」との回答も30.6%に上った。
一方、「現在も実施中」の企業がいつまで継続するかについては、「5月いっぱい」が5社で、「コロナが終息するまで」は2社だった。このほか「大邱から(釜山に)通勤している社員がおり、いつ出社許可を出すか悩んでいる」との答えもあった。
「6月から営業活動を再開するが、コロナに関係なく在宅勤務を一部併用予定」という回答があったが、コロナ後も在宅勤務を継続導入する考えの企業は少数派のようだ。
在宅勤務を実施した企業からは「モチベーションの低下」や「社員同士のコミュニケーション不足」といったデメリットも指摘された。
日常生活は少しずつ戻りつつあるが、ビジネス戦線での見えない恐怖との闘いは依然続いており、先が見えない不安は絶えず付きまとう。アンケートの後編では、実際の営業活動での制限の現状や、日系企業が抱える現場での不安材料や課題などを中心に見ていく。
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