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日越の地方政府、人材で協力兵庫など、労働力求めトップ外交

日本の地方自治体が労働力不足の解消に向けてベトナムの省市政府との協力強化に動いている。兵庫県の齋藤元彦知事は今週、ベトナム人材の確保を目的に南部ホーチミン市に出張し、現地の大学などを視察した。ベトナム側も日本の地方との協力は将来の投資誘致につながるとして積極的に対応している。両国の地方間の協力や人材交流の強化は、先週のファム・ミン・チン首相と岸田文雄首相の首脳会談でも一致しており、具体化に向けた取り組みがさらに活発化しそうだ。

兵庫県・ホーチミン市経済促進会議であいさつする兵庫県の齋藤元彦知事=20日、ホーチミン市1区

兵庫県の齋藤知事ら代表団は19~22日にホーチミン市を訪問し、両国企業が集まる経済促進会議のほか、技能実習生の送り出しや日本語学校の運営などを手がけるエスハイの視察、ホーチミン市工科大学や社会人文科学大学、日越高等学校の学生との意見交換会などを行った。
県産業労働部国際局によると、両地域は2007年に友好・経済交流に関する覚書を締結し、17年以降は両自治体や企業が参加する経済促進会議を定期的に開催してきたが、「人材確保を渡航の中心において、現地機関を訪問・ヒアリングを実施したのは今回が初めて」だ。同局によれば兵庫県では人手不足が課題となっており、ベトナム人材の誘致に向けて日本企業への要請などを把握する狙いがあるという。
20日午後開催された兵庫県・ホーチミン市経済促進会議で齋藤氏は「ホーチミン市の皆さまと息の長いパートナーシップを構築していければと思っている」と長期的な協力を呼びかけた。
同県は近く、ホーチミン市に加えて南部ソクチャン省との協力強化も視野に入れているもようだ。
■大学と協力も
ベトナムの省市との連携を強化しているのは兵庫県だけではない。7月以降だけでも茨城県と岡山市がロンアン省と、新潟県が南部ビンロン省と、就労促進に向けた覚書締結や共同声明への調印を行った。山口県は南部ビンズオン省と、介護人材に特化した育成や就労支援に関する覚書を締結している。
高度な人材確保が期待できる大学との提携に乗り出す動きも活発化している。鹿児島県は7月にベトナム農業学院と、新潟県三条市立大学は11月にビンロン技術師範大学と人材交流や育成などで合意した。
■高度人材も不足
エスハイの広報責任者は、両国の地方政府が積極的に人材分野で協力を拡大するのは「日本側は地方の産業の人手不足の解消、ベトナム側は日本からの投資誘致の期待があるからだ」と説明する。
日本の地方では、若者の流出や高齢化、人口減少などにより人手不足に陥る企業が増えている。単純作業を行う労働者だけでなく、技術者や中間管理職、事業承継を担う高度人材の不足にも直面しているという。ベトナム人材を育成し日本で活用することや、ベトナム法人で優秀な人材を管理職などに登用することなどが地方企業の課題解消につながるとみられている。
ベトナム人の勤勉な国民性や、宗教や文化などでの日本との違いが比較的小さいことも評価されている。技能実習や特定技能の在留資格で日本で就労するベトナム人は国籍別で最多で、ベトナムからの労働者の国別送り先でも日本は1位と人材交流の基礎が整っていることも大きい。日本語人材が多いことも円滑な交流の後押しとなっている。
同広報責任者によれば、人材交流の拡大は中央政府間の制度改正などだけでは十分でない。「現場の課題解消には地方自治体レベルでの協力枠組みが必要になる」という。
■チン首相も連携後押し
チン首相は日本訪問中の16日に行った岸田首相との会談で、経済面だけでなく人材育成や地方間の協力も深化させていくことで一致しており、国を挙げて地方間の人材交流を促進させていく方針だ。
政府公式サイトによれば、チン氏は訪日中に愛知、栃木、新潟、神奈川、山梨など各県の知事と会談し、ベトナムの北部タイビン省やハイズオン省、中南部カインホア省、南部カントー市など地方省市との連携強化を促した。知事らもベトナム人留学生や労働者の受け入れを拡大にそろって意欲を示しており、地方間の人材交流はさらに盛んになりそうだ。

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20日午後開催された兵庫県・ホーチミン市経済促進会議で齋藤氏は「ホーチミン市の皆さまと息の長いパートナーシップを構築していければと思っている」と長期的な協力を呼びかけた。
同県は近く、ホーチミン市に加えて南部ソクチャン省との協力強化も視野に入れているもようだ。
■大学と協力も
ベトナムの省市との連携を強化しているのは兵庫県だけではない。7月以降だけでも茨城県と岡山市がロンアン省と、新潟県が南部ビンロン省と、就労促進に向けた覚書締結や共同声明への調印を行った。山口県は南部ビンズオン省と、介護人材に特化した育成や就労支援に関する覚書を締結している。
高度な人材確保が期待できる大学との提携に乗り出す動きも活発化している。鹿児島県は7月にベトナム農業学院と、新潟県三条市立大学は11月にビンロン技術師範大学と人材交流や育成などで合意した。
■高度人材も不足
エスハイの広報責任者は、両国の地方政府が積極的に人材分野で協力を拡大するのは「日本側は地方の産業の人手不足の解消、ベトナム側は日本からの投資誘致の期待があるからだ」と説明する。
日本の地方では、若者の流出や高齢化、人口減少などにより人手不足に陥る企業が増えている。単純作業を行う労働者だけでなく、技術者や中間管理職、事業承継を担う高度人材の不足にも直面しているという。ベトナム人材を育成し日本で活用することや、ベトナム法人で優秀な人材を管理職などに登用することなどが地方企業の課題解消につながるとみられている。
ベトナム人の勤勉な国民性や、宗教や文化などでの日本との違いが比較的小さいことも評価されている。技能実習や特定技能の在留資格で日本で就労するベトナム人は国籍別で最多で、ベトナムからの労働者の国別送り先でも日本は1位と人材交流の基礎が整っていることも大きい。日本語人材が多いことも円滑な交流の後押しとなっている。
同広報責任者によれば、人材交流の拡大は中央政府間の制度改正などだけでは十分でない。「現場の課題解消には地方自治体レベルでの協力枠組みが必要になる」という。
■チン首相も連携後押し
チン首相は日本訪問中の16日に行った岸田首相との会談で、経済面だけでなく人材育成や地方間の協力も深化させていくことで一致しており、国を挙げて地方間の人材交流を促進させていく方針だ。
政府公式サイトによれば、チン氏は訪日中に愛知、栃木、新潟、神奈川、山梨など各県の知事と会談し、ベトナムの北部タイビン省やハイズオン省、中南部カインホア省、南部カントー市など地方省市との連携強化を促した。知事らもベトナム人留学生や労働者の受け入れを拡大にそろって意欲を示しており、地方間の人材交流はさらに盛んになりそうだ。" ["post_title"]=> string(84) "日越の地方政府、人材で協力兵庫など、労働力求めトップ外交" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e6%97%a5%e8%b6%8a%e3%81%ae%e5%9c%b0%e6%96%b9%e6%94%bf%e5%ba%9c%e3%80%81%e4%ba%ba%e6%9d%90%e3%81%a7%e5%8d%94%e5%8a%9b%e5%85%b5%e5%ba%ab%e3%81%aa%e3%81%a9%e3%80%81%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%8a%9b%e6%b1%82" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2023-12-22 04:00:07" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2023-12-21 19:00:07" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=17380" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
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