トヨタ自動車のインド子会社トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)の一部門であり、高級車「レクサス」を販売するレクサス・インディアが、電気自動車(EV)を同国で発売することを検討している。2022年から、スポーツタイプ多目的車(SUV)を含むEV数車種のテスト走行を開始。現在、インドの地形や気候に対応できるかを検証している。レクサス・インディアのナヴィーン・ソーニ社長がNNAの単独インタビューに応じ、明らかにした。
インドでのEV発売に向け、レクサス・インディアがテスト走行を実施している車の一つ、電動SUVの「UX300e」=1月、インド北部ウッタルプラデシュ州グレーターノイダ(NNA撮影)
——インド参入の経緯や事業の現況は。
レクサスがインドでデビューしたのは17年3月(3車種を発売)。それから5年余り、とても充実し、学びが多い日々だった。インド参入の大きな理由の一つは、トヨタのお客さまでハイエンドを求める層を逃したくなかったから。そうした層への選択肢がレクサスだった。レクサス・インディアは今、6車種を販売している。「LX500d」(ディーゼル仕様のSUV)を除く5車種はハイブリッド車(HEV)だ。
■「印は生産4カ国の一つ」
——インドで何車種を生産しているのか。
約3年前から1車種(ハイブリッド仕様のセダン「ES300h」)を南部カルナタカ州ビダディの工場で生産している(日本から部品を輸入してインドで組み立てる完全ノックダウン=CKD方式)。レクサス車を造るには多大な技術力や努力が必要だが、インドは日本、米国、カナダと並び、レクサス車を生産できる世界4カ国の一つ。残り5車種は完成車(CBU)を日本から輸入して販売している。
インドで生産を始めた理由は、CBU輸入とCKD生産で関税が大きく異なるからだ(CKD生産の方が関税が低い)。生産車種は今後、現時点の1車種から増やす可能性を探りたい。
——インドでEVを発売する予定はあるか。
インドで22年から、SUVの「UX300e」を含むEV数車種のテスト走行を始めた。地形や気候などさまざまな条件に対し、電池性能はもちろん、車が対応できるかを試している。レクサスは35年までに、全世界の販売車をEVに切り替える計画だ。インドでもEVを発売できるか、引き続き検討する。
NNAの単独インタビューに応じたレクサス・インディアのナヴィーン・ソーニ社長=1月、グレーターノイダ(NNA撮影)
■HEVのミニバンを近く発売
——インドでの販売網は。
販売拠点は21年に4都市4店舗だったが、22年末には13都市17店舗になった。特にこの2年間、「ティア2」や「ティア3」といった中規模都市でレクサスの需要が伸びている。若者が魅力を感じているようだ。販売拠点は23年末までに25都市30カ所程度に増やしたい。
22年、インド市場の高級車セグメントの販売台数が前年比53%増だったのに対し、レクサス・インディアは76%増だった。お客さまが増えるほど期待も高くなるが、期待に引き続き応えたい。間もなく、7車種目となるミニバン「LM」(ハイブリッド仕様)発売を予定している。
——市場現況と今後の展望は。
18年は、インド市場の高級車セグメントの販売台数が4万台近くに達し、過去最高だった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で一時は18年の半分以下に落ち込んだものの、現在はとても速いペースで回復している。22年の販売台数は3万6,000台~3万7,000台。もっと売ることができたが、レクサス・インディアをはじめ各メーカーが半導体部品不足の影響を受け、18年を超えることができなかった。
インド市場の高級車セグメントは成長中で、23年および今後も、富裕層や消費意欲の拡大と共に伸びる。レクサスも一緒に成長する準備が整っている。(聞き手=Atul Ranjan)
レクサス・インディアが間もなく発売予定のミニバン「LM」=1月、グレーターノイダ(NNA撮影)
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——インド参入の経緯や事業の現況は。
レクサスがインドでデビューしたのは17年3月(3車種を発売)。それから5年余り、とても充実し、学びが多い日々だった。インド参入の大きな理由の一つは、トヨタのお客さまでハイエンドを求める層を逃したくなかったから。そうした層への選択肢がレクサスだった。レクサス・インディアは今、6車種を販売している。「LX500d」(ディーゼル仕様のSUV)を除く5車種はハイブリッド車(HEV)だ。
■「印は生産4カ国の一つ」
——インドで何車種を生産しているのか。
約3年前から1車種(ハイブリッド仕様のセダン「ES300h」)を南部カルナタカ州ビダディの工場で生産している(日本から部品を輸入してインドで組み立てる完全ノックダウン=CKD方式)。レクサス車を造るには多大な技術力や努力が必要だが、インドは日本、米国、カナダと並び、レクサス車を生産できる世界4カ国の一つ。残り5車種は完成車(CBU)を日本から輸入して販売している。
インドで生産を始めた理由は、CBU輸入とCKD生産で関税が大きく異なるからだ(CKD生産の方が関税が低い)。生産車種は今後、現時点の1車種から増やす可能性を探りたい。
——インドでEVを発売する予定はあるか。
インドで22年から、SUVの「UX300e」を含むEV数車種のテスト走行を始めた。地形や気候などさまざまな条件に対し、電池性能はもちろん、車が対応できるかを試している。レクサスは35年までに、全世界の販売車をEVに切り替える計画だ。インドでもEVを発売できるか、引き続き検討する。
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■HEVのミニバンを近く発売
——インドでの販売網は。
販売拠点は21年に4都市4店舗だったが、22年末には13都市17店舗になった。特にこの2年間、「ティア2」や「ティア3」といった中規模都市でレクサスの需要が伸びている。若者が魅力を感じているようだ。販売拠点は23年末までに25都市30カ所程度に増やしたい。
22年、インド市場の高級車セグメントの販売台数が前年比53%増だったのに対し、レクサス・インディアは76%増だった。お客さまが増えるほど期待も高くなるが、期待に引き続き応えたい。間もなく、7車種目となるミニバン「LM」(ハイブリッド仕様)発売を予定している。
——市場現況と今後の展望は。
18年は、インド市場の高級車セグメントの販売台数が4万台近くに達し、過去最高だった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で一時は18年の半分以下に落ち込んだものの、現在はとても速いペースで回復している。22年の販売台数は3万6,000台~3万7,000台。もっと売ることができたが、レクサス・インディアをはじめ各メーカーが半導体部品不足の影響を受け、18年を超えることができなかった。
インド市場の高級車セグメントは成長中で、23年および今後も、富裕層や消費意欲の拡大と共に伸びる。レクサスも一緒に成長する準備が整っている。(聞き手=Atul Ranjan)
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