上海モーターショー開幕、日本勢ＥＶで攻勢

世界有数の規模の自動車展示会、上海国際モーターショーが18日、上海市で開幕した。中国や日本、ドイツなどの自動車関連企業1,000社以上が出展。トヨタ自動車やホンダ、日産自動車など日系各社は新型の電気自動車（ＥＶ）などを世界初公開し、技術力をアピールした。
■トヨタはＥＶ「ｂＺ」２車種
トヨタは、ＥＶ専用のブランド「ｂＺ」シリーズから新たに２車種を世界初公開した。中国の自動車大手と共同開発を進め、2024年に中国市場に投入する。
若者向けのモデル「ｂＺスポーツクロスオーバーコンセプト」はトヨタとＥＶ大手の比亜迪（ＢＹＤ）の合弁、比亜迪豊田電動車科技などが開発を進め、中国第一汽車集団との合弁である一汽豊田汽車（一汽トヨタ）が生産・販売する。
スポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）「ｂＺフレックススペースコンセプト」は広州汽車集団との合弁の広汽豊田汽車（広汽トヨタ）との共同開発で、広汽トヨタが生産・販売する。
発表会に登壇したトヨタの中嶋裕樹副社長は「中国専用のＥＶの開発を中国現地で強化、推進していく」と述べた。ＥＶ開発と同時に、スマート化技術の中国での開発も進める方針を示した。
トヨタは22年に発売したｂＺシリーズ第１弾のＳＵＶ「ｂＺ４Ｘ」に続き、第２弾のセダン「ｂＺ３」の販売を始めた。2025年までにｂＺシリーズ７車種を含むＥＶ15車種をそろえる計画だ。

トヨタの中嶋裕樹副社長は「中国市場のブランド数や新エネルギー車（ＮＥＶ）の多さを改めて実感している」と述べた＝18日、上海市

■ホンダ、27年以降全て電動車に
ホンダはホンダブランドのＥＶ「ｅ：Ｎ（イーエヌ）」シリーズの第２弾「ｅ：ＮＰ２」「ｅ：ＮＳ２」と第３弾「ｅ：ＮＳＵＶ序」のそれぞれの試作車を世界初公開した。ホンダの青山真二副社長は、中国で27年以降に投入するモデルは全てＥＶやハイブリッド車（ＨＶ）などの電動車に切り替え、ガソリン車の投入は行わないと表明した。
ｅ：ＮＰ２、ｅ：ＮＳ２の量産モデルは24年初頭に中国の合弁２社から発売する。序は24年内をめどに発売する予定。ｅ：Ｎシリーズ第４弾「ｅ：ＮＧＴコンセプト」をベースとしたモデルを25年以降に発売する方針も示した。
ホンダは40年にグローバルで販売する新車の全てをＥＶと燃料電池車（ＦＣＶ）にする方針を掲げている。青山氏は、中国ではグローバルより５年前倒しし、35年までに全てＥＶにすると表明した。ホンダブランドのＥＶは27年までに10車種を投入する計画だ。

ＥＶ「ｅ：ＮＳＵＶ序」のコンセプトモデルを発表したホンダの青山真二副社長（左から４人目）＝18日、上海市

■日産はＥＶコンセプトカーを初公開
日産は、ＳＵＶタイプのＥＶコンセプトカー「Ａｒｉｚｏｎ（アリゾン）」を世界初公開した。上海市に持つデザインセンターが中国市場向けに開発した。アリゾンには「エポロ」と名付けた車載システムを搭載。時間や天気、地図といった情報を、人間のように対話しながら乗員に提供する。
日産独自のＨＶ技術「ｅ—ＰＯＷＥＲ（ｅパワー）」を搭載したＳＵＶ「エクストレイル（奇駿）」を中国で発売することも発表した。同日から予約販売を開始した。
日本で公開済みのＥＶコンセプトカー「Ｍａｘ—Ｏｕｔ（マックスアウト）」も中国で初めて披露した。
日産が現在中国で展開する電動モデルはＥＶ「アリア（艾睿雅）」とｅパワー搭載のセダン「シルフィ（軒逸）」の２車種。
日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者（ＣＯＯ）は「中国は世界で最も先進技術への受容性が高い市場の一つ」と指摘。電動車のほか、ソフトウエアを重視する「ソフトウエア定義車両（ＳＤＶ）」の開発に力を入れる方針を示した。

日産はＳＵＶタイプのＥＶコンセプトカー「Ａｒｉｚｏｎ」を公開＝18日、上海市

■マツダはＳＵＶのＨＶ版を披露
マツダはＳＵＶ「ＣＸ—50」のＨＶ版を世界初公開し、中国市場向けのラインアップを拡充すると発表した。
マツダは重慶長安汽車との合弁、長安マツダ汽車に人材や資源を投入し、中国で25年末までにＥＶとＨＶの電動車を計２車種投入する方針。マツダ執行役員で中国事業を担当する中島徹氏は発表会で、マツダの中核デザイナーを多数派遣するなどして、長安マツダの開発能力の抜本的な向上を図ると説明した。

ＳＵＶ「ＣＸ—50」のＨＶ版を披露するマツダの中島徹執行役員＝18日、上海市

■出展モデルの過半が電動車
上海モーターショーは今年が第20回目。18日からメディアや業界関係者向けに公開し、22～27日に一般公開する。
中国の自動車データサービス会社によると、今回出展された144モデルのうち、ＥＶなどの「新エネルギー車（ＮＥＶ）」は76モデルで、ガソリン車を上回ったという。一方、米ＥＶ大手テスラは出展しなかった。
中国の今年１～３月の新車販売台数は前年同期比6.7％減の607万6,000台だった。景気対策として実施されていた車両購入の減税策などが昨年末で終了し、消費者に買い控えムードが広まったことで、販売は伸び悩んでいる。中国自動車業界団体の全国乗用車市場信息聯席会（ＣＰＣＡ）は、上海モーターショーが「市場回復に向けた起爆剤になる」と期待している。（上海・吉野あかね、山川冬子）

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■トヨタはＥＶ「ｂＺ」２車種

トヨタは、ＥＶ専用のブランド「ｂＺ」シリーズから新たに２車種を世界初公開した。中国の自動車大手と共同開発を進め、2024年に中国市場に投入する。

若者向けのモデル「ｂＺスポーツクロスオーバーコンセプト」はトヨタとＥＶ大手の比亜迪（ＢＹＤ）の合弁、比亜迪豊田電動車科技などが開発を進め、中国第一汽車集団との合弁である一汽豊田汽車（一汽トヨタ）が生産・販売する。

スポーツタイプ多目的車（ＳＵＶ）「ｂＺフレックススペースコンセプト」は広州汽車集団との合弁の広汽豊田汽車（広汽トヨタ）との共同開発で、広汽トヨタが生産・販売する。

発表会に登壇したトヨタの中嶋裕樹副社長は「中国専用のＥＶの開発を中国現地で強化、推進していく」と述べた。ＥＶ開発と同時に、スマート化技術の中国での開発も進める方針を示した。

トヨタは22年に発売したｂＺシリーズ第１弾のＳＵＶ「ｂＺ４Ｘ」に続き、第２弾のセダン「ｂＺ３」の販売を始めた。2025年までにｂＺシリーズ７車種を含むＥＶ15車種をそろえる計画だ。

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■ホンダ、27年以降全て電動車に

ホンダはホンダブランドのＥＶ「ｅ：Ｎ（イーエヌ）」シリーズの第２弾「ｅ：ＮＰ２」「ｅ：ＮＳ２」と第３弾「ｅ：Ｎ ＳＵＶ 序」のそれぞれの試作車を世界初公開した。ホンダの青山真二副社長は、中国で27年以降に投入するモデルは全てＥＶやハイブリッド車（ＨＶ）などの電動車に切り替え、ガソリン車の投入は行わないと表明した。

ｅ：ＮＰ２、ｅ：ＮＳ２の量産モデルは24年初頭に中国の合弁２社から発売する。序は24年内をめどに発売する予定。ｅ：Ｎシリーズ第４弾「ｅ：Ｎ ＧＴ コンセプト」をベースとしたモデルを25年以降に発売する方針も示した。

ホンダは40年にグローバルで販売する新車の全てをＥＶと燃料電池車（ＦＣＶ）にする方針を掲げている。青山氏は、中国ではグローバルより５年前倒しし、35年までに全てＥＶにすると表明した。ホンダブランドのＥＶは27年までに10車種を投入する計画だ。

[caption id="attachment_12931" align="aligncenter" width="620"]ＥＶ「ｅ：Ｎ ＳＵＶ 序」のコンセプトモデルを発表したホンダの青山真二副社長（左から４人目）＝18日、上海市[/caption]

■日産はＥＶコンセプトカーを初公開

日産は、ＳＵＶタイプのＥＶコンセプトカー「Ａｒｉｚｏｎ（アリゾン）」を世界初公開した。上海市に持つデザインセンターが中国市場向けに開発した。アリゾンには「エポロ」と名付けた車載システムを搭載。時間や天気、地図といった情報を、人間のように対話しながら乗員に提供する。

日産独自のＨＶ技術「ｅ—ＰＯＷＥＲ（ｅパワー）」を搭載したＳＵＶ「エクストレイル（奇駿）」を中国で発売することも発表した。同日から予約販売を開始した。

日本で公開済みのＥＶコンセプトカー「Ｍａｘ—Ｏｕｔ（マックスアウト）」も中国で初めて披露した。

日産が現在中国で展開する電動モデルはＥＶ「アリア（艾睿雅）」とｅパワー搭載のセダン「シルフィ（軒逸）」の２車種。

日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者（ＣＯＯ）は「中国は世界で最も先進技術への受容性が高い市場の一つ」と指摘。電動車のほか、ソフトウエアを重視する「ソフトウエア定義車両（ＳＤＶ）」の開発に力を入れる方針を示した。

[caption id="attachment_12933" align="aligncenter" width="620"]日産はＳＵＶタイプのＥＶコンセプトカー「Ａｒｉｚｏｎ」を公開＝18日、上海市[/caption]

■マツダはＳＵＶのＨＶ版を披露

マツダはＳＵＶ「ＣＸ—50」のＨＶ版を世界初公開し、中国市場向けのラインアップを拡充すると発表した。

マツダは重慶長安汽車との合弁、長安マツダ汽車に人材や資源を投入し、中国で25年末までにＥＶとＨＶの電動車を計２車種投入する方針。マツダ執行役員で中国事業を担当する中島徹氏は発表会で、マツダの中核デザイナーを多数派遣するなどして、長安マツダの開発能力の抜本的な向上を図ると説明した。

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■出展モデルの過半が電動車

上海モーターショーは今年が第20回目。18日からメディアや業界関係者向けに公開し、22～27日に一般公開する。

中国の自動車データサービス会社によると、今回出展された144モデルのうち、ＥＶなどの「新エネルギー車（ＮＥＶ）」は76モデルで、ガソリン車を上回ったという。一方、米ＥＶ大手テスラは出展しなかった。

中国の今年１～３月の新車販売台数は前年同期比6.7％減の607万6,000台だった。景気対策として実施されていた車両購入の減税策などが昨年末で終了し、消費者に買い控えムードが広まったことで、販売は伸び悩んでいる。中国自動車業界団体の全国乗用車市場信息聯席会（ＣＰＣＡ）は、上海モーターショーが「市場回復に向けた起爆剤になる」と期待している。（上海・吉野あかね、山川冬子）"
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