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23年新卒平均月給、2.9%増女性は男性の92%、労働部調査

台湾の労働部(労働省)統計処の最新の調査によると、2023年の入社1年目の学卒者(初任人員)の平均月給は3万5,000台湾元(約16万8,000円)で、前年比1,000元(2.9%)増えた。男女別では、男性が3万7,000元、女性が3万4,000元で、女性の平均月給は男性の平均月給の92%だった。業種別では、大卒は医療保健・社会福祉サービス業が、大学院卒は製造業がそれぞれ最高となった。
初任人員は直近2年の一定年齢以下の学卒者で、労工退休金(労働者退職金)、公教人員保険を23年度に初めて納付したフルタイムの雇用者と定義。高校・高職(専門高校に相当)卒と専科(大専、高等専門学校に相当)卒は24歳以下を、大卒・修士課程卒は29歳以下を、博士課程卒は39歳以下をそれぞれ対象としている。
23年の初任人員は前年比1万3,000人(7.7%)減の15万6,000人。うち女性が54.3%、男性が45.7%を占めた。学歴別では大卒が73.4%、大学院卒が16.8%、高校・高職卒が7.0%、専科卒が2.6%、中卒は0.2%。企業の規模別では中小企業が53.1%、大企業・その他が46.9%だった。
初任人員の平均月給を学歴別で見ると、大学院卒が4万9,000元、大卒が3万3,000元、専科卒が3万1,000元、高校・高職卒が2万8,000元、中卒が2万7,000元となった。
男女別では、男性が3万7,000元、女性が3万4,000元。女性の平均月給は男性の平均月給の92%で、22年の89.7%から2.3ポイント拡大した。差は10.3ポイントから8ポイントに縮小。ただ男女の平均月給を学歴別で見ると、大卒以下ではほぼ差が無いのに対し、大学院卒では男性が5万2,000元、女性が4万5,000元と、7,000元の差があった。
労働部は、大学院卒の初任人員のうち、情報通信技術(ICT)や工学・工業学の出身者は男性が61.2%、女性が24.8%となっており、男性は給与の比較的高いハイテク、工学分野に従事する人が比較的多いことが背景にあると分析した。
■院卒・製造業は5.7万元
大卒の初任人員の平均月給を業種別に見ると、医療保健・社会福祉サービス業が3万8,000元で最も高かった。以下、金融・保険業(3万6,000元)、出版映像・情報通信業と教育業(3万4,000元)、製造業と専門科学・技術サービス業(3万2,000元)などが続いた。
一方、大学院卒は製造業が5万7,000元で最高。以下、出版映像・情報通信業が5万6,000元、金融・保険業が4万7,000元、専門科学・技術サービス業が4万5,000元、教育業が4万4,000元で続いた。
22年の初任人員のうち、23年12月時点で在職中だったのは79.3%。23年12月の平均給与は4万元だった。学歴別では大学院卒が5万9,000元、大卒が3万7,000元、専科卒が3万4,000元、高校・高職卒が3万元、中卒が2万8,000元だった。
■23.4%が最低賃金水準
23年の初任給が月給ベースの最低賃金(23年は2万6,400元)と同等だった初任人員は全体の23.4%で、22年から0.7ポイント縮小した。学歴別では、中卒が80.2%、高校・高職卒が58.3%、専科卒が32.9%、大卒が23.9%、大学院卒が4.4%となった。台湾の24年の月給ベースの最低賃金は2万7,470元。
台湾次期総統の頼清徳副総統は労働節の1日、「就任後も引き続き労働者の権益を確保する」とフェイスブックに投稿。労工保険基金(労働者保険基金)の安定運用を行うと強調した。

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23年の初任人員は前年比1万3,000人(7.7%)減の15万6,000人。うち女性が54.3%、男性が45.7%を占めた。学歴別では大卒が73.4%、大学院卒が16.8%、高校・高職卒が7.0%、専科卒が2.6%、中卒は0.2%。企業の規模別では中小企業が53.1%、大企業・その他が46.9%だった。
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■院卒・製造業は5.7万元
大卒の初任人員の平均月給を業種別に見ると、医療保健・社会福祉サービス業が3万8,000元で最も高かった。以下、金融・保険業(3万6,000元)、出版映像・情報通信業と教育業(3万4,000元)、製造業と専門科学・技術サービス業(3万2,000元)などが続いた。
一方、大学院卒は製造業が5万7,000元で最高。以下、出版映像・情報通信業が5万6,000元、金融・保険業が4万7,000元、専門科学・技術サービス業が4万5,000元、教育業が4万4,000元で続いた。
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