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クーデター後に110万人が失業1~6月、条件悪化で生活苦しく

ミャンマー国内の雇用が回復しない状況が続いている。国際労働機関(ILO)は、同国の1~6月の就労者数が、国軍によるクーデター前の2020年通年と比べて110万人減ったと見積もる。国際社会が国軍に厳しい目を向ける中、海外からの大規模な新規投資は望めない。操業を続ける企業も従業員の待遇が悪化する傾向にあるとされ、現地通貨チャット安などを背景にした物価高もあり、困窮する人が増えている。[2375513_1.jpg]
ILOの最新の報告書によると、ミャンマーの1~6月の就労者数は推定1,930万人だった。クーデターが発生した昨年と比べるとやや改善したものの、雇用情勢は依然として悪い。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以前は2,200万人前後で推移しており、2つの危機下で300万人近くが職を失った計算となる。
生産性は20年を直近のピークに低下を続けている。低下率は21年が前年比8%で、22年1~6月は21年通年からさらに2%下がった。ILOは、生産性の高い職種に雇用の機会がないと分析。非正規など待遇が悪く生産性の低い職を選ばざるを得ない労働者が増えていることを示唆していると指摘する。
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■低コスト拠点
現地ではクーデター発生後、対米ドルのチャット安が進行しており、輸入に依存する燃油や医薬品などの価格が上がる一因となっている。一方で最低賃金は18年以降、据え置かれたままで、物価が上昇する中で、家計が圧迫される状態が続いている。ミャンマーの最低賃金は日額4,800チャット(約308円)で、同じ後発開発途上国(LDC)のカンボジアと比べ約3分の1にとどまる。
こうした中で在ミャンマー欧州商工会議所(ユーロチャム)は1月、縫製業に関する報告書を発表。コストを重視する企業にとって、低賃金と現地通貨安が続くミャンマーは発注先として魅力的と説明した。一方、賃金が上がらない中で労働者の権利侵害に対する懸念が高まっており、衣類の発注元が欧州からアジアにシフトする傾向があると指摘した。
欧州連合(EU)などが支援してミャンマーの縫製業界の労働環境改善などに取り組む「SMARTテキスタイル・アンド・ガーメント」によると、ミャンマーで生産される衣類の6割は欧州に輸出されている。
縫製企業の間では、人件費を削減する試みが拡大。手取り給料の減額や残業時間の短縮といった動きがみられるという。日雇い労働者の採用を拡大したり、出来高制を導入したりするところもあるようだ。
ミャンマー縫製業者協会(MGMA)によると、7月時点で操業している加盟企業の工場数は519軒。クーデター直後の混乱で一時減少していたが、中国系がけん引して工場数が再び増加しつつある。
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農業や観光といった業種に従事する労働者も苦境が続いている。就労者数が最も多い農業では、ロシアのウクライナ侵攻に伴うサプライチェーン(供給網)の混乱などに起因する燃油や肥料、飼料をはじめとする資材の輸入価格上昇が農家を直撃。観光業では、政情不安を背景に、収入源である外国人観光客がほぼいない状況となっている。国内の主要各産業が振るわない中、インフレ圧力がさらに高まれば、国民の困窮が深刻化する恐れがある。

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■低コスト拠点
現地ではクーデター発生後、対米ドルのチャット安が進行しており、輸入に依存する燃油や医薬品などの価格が上がる一因となっている。一方で最低賃金は18年以降、据え置かれたままで、物価が上昇する中で、家計が圧迫される状態が続いている。ミャンマーの最低賃金は日額4,800チャット(約308円)で、同じ後発開発途上国(LDC)のカンボジアと比べ約3分の1にとどまる。
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欧州連合(EU)などが支援してミャンマーの縫製業界の労働環境改善などに取り組む「SMARTテキスタイル・アンド・ガーメント」によると、ミャンマーで生産される衣類の6割は欧州に輸出されている。
縫製企業の間では、人件費を削減する試みが拡大。手取り給料の減額や残業時間の短縮といった動きがみられるという。日雇い労働者の採用を拡大したり、出来高制を導入したりするところもあるようだ。
ミャンマー縫製業者協会(MGMA)によると、7月時点で操業している加盟企業の工場数は519軒。クーデター直後の混乱で一時減少していたが、中国系がけん引して工場数が再び増加しつつある。
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