長江デルタで節電広がる、電力逼迫で

中国の長江デルタ地域で節電の動きが広がっている。記録的な猛暑の影響で電力の需給が逼迫（ひっぱく）する中、地方が独自に電力消費量の削減に動き出した。ただ影響は限定的との指摘もある。
上海市は22日から２日間、市中心部を流れる黄浦江沿いの観光地「外灘（バンド）」などがあるエリアのライトアップを停止した。
上海では連日、気温40度を超える記録的な猛暑が続いており、市内の家庭向け電力消費量は７月に前年同月比38％増加。８月第１週は前年同期から40％増加し、過去最高を記録した。
市は今夏の電力需給対策で、24～72時間以内に約600万キロワット時の電力供給が不足する見通しになった場合、景観や屋外広告のライトアップを停止することを定めている。
第一財経日報（電子版）によると、浙江省では猛暑に加え、企業活動の急速な回復に伴う電力需要の拡大を受けて一部で計画停電が行われているようだ。同省義烏市に生産拠点を持つある企業によると、21日から５日間、午前８時から日付が変わる午前０時まで機器の稼働を停止するよう指示されたという。
浙江省にあるアイスクリームメーカーの工場では先週から電力制限が実施され、週２日生産を停止。別の大手食品メーカーの工場幹部は、工場の屋上に設置している太陽光発電パネルを使って自家発電しているため影響は小さいと話した。
浙江省、江蘇省、安徽省は８月、企業に対して最大限電力消費を抑えるよう要請した。外部からの電力調達も増やしている。
ただ、第一財経日報によると、企業の中には「当局の節電措置による影響は大きくない」とする声もあり、昨年９月以降に各地で起きた石炭不足を発端とする電力の供給制限のような状況は起きていないという。
天風証券の宋雪濤・首席マクロ研究員は「今回の電力不足は極端な天候によって引き起こされたもので期間は短い。局地的、一部業種の生産に影響が出るものの、全体としての影響は限定的だ」と説明。秋が深まれば電力供給と工業生産は改善するとみている。
■発電能力を強化へ
四川省でも電力不足を受けて、工場などを中心に電力制限が行われており、企業の生産活動が停滞している。
国家エネルギー局は20日、６月下旬以降の干ばつによる水不足が水力発電に響き、猛暑の影響も加わって一部の省で電力制限が必要になったとして、発電能力と地域をまたぐ送電網の建設を強化すると説明。現在は電力確保に関する向こう数年の計画の策定に乗り出しており、25年末までに全国的な電力需給の均衡を図るとの方針を示した。

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市は今夏の電力需給対策で、24～72時間以内に約600万キロワット時の電力供給が不足する見通しになった場合、景観や屋外広告のライトアップを停止することを定めている。

第一財経日報（電子版）によると、浙江省では猛暑に加え、企業活動の急速な回復に伴う電力需要の拡大を受けて一部で計画停電が行われているようだ。同省義烏市に生産拠点を持つある企業によると、21日から５日間、午前８時から日付が変わる午前０時まで機器の稼働を停止するよう指示されたという。

浙江省にあるアイスクリームメーカーの工場では先週から電力制限が実施され、週２日生産を停止。別の大手食品メーカーの工場幹部は、工場の屋上に設置している太陽光発電パネルを使って自家発電しているため影響は小さいと話した。

浙江省、江蘇省、安徽省は８月、企業に対して最大限電力消費を抑えるよう要請した。外部からの電力調達も増やしている。

ただ、第一財経日報によると、企業の中には「当局の節電措置による影響は大きくない」とする声もあり、昨年９月以降に各地で起きた石炭不足を発端とする電力の供給制限のような状況は起きていないという。

天風証券の宋雪濤・首席マクロ研究員は「今回の電力不足は極端な天候によって引き起こされたもので期間は短い。局地的、一部業種の生産に影響が出るものの、全体としての影響は限定的だ」と説明。秋が深まれば電力供給と工業生産は改善するとみている。

■発電能力を強化へ

四川省でも電力不足を受けて、工場などを中心に電力制限が行われており、企業の生産活動が停滞している。

国家エネルギー局は20日、６月下旬以降の干ばつによる水不足が水力発電に響き、猛暑の影響も加わって一部の省で電力制限が必要になったとして、発電能力と地域をまたぐ送電網の建設を強化すると説明。現在は電力確保に関する向こう数年の計画の策定に乗り出しており、25年末までに全国的な電力需給の均衡を図るとの方針を示した。"
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