NNAグローバルナビ アジア専門情報ブログ

月給3万未満が過去最低更新9年連続下落、賃金引き上げで

台湾の行政院主計総処(統計局)がこのほど発表した2022年版の就業動向調査によると、月給3万台湾元(約13万円)未満の台湾の従業員は5月時点で210万7,000人となり、過去最低を記録した。前回調査(21年10月実施)から35万8,000人(14.5%)減り、マイナスは9年連続。中央通信社によると、政府の最低賃金引き上げが寄与したとみられる。
主計総処は毎年5月(21年は10月)に市民の就業状況を把握するため、「人力運用調査統計」を実施している。
22年5月の調査では、経常性賃金(基本給に諸手当を加算)が3万元に届かない従業員は、10年前の12年5月の352万8,000人から40.3%減った。従業員全体(914万6,000人)に占める割合は23.03%で、少なくとも10年連続で縮小した。21年10月からは3.81ポイント、12年5月からは18.65ポイントそれぞれ縮小した。
主計総処国勢普査処の陳恵欣副処長は月給3万元未満の人が減少した理由について、「給与水準は自然と成長するが、政府の最低賃金引き上げが奏功した上、ここ数年は企業が賃金引き上げを積極化している」と説明した。
一方、3万元以上5万元未満の人は503万人で、増加は3年連続。全体の54.99%と、21年10月と比べて2.72ポイント、12年5月と比べて13.38ポイントそれぞれ拡大した。
5万元以上の人は201万人で、少なくとも10年連続で増加した。全体の21.97%で、21年10月と比べて1.08ポイント、12年5月と比べて5.27ポイントそれぞれ拡大した。
全従業員の平均月給は4万879元で、21年10月から462元(1.1%)増え、少なくとも10年連続で増加。このうち、フルタイム従業員の平均月給は4万1,804元と、21年10月と比べ485元(1.2%)増えた。一方、パートタイム従業員は1万8,546元で、206元(1.1%)減った。
■非正規社員は微増
22年5月の調査によると、非正規労働者(パートタイム労働者、短期労働者、派遣労働者)は79万8,000人で、21年10月から1,000人(0.06%)増えた。
非正規労働に従事する理由のうち、「フルタイム・正社員の仕事が見つからない」は13.2%と、21年10月からは7.3ポイント下がった。
一方、就業人数は1,137万1,000人で、21年10月から7万4,000人(0.65%)減った。15歳以上の人口が減少したほか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた。
陳氏は「企業は景気が悪い時にまず非正規労働者、最後に正規従業員を削減する。景気が良い場合、人材募集を増やし、非正規労働者が増える可能性がある」と述べた。
■失業者は43.4万人
22年5月の調査の失業者は43万4,000人だった。就業を希望する職種別では、「サービスおよび販売人員」が10万7,000人で全体の24.6%を占め最多だった。以下、「生産操作および労働」が8万9,000人(20.5%)、「技能工」が8万8,000人(20.4%)で続いた。
失業者のうち17万5,000人は「過去に就業する機会があった」と回答。就業していない理由は、「待遇が期待にそぐわない」が52.7%で半数を占めた。次いで、「就業場所が理想的ではない」(10.2%)、「就業環境が悪い」(9.8%)などとなった。

object(WP_Post)#9816 (24) {
  ["ID"]=>
  int(10592)
  ["post_author"]=>
  string(1) "3"
  ["post_date"]=>
  string(19) "2022-12-07 00:00:00"
  ["post_date_gmt"]=>
  string(19) "2022-12-06 15:00:00"
  ["post_content"]=>
  string(4232) "台湾の行政院主計総処(統計局)がこのほど発表した2022年版の就業動向調査によると、月給3万台湾元(約13万円)未満の台湾の従業員は5月時点で210万7,000人となり、過去最低を記録した。前回調査(21年10月実施)から35万8,000人(14.5%)減り、マイナスは9年連続。中央通信社によると、政府の最低賃金引き上げが寄与したとみられる。
主計総処は毎年5月(21年は10月)に市民の就業状況を把握するため、「人力運用調査統計」を実施している。
22年5月の調査では、経常性賃金(基本給に諸手当を加算)が3万元に届かない従業員は、10年前の12年5月の352万8,000人から40.3%減った。従業員全体(914万6,000人)に占める割合は23.03%で、少なくとも10年連続で縮小した。21年10月からは3.81ポイント、12年5月からは18.65ポイントそれぞれ縮小した。
主計総処国勢普査処の陳恵欣副処長は月給3万元未満の人が減少した理由について、「給与水準は自然と成長するが、政府の最低賃金引き上げが奏功した上、ここ数年は企業が賃金引き上げを積極化している」と説明した。
一方、3万元以上5万元未満の人は503万人で、増加は3年連続。全体の54.99%と、21年10月と比べて2.72ポイント、12年5月と比べて13.38ポイントそれぞれ拡大した。
5万元以上の人は201万人で、少なくとも10年連続で増加した。全体の21.97%で、21年10月と比べて1.08ポイント、12年5月と比べて5.27ポイントそれぞれ拡大した。
全従業員の平均月給は4万879元で、21年10月から462元(1.1%)増え、少なくとも10年連続で増加。このうち、フルタイム従業員の平均月給は4万1,804元と、21年10月と比べ485元(1.2%)増えた。一方、パートタイム従業員は1万8,546元で、206元(1.1%)減った。
■非正規社員は微増
22年5月の調査によると、非正規労働者(パートタイム労働者、短期労働者、派遣労働者)は79万8,000人で、21年10月から1,000人(0.06%)増えた。
非正規労働に従事する理由のうち、「フルタイム・正社員の仕事が見つからない」は13.2%と、21年10月からは7.3ポイント下がった。
一方、就業人数は1,137万1,000人で、21年10月から7万4,000人(0.65%)減った。15歳以上の人口が減少したほか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた。
陳氏は「企業は景気が悪い時にまず非正規労働者、最後に正規従業員を削減する。景気が良い場合、人材募集を増やし、非正規労働者が増える可能性がある」と述べた。
■失業者は43.4万人
22年5月の調査の失業者は43万4,000人だった。就業を希望する職種別では、「サービスおよび販売人員」が10万7,000人で全体の24.6%を占め最多だった。以下、「生産操作および労働」が8万9,000人(20.5%)、「技能工」が8万8,000人(20.4%)で続いた。
失業者のうち17万5,000人は「過去に就業する機会があった」と回答。就業していない理由は、「待遇が期待にそぐわない」が52.7%で半数を占めた。次いで、「就業場所が理想的ではない」(10.2%)、「就業環境が悪い」(9.8%)などとなった。
" ["post_title"]=> string(81) "月給3万未満が過去最低更新9年連続下落、賃金引き上げで" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e6%9c%88%e7%b5%a6%ef%bc%93%e4%b8%87%e6%9c%aa%e6%ba%80%e3%81%8c%e9%81%8e%e5%8e%bb%e6%9c%80%e4%bd%8e%e6%9b%b4%e6%96%b0%ef%bc%99%e5%b9%b4%e9%80%a3%e7%b6%9a%e4%b8%8b%e8%90%bd%e3%80%81%e8%b3%83%e9%87%91" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2022-12-07 04:00:10" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2022-12-06 19:00:10" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(34) "https://nnaglobalnavi.com/?p=10592" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
 NNA
エヌエヌエー NNA
アジアの経済ニュース・ビジネス情報 - NNA ASIA

アジア経済の詳細やビジネスに直結する新着ニュースを掲載。
現地の最新動向を一目で把握できます。
法律、会計、労務などの特集も多数掲載しています。

【東京本社】
105-7209 東京都港区東新橋1丁目7番1号汐留メディアタワー9階
Tel:81-3-6218-4330
Fax:81-3-6218-4337
E-mail:sales_jp@nna.asia
HP:https://www.nna.jp/

国・地域別
台湾情報
内容別
ビジネス全般人事労務

コメントを書く

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

※がついている欄は必須項目です。

コメント※:

お名前:

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください