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24年州別最賃、首都は3.4%増上昇幅抑制的で西ジャワも3%台

インドネシアの各州政府は21日、2024年の州別最低賃金(UMP)を発表した。首都ジャカルタ特別州は前年から3.38%増の506万7,381ルピア(約4万8,300円)とした。日系企業の進出も多い西ジャワ州が3.57%増の205万7,495ルピア、東ジャワ州は6.13%増の216万5,244ルピアなどだった。いずれも23年の上昇幅を下回った。ただ、実際に来年から企業に適用される最低賃金は、ジャカルタ以外では、30日までに決定される各県・市の最低賃金(UMK)の発表を待つ必要がある。
ジャカルタ特別州など3州以外では、北スマトラ州が3.67%増の280万9,915ルピア、リアウ諸島州が3.76%増の340万2,492ルピア、バリ州が3.69%増の281万3,672ルピアだった。いずれも23年の上昇率を下回った。
21日午後5時時点で、バンテン州、中ジャワ州などの州別最低賃金に関する公式情報は確認できていない。
ジャカルタ特別州のヘル知事代行は、24年の最低賃金の決定について、「労働者の購買力の維持や事業者の経営の持続可能性を考慮したものだ」と述べた。政令で定められている特定の指数について、最大となる0.30を適用したと説明した。
24年の最低賃金の算出は、賃金に関する政令『21年第36号』の改正令『23年第51号』に基づいて行われ、インフレ率、経済成長率、特定の指数の3つの変数を用いて、「インフレ率+(経済成長率×特定の指数)」で算出する。特定の指数に当たるアルファは、0.10~0.30の間で定め、地域の雇用吸収率、賃金の平均・中央値などを考慮し、地方の賃金委員会が定める。
政令『23年第51号』は、各自治体が州別最低賃金を11月21日までに、県・市最低賃金(UMK)を11月30日までに決定するよう定めている。
ジャカルタ特別州は、県・市最低賃金が存在しないため、自動的に州別最低賃金が適用される。
最低賃金は勤続1年未満の従業員に適用される。

労務問題に詳しいパーソルケリー・コンサルティング・インドネシア(PERSOL)の森智和氏はNNAに対し、州別最低賃金について「日系企業の進出が多い西ジャワ州ブカシ県やカラワン県などでは、州別最低賃金より高く設定される県・市最低賃金が適用されるため、まずは11月30日までに決定される県・市最低賃金の動向を待ちたい」とコメントした。ジャカルタ特別州の最低賃金については、「妥当な上昇率となった」と述べたが、ジャカルタでは一部の従業員を除いて、ホワイトカラーの労働者が多いため、最低賃金の設定に関する企業への影響はそれほど大きくないとも指摘した。
政令『23年第51号』で定められた算出式については、労働者や関連団体による反発を受けることは承知の上で、雇用の創出を目指すという国益を重視した妥当な判断だったと評価した。高騰する最低賃金に対応するため、これまでにも、ジョコ・ウィドド大統領は政令の整備を進めており、労働者側に偏り過ぎた判断は、かえって失業者の増加を招くことを考慮し、雇用創出を重視したものだとの見方を述べた。
一方で、森氏は、「インドネシアでは、労働者からの支持を得ようと、公式決定を覆す動きが起こり得ることは否定できず、情報に振り回され過ぎず、最終決定を待つことが重要だ」と述べた。
また、労働組合側は前年比で15%の上昇を求めており、実際に設定される最低賃金と大きな乖離(かいり)があると見込まれることから、「各地でデモが起きることは必至だ」との見方を示した。今後、労働者によるデモがどの程度、世論に影響を与えるかどうかを注視したいと述べた。
■労働組合はストライキも計画
最低賃金の決定に先立ち、インドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル議長(労働党党首)は19日、州最低賃金を前年から15%引き上げるよう改めて要求。15%未満の上昇率の場合、地方政府の決定を認めず、全国的な反対運動を展開する方針を明らかにしていた。
要求が受け入れられない場合、ストライキの実施や、工場や政府庁舎の前でデモを行う計画だ。サイド・イクバル氏は、「反対運動は11月30日~12月13日の間で2日間実施する。企業の事業活動や国内経済を麻痺(まひ)させ、政府を労働者との交渉の席に着かせるためだ」と述べた。

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政令『23年第51号』は、各自治体が州別最低賃金を11月21日までに、県・市最低賃金(UMK)を11月30日までに決定するよう定めている。
ジャカルタ特別州は、県・市最低賃金が存在しないため、自動的に州別最低賃金が適用される。
最低賃金は勤続1年未満の従業員に適用される。

労務問題に詳しいパーソルケリー・コンサルティング・インドネシア(PERSOL)の森智和氏はNNAに対し、州別最低賃金について「日系企業の進出が多い西ジャワ州ブカシ県やカラワン県などでは、州別最低賃金より高く設定される県・市最低賃金が適用されるため、まずは11月30日までに決定される県・市最低賃金の動向を待ちたい」とコメントした。ジャカルタ特別州の最低賃金については、「妥当な上昇率となった」と述べたが、ジャカルタでは一部の従業員を除いて、ホワイトカラーの労働者が多いため、最低賃金の設定に関する企業への影響はそれほど大きくないとも指摘した。
政令『23年第51号』で定められた算出式については、労働者や関連団体による反発を受けることは承知の上で、雇用の創出を目指すという国益を重視した妥当な判断だったと評価した。高騰する最低賃金に対応するため、これまでにも、ジョコ・ウィドド大統領は政令の整備を進めており、労働者側に偏り過ぎた判断は、かえって失業者の増加を招くことを考慮し、雇用創出を重視したものだとの見方を述べた。
一方で、森氏は、「インドネシアでは、労働者からの支持を得ようと、公式決定を覆す動きが起こり得ることは否定できず、情報に振り回され過ぎず、最終決定を待つことが重要だ」と述べた。
また、労働組合側は前年比で15%の上昇を求めており、実際に設定される最低賃金と大きな乖離(かいり)があると見込まれることから、「各地でデモが起きることは必至だ」との見方を示した。今後、労働者によるデモがどの程度、世論に影響を与えるかどうかを注視したいと述べた。
■労働組合はストライキも計画
最低賃金の決定に先立ち、インドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル議長(労働党党首)は19日、州最低賃金を前年から15%引き上げるよう改めて要求。15%未満の上昇率の場合、地方政府の決定を認めず、全国的な反対運動を展開する方針を明らかにしていた。
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