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パナ、廃乾電池から鉄の再利用事業を開始

パナソニック・グループのタイ法人で、アルカリ・マンガン乾電池を生産するパナソニック エナジー(タイランド=PECTH)は22日、廃乾電池のリサイクルを開始したと発表した。今年は乾電池1トンを回収し、200キログラムの鉄のリサイクルを目指す。

PECTHが回収した廃乾電池をUMCメタルズで溶解し、鉄をリサイクルする=22日、タイ・チョンブリ県(NNA撮影)

PECTHは、タイの大手財閥チャロン・ポカパン(CP)グループ傘下でコンビニエンスストア「セブン—イレブン」などを展開するCPオールと地場製鉄会社のUMCメタルズと協業してリサイクル事業を開始。22年からセブン—イレブンの店頭に乾電池の回収ボックスを設置している。22年には首都バンコクの31店舗に設置し、23年はバンコクと北部チェンマイの50店舗に拡大した。PECTHの谷本卓也社長は、「24年にはタイ全土の1,000店舗に回収ボックスを設置し、リサイクル事業を推進していきたい」と意気込みを語った。
回収した乾電池は、鉄・金属のリサイクル事業を行う日高洋行エンタープライズの協力の下、UMCメタルズで溶解し、建材となる鉄鋼ビレット(加工用の金属塊)を生成する。乾電池の材料の約20%を占める鉄のリサイクルに成功した。現在は、リサイクルの第2段階として、亜鉛やマグネシウムの再利用に向けて研究を進めている。
日高洋行エンタープライズの菱山貴彦デピュティー・マネージング・ディレクターはNNAに対し、「乾電池に含まれる亜鉛やマグネシウムを再利用するための抽出方法や、純度を上げる方法が課題となっている」と説明した。現状では、鉄の溶解時に、約900度と金属の中では比較的低い沸点で蒸発する亜鉛を回収する段階まではできているという。今後は、回収した亜鉛の純度を上げ、電池として再利用する研究を進めていく方針だ。
タイでは現在、リサイクルを目的とした廃乾電池の電炉での溶解を許可されているのはUMCメタルズのみ。タイ工業省が昨年12月に承認した。同リサイクル事業は日本の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も支援している。

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