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ポケモン、5年で25億円投資14億人のハートを「ゲットだぜ」

ポケットモンスター(ポケモン)のブランドマネジメントを担うポケモン(東京都港区)が、人口14億人のインド開拓に力を入れている。2023年3月、インドマーケティング室を社内で新設。国民的スポーツであるクリケットのプロチームと提携するなど、人気ポケモン「ピカチュウ」を軸に認知度アップに取り組む。特に23年3月から28年3月の5年間は、年間5億円以上、計25億円以上のマーケティング費を投入。グッズ販売強化など次の一手につなげる。福永晋・執行役員がNNAの単独取材に応じ、明らかにした。【鈴木健太】

ポケモンの福永晋・執行役員(左)と人気ポケモン「ピカチュウ」(ポケモン提供)

ポケモンは24年4月30日、西部ムンバイで記者会見を開き、ポケモンアニメの新シリーズを5月25日から放映すると発表した。日本では23年4月に放映が始まったシリーズで、主人公は少女・リコと少年・ロイ。インドではディズニー系テレビチャンネル「ハンガマ」で、ヒンディー語、テルグ語、タミル語の3言語で放映する。
福永氏によると、これまでもインドで、少年・サトシを主人公とする旧シリーズを放映してきた。今回、新シリーズでこだわったのは現地化の推進。新シリーズ各回の開始時と終了時に流れる2曲は、インド人の感性に合うよう、インド独自のものを作詞・作曲。曲自体は同じだが、3言語で歌う。
アニメに登場するポケモンの名前も一工夫した。テルグ語放映とタミル語放映は「英語のポケモン名」を旧シリーズに続き使うものの、ヒンディー語放映は「ヒンディー語のポケモン名」を使う。

ポケモンは4月30日、インド西部ムンバイで記者会見を開き、ポケモンアニメの新シリーズを放映すると発表した(ポケモン提供)

■インドマーケティング室を新設
ポケモンは14年5月、旧シリーズのアニメ放映をインドで本格開始。放映直後から高い視聴率を記録し、話題を呼んだ。その後も、インドで販売されるシリアルや菓子メーカーと提携し、包装・おまけを通じてキャラクター露出に努めた。認知度アップを一層進めようと、23年3月にはインドマーケティング室を新設。現在、同室の所属社員は9人で、5人がインド出身者だ。
9月にスマートフォンゲーム「ポケモンGO」のヒンディー語対応を開始したほか、インドマーケティング室が力を入れるのは体を使った知名度向上だ。

クリケットスタジアムのポケモンブースで記念撮影をする人々(ポケモン提供)

11~12月、デリー首都圏(NCR)のショッピングモールでイベントを3回開き、ピカチュウの着ぐるみがダンスやパレードを披露した。24年に入ってからは、クリケットのプロチーム、ムンバイ・インディアンスのオフィシャル・パートナーになったと発表。同チームのホーム試合はポケモンブースをスタジアムに設け、来場者がピカチュウの着ぐるみと写真を撮ったり、無料グッズをもらったりしている。
■「開拓大変」だが諦めない
高いブランド力を持つポケモンでも、国ごとの商慣習や文化に合わせるのは大変だ。日本のやり方が通用しないのは織り込み済みだが、インドではやはり苦労している。
「今までと違うことを直前に言われたり、『ここ使っていいよ』と言われて設計したら、ダメになって違う場所に行かされたり。イベント開催の大変さで言うと、感覚値として、台湾とシンガポールは日本の2倍、インドネシアは台湾とシンガポールの3倍、インドはインドネシアの5倍。つまり、インドは日本の30倍。インドで必要なのは許容力」(福永氏)。
福永氏によると、インドマーケティング室が始動した23年3月から5年間は「投資期間」と考えている。期間中、年5億円以上を投じ、これまで同様にイベントを開くほか、「ユーチューブ」動画を制作したり、その動画視聴を促すために広告を出したりして認知度アップを図る。知名度がある程度高まったタイミングで、グッズ販売強化などを検討する。
インド人口は23年半ばに14億2,860万人となり、中国を抜いて世界最多になった。今や世界人口80億4,500万人の18%がインド人だ。ポケモン公式ユーチューブのヒンディー語版、テルグ語版、タミル語版、ベンガル語版のチャンネル登録者数は4,500万人をすでに超えている。ただ、国内人口全体からみると、まだ3%に過ぎない。
福永氏は「世界中の人たちに楽しんでもらうことを目標にしている。インド開拓は難しいが、諦めるという選択肢はない」と話した。

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ポケモンは24年4月30日、西部ムンバイで記者会見を開き、ポケモンアニメの新シリーズを5月25日から放映すると発表した。日本では23年4月に放映が始まったシリーズで、主人公は少女・リコと少年・ロイ。インドではディズニー系テレビチャンネル「ハンガマ」で、ヒンディー語、テルグ語、タミル語の3言語で放映する。
福永氏によると、これまでもインドで、少年・サトシを主人公とする旧シリーズを放映してきた。今回、新シリーズでこだわったのは現地化の推進。新シリーズ各回の開始時と終了時に流れる2曲は、インド人の感性に合うよう、インド独自のものを作詞・作曲。曲自体は同じだが、3言語で歌う。
アニメに登場するポケモンの名前も一工夫した。テルグ語放映とタミル語放映は「英語のポケモン名」を旧シリーズに続き使うものの、ヒンディー語放映は「ヒンディー語のポケモン名」を使う。
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■インドマーケティング室を新設
ポケモンは14年5月、旧シリーズのアニメ放映をインドで本格開始。放映直後から高い視聴率を記録し、話題を呼んだ。その後も、インドで販売されるシリアルや菓子メーカーと提携し、包装・おまけを通じてキャラクター露出に努めた。認知度アップを一層進めようと、23年3月にはインドマーケティング室を新設。現在、同室の所属社員は9人で、5人がインド出身者だ。
9月にスマートフォンゲーム「ポケモンGO」のヒンディー語対応を開始したほか、インドマーケティング室が力を入れるのは体を使った知名度向上だ。[caption id="attachment_19771" align="aligncenter" width="620"]クリケットスタジアムのポケモンブースで記念撮影をする人々(ポケモン提供)[/caption]
11~12月、デリー首都圏(NCR)のショッピングモールでイベントを3回開き、ピカチュウの着ぐるみがダンスやパレードを披露した。24年に入ってからは、クリケットのプロチーム、ムンバイ・インディアンスのオフィシャル・パートナーになったと発表。同チームのホーム試合はポケモンブースをスタジアムに設け、来場者がピカチュウの着ぐるみと写真を撮ったり、無料グッズをもらったりしている。
■「開拓大変」だが諦めない
高いブランド力を持つポケモンでも、国ごとの商慣習や文化に合わせるのは大変だ。日本のやり方が通用しないのは織り込み済みだが、インドではやはり苦労している。
「今までと違うことを直前に言われたり、『ここ使っていいよ』と言われて設計したら、ダメになって違う場所に行かされたり。イベント開催の大変さで言うと、感覚値として、台湾とシンガポールは日本の2倍、インドネシアは台湾とシンガポールの3倍、インドはインドネシアの5倍。つまり、インドは日本の30倍。インドで必要なのは許容力」(福永氏)。
福永氏によると、インドマーケティング室が始動した23年3月から5年間は「投資期間」と考えている。期間中、年5億円以上を投じ、これまで同様にイベントを開くほか、「ユーチューブ」動画を制作したり、その動画視聴を促すために広告を出したりして認知度アップを図る。知名度がある程度高まったタイミングで、グッズ販売強化などを検討する。
インド人口は23年半ばに14億2,860万人となり、中国を抜いて世界最多になった。今や世界人口80億4,500万人の18%がインド人だ。ポケモン公式ユーチューブのヒンディー語版、テルグ語版、タミル語版、ベンガル語版のチャンネル登録者数は4,500万人をすでに超えている。ただ、国内人口全体からみると、まだ3%に過ぎない。
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