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【日本の税務】扶養する妻が海外で出産したときの出産一時金

第309回

谷さん:みらい先生、こんにちは。このたび海外赴任している社員から、奥さまが赴任先である海外の医療機関で無事に出産したとの報告を受けました。この場合、出産に関して健康保険制度から給付を受けることはできますか。

みらい:無事な出産、おめでとうございます。海外で出産したときは、出産した人が日本の健康保険制度に加入していれば、「出産育児一時金」の給付を受けることができます。奥さまは海外赴任している社員の健康保険の被扶養者になっていますか。

谷:はい、社員と奥さまは弊社が加入している協会けんぽの被保険者と被扶養配偶者です。

みらい:わかりました。それでは加入している協会けんぽから「出産育児一時金」の給付を受けることができます。

谷さん:そうですか、安心しました。実際に受けることができる給付額と申請手続きに必要な書類を教えていただけますか。

みらい:海外での出産となりますので、産科医療補償制度の対象外となり、給付額は1児につき48万8,000円になります。

谷さん:ところで、産科医療補償制度というのはどのような制度ですか。

みらい:産科医療補償制度は、「出産時に予知できない事態が発生した結果、重度の障害を負ってしまった新生児やその家族に対して一定の補償を与える」という、日本の医療機関が加入する制度のことです。そのため、海外の医療機関で出産したときはこの制度の対象にはなりません。なお、産科医療補償制度に加入している日本の医療機関で出産したときの給付額は1児につき、原則50万円となります。

谷さん:なるほど、給付額についてはわかりました。申請手続きはどのような書類が必要になりますか。

みらい:海外で出産したときは医療機関にいったん全額をご自身で支払い、協会けんぽに「出産育児一時金」の給付を申請することになります。添付書類は「出産した海外の医療機関が発行する出生の証明書」とその日本語翻訳文(翻訳文には、翻訳者が署名し住所および電話番号を明記)、パスポートや査証(ビザ)のコピーなど「出産した日に海外に渡航していた事実が確認できる書類」、「出産を担当した医療機関に協会けんぽが事実照会することに関する同意書」が必要になります。「出産した海外の医療機関が発行する出生の証明書」が発行されないときは、日本に出生届を提出したあとに戸籍謄本や出生届受理証明書に替えることができます。「事実照会することに関する同意書」や「出生証明書が発行されないときの理由書」は協会けんぽのホームページに書面の様式があります。

谷さん:ありがとうございました。日本国内で出産したときとは添付する書類が異なるのですね。協会けんぽのホームページも確認してみます。ほかにも注意する点はありますか。

みらい:「出産育児一時金」を受ける権利は出産日の翌日から起算して2年を経過する日までとなります。帰国してから手続きしようと考えると権利を失効してしまうかもしれないので、早めに手続きをしてください。また、協会けんぽから海外への送金はできないため、本人名義の日本の銀行口座への振り込みとなります。

谷さん:ありがとうございました。さっそく現地の社員に伝え、申請に必要な書類を準備してもらいます。

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みらい:無事な出産、おめでとうございます。海外で出産したときは、出産した人が日本の健康保険制度に加入していれば、「出産育児一時金」の給付を受けることができます。奥さまは海外赴任している社員の健康保険の被扶養者になっていますか。

谷:はい、社員と奥さまは弊社が加入している協会けんぽの被保険者と被扶養配偶者です。

みらい:わかりました。それでは加入している協会けんぽから「出産育児一時金」の給付を受けることができます。

谷さん:そうですか、安心しました。実際に受けることができる給付額と申請手続きに必要な書類を教えていただけますか。

みらい:海外での出産となりますので、産科医療補償制度の対象外となり、給付額は1児につき48万8,000円になります。

谷さん:ところで、産科医療補償制度というのはどのような制度ですか。

みらい:産科医療補償制度は、「出産時に予知できない事態が発生した結果、重度の障害を負ってしまった新生児やその家族に対して一定の補償を与える」という、日本の医療機関が加入する制度のことです。そのため、海外の医療機関で出産したときはこの制度の対象にはなりません。なお、産科医療補償制度に加入している日本の医療機関で出産したときの給付額は1児につき、原則50万円となります。

谷さん:なるほど、給付額についてはわかりました。申請手続きはどのような書類が必要になりますか。

みらい:海外で出産したときは医療機関にいったん全額をご自身で支払い、協会けんぽに「出産育児一時金」の給付を申請することになります。添付書類は「出産した海外の医療機関が発行する出生の証明書」とその日本語翻訳文(翻訳文には、翻訳者が署名し住所および電話番号を明記)、パスポートや査証(ビザ)のコピーなど「出産した日に海外に渡航していた事実が確認できる書類」、「出産を担当した医療機関に協会けんぽが事実照会することに関する同意書」が必要になります。「出産した海外の医療機関が発行する出生の証明書」が発行されないときは、日本に出生届を提出したあとに戸籍謄本や出生届受理証明書に替えることができます。「事実照会することに関する同意書」や「出生証明書が発行されないときの理由書」は協会けんぽのホームページに書面の様式があります。

谷さん:ありがとうございました。日本国内で出産したときとは添付する書類が異なるのですね。協会けんぽのホームページも確認してみます。ほかにも注意する点はありますか。

みらい:「出産育児一時金」を受ける権利は出産日の翌日から起算して2年を経過する日までとなります。帰国してから手続きしようと考えると権利を失効してしまうかもしれないので、早めに手続きをしてください。また、協会けんぽから海外への送金はできないため、本人名義の日本の銀行口座への振り込みとなります。

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みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング)は、グループに監査法人、税理士法人、社会保険労務士法人、各種事業会社を持つ総勢約300名の総合コンサルティングファーム。国内には東京本社のほか10都市に支社を展開。海外には中国(北京・上海・深セン)、シンガポール、タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン・ハノイ)、マレーシア(クアラルンプール)に子会社を設立、現地にて日系企業の海外展開におけるビジネスコンサルティングを提供している。

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