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【台湾新創】日本でSNS、観光促進も狄カ科技、世界レベルの企業へ

台湾最大規模の若者向け交流サイト(SNS)プラットフォーム「Dcard」を運営する狄カ科技(カ=上の下に卜)。近年は日本事業を展開し、日本の大学生向けにSNSプラットフォーム「Dtto(ディット)」を提供しているほか、SNSを活用し、台湾人の旅行先として人気の高い北海道の自治体の観光促進にも乗り出した。狄カ科技の創業者兼執行長の林裕欽氏は、日本での事業展開を足掛かりとし「世界レベルのネットワーク企業になること」を目指すと意気込んでいる。【彦田恵里、張成慧】
Dttoの運営は2021年にスタート。利用者は大学名とニックネームを登録し、グルメや恋愛、学生生活などの話題で交流する。利用者の友達づくりを支援する機能「一日一会」も搭載。これまでにアプリのダウンロード数は10万回を超えた。
林氏は日本でサービスを開始した理由として、日本では世界各国・地域のSNSが利用されている点を挙げ、狄カ科技にもサービスを展開する余地があると考えたと説明。現在はユーザー数を増やすことに重点を置いており、25年には収益化に向けた初期計画を立てる見通しだ。日本が世界有数の経済規模を誇ることから、日本での成功は世界各国・地域での事業展開に役立つとみている。

Dttoでは、利用者がグルメや恋愛、学生生活などの話題で交流することができる(狄カ科技提供)

林氏は日本進出には個人的な要因もあると打ち明け、「日本が好きだ」と話した。SNSの提供で重要なのは「文化をよく理解することだ」と指摘し、「日本と台湾の文化は似ており、日本と台湾にはつながりが多い。日本で(会社を)発展させることは素晴らしいことだと思った」と説明した。
■自身の体験を機能に反映
狄カ科技が台湾で運営するDcardは11年にサービスを始めた。ファッションやLGBTQ、アイドルなどさまざまなテーマの掲示板が存在し、会員数は18~35歳前後の若者を中心に1,000万人を超えた。狄カ科技によると、Dcardは話題のジャンル数や利用人数において台湾最大規模の若者向けSNSだ。
Dcardのサービスが始まった当時、大学2年生だった林氏。Dttoの一日一会同様、利用者の友達づくりを支援するDcardの機能「抽カ」が生まれた原点は、林氏の学生時代の体験がある。「大学で新しい友人をつくったり、他大学の学生と知り合ったりすることが難しかった」と振り返った。抽カの機能を打ち出すと台湾の有力大学の学生らの間で人気が広がっていったという。
林氏は、掲示板で交流するというモデルは電子掲示板(BBS)と似ていると話す。ただ、伝統的なBBSに比べて人工知能(AI)アルゴリズムを活用した推奨システムを備えている点などで優位性があると強調。またDcardは、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」が登場した後に打ち出されたサービスだとして「多くの設計はユーザーがスマホで使用する上でのニーズを考慮している」と説明した。
現在、狄カ科技のSNSサービスは台湾や日本のほか、香港やマカオ、マレーシアにも進出済み。まずはアジアを開拓し、その後そのほかの世界各地に広げる方針だ。
■富良野市の観光促進で提携
狄カ科技は、日本でのSNSサービスの提供のほか、観光促進も進めている。Dttoは昨年7月、Dcardと共に北海道富良野市と観光促進に向けた協力意向書に署名したことを発表した。富良野市側は、DttoとDcardで公式アカウントを設立し、日本と台湾の若者に対しグルメやイベントなどの情報を配信。狄カ科技は、富良野市側に効果的なマーケティングアドバイスやSNS運用についてサポートする。富良野市の投稿はDcard上で600万回以上閲覧されているという。
林氏は、台湾人に向けて日本の自治体を紹介することは、台湾や日本における同社のイメージ向上につながると考える。富良野市以外の自治体との提携についても「努力中だ」と述べた。
林氏は、狄カ科技の今後の目標を「世界レベルのネットワーク企業になること」とした。サービスの提供を世界に拡大し、より多くの人々がプラットフォームで経験を共有できるようにしたいと意気込みを示した。

狄カ科技の林裕欽執行長(左)は、北海道富良野市と観光促進に向けた協力意向書に署名した(同社提供)
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Dttoの運営は2021年にスタート。利用者は大学名とニックネームを登録し、グルメや恋愛、学生生活などの話題で交流する。利用者の友達づくりを支援する機能「一日一会」も搭載。これまでにアプリのダウンロード数は10万回を超えた。
林氏は日本でサービスを開始した理由として、日本では世界各国・地域のSNSが利用されている点を挙げ、狄カ科技にもサービスを展開する余地があると考えたと説明。現在はユーザー数を増やすことに重点を置いており、25年には収益化に向けた初期計画を立てる見通しだ。日本が世界有数の経済規模を誇ることから、日本での成功は世界各国・地域での事業展開に役立つとみている。
[caption id="attachment_21361" align="aligncenter" width="620"]Dttoでは、利用者がグルメや恋愛、学生生活などの話題で交流することができる(狄カ科技提供) [/caption]
林氏は日本進出には個人的な要因もあると打ち明け、「日本が好きだ」と話した。SNSの提供で重要なのは「文化をよく理解することだ」と指摘し、「日本と台湾の文化は似ており、日本と台湾にはつながりが多い。日本で(会社を)発展させることは素晴らしいことだと思った」と説明した。
■自身の体験を機能に反映
狄カ科技が台湾で運営するDcardは11年にサービスを始めた。ファッションやLGBTQ、アイドルなどさまざまなテーマの掲示板が存在し、会員数は18~35歳前後の若者を中心に1,000万人を超えた。狄カ科技によると、Dcardは話題のジャンル数や利用人数において台湾最大規模の若者向けSNSだ。
Dcardのサービスが始まった当時、大学2年生だった林氏。Dttoの一日一会同様、利用者の友達づくりを支援するDcardの機能「抽カ」が生まれた原点は、林氏の学生時代の体験がある。「大学で新しい友人をつくったり、他大学の学生と知り合ったりすることが難しかった」と振り返った。抽カの機能を打ち出すと台湾の有力大学の学生らの間で人気が広がっていったという。
林氏は、掲示板で交流するというモデルは電子掲示板(BBS)と似ていると話す。ただ、伝統的なBBSに比べて人工知能(AI)アルゴリズムを活用した推奨システムを備えている点などで優位性があると強調。またDcardは、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」が登場した後に打ち出されたサービスだとして「多くの設計はユーザーがスマホで使用する上でのニーズを考慮している」と説明した。
現在、狄カ科技のSNSサービスは台湾や日本のほか、香港やマカオ、マレーシアにも進出済み。まずはアジアを開拓し、その後そのほかの世界各地に広げる方針だ。
■富良野市の観光促進で提携
狄カ科技は、日本でのSNSサービスの提供のほか、観光促進も進めている。Dttoは昨年7月、Dcardと共に北海道富良野市と観光促進に向けた協力意向書に署名したことを発表した。富良野市側は、DttoとDcardで公式アカウントを設立し、日本と台湾の若者に対しグルメやイベントなどの情報を配信。狄カ科技は、富良野市側に効果的なマーケティングアドバイスやSNS運用についてサポートする。富良野市の投稿はDcard上で600万回以上閲覧されているという。
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