第313回
中山さん:こんにちは、みらい先生。実は、今年の10月からベトナムの子会社に出向することになりました。最低3年間なのですが、私には不動産所得があり、税金の観点で何か気をつけることはありますか?
みらい:わかりました。まず海外勤務期間が1年以上の予定で出国すると、所得税法上の「非居住者」に該当します。
中山さん:「非居住者」になると、具体的にどのような影響があるのでしょうか?
みらい:非居住者であっても日本国内で発生する所得については日本の所得税がかかります。中山さんは海外にいても、日本で不動産所得が発生する場合は、今後も引き続き日本で確定申告を行う必要があります。あと、出国の日までに「納税管理人の届出書」を税務署に提出していただくことになります。
中山さん:確定申告はわかりますが、「納税管理人の届出書」というのはどのようなものですか?
みらい:日本で確定申告をする義務のある方の代理で、納税の手続きや書類の授受、申告書の提出を行う人を定める届出書です。
中山さん:国外に出て確定申告ができなくなると困りますから、そのような制度があるのですね。わかりました。ちなみに、納税管理人の届出書は、どこで入手することができるのですか?
みらい:国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。インターネットで「納税管理人の届出」と検索すればすぐに見つけられるでしょう。また、固定資産税についても別途、納税管理人の届け出が必要になるので、不動産が所在する市区町村にご相談してください。
中山さん:わかりました。ちなみに、納税管理人には誰がなれるのでしょうか。
みらい:納税管理人は日本に住所および居所を有する者であれば個人でも法人でもなれますので、税理士や比較的連絡の取りやすいお勤め先の会社などがよろしいと思います。また、納税管理人の役割は納税申告書の提出や税務署から送付される書類の受け取りなどで、あくまで納税者の代理人ですので、申告書作成や納税義務自体は中山さん本人にあります。
中山さん:わかりました。ちなみに、出国までに納税管理人を定めないとどうなりますか?
みらい:10月1日に出国する場合、届け出をしていないと出国前に「1月1日~10月1日までの期間に生じる全ての所得(A)」について準確定申告が必要になり、さらに翌年3月15日までに(A)と「11月2日~12月31日までの期間に日本国内で生じる所得(B)」の合計についてもう一度確定申告をする必要があります(準確定申告で納税した税額は控除されます)。納税管理人の届け出をすれば、翌年3月15日までに(A)と(B)を合わせたところで一度の確定申告で済みますので負担が減りますし、余裕をもって申告をすることができます。また、税務当局が納税管理人を決めるよう、書面で期日を指定して求めたり、候補者を指定して納税管理人となることを求めたり、それでも決まらなければ、税務当局が指定することができるようになりました。
中山さん:最終的には税務当局が指名することができるんですね。納税管理人となることを求めたり、指定できたりする人はどのような人でしょうか?
みらい:日本に住所および居所を有するご家族や、所有する不動産の管理会社が候補として挙げられます。
中山さん:そうであれば出国前に届出書を出しておくのがスムーズですね。ありがとうございました。
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中山さん:こんにちは、みらい先生。実は、今年の10月からベトナムの子会社に出向することになりました。最低3年間なのですが、私には不動産所得があり、税金の観点で何か気をつけることはありますか?
みらい:わかりました。まず海外勤務期間が1年以上の予定で出国すると、所得税法上の「非居住者」に該当します。
中山さん:「非居住者」になると、具体的にどのような影響があるのでしょうか?
みらい:非居住者であっても日本国内で発生する所得については日本の所得税がかかります。中山さんは海外にいても、日本で不動産所得が発生する場合は、今後も引き続き日本で確定申告を行う必要があります。あと、出国の日までに「納税管理人の届出書」を税務署に提出していただくことになります。
中山さん:確定申告はわかりますが、「納税管理人の届出書」というのはどのようなものですか?
みらい:日本で確定申告をする義務のある方の代理で、納税の手続きや書類の授受、申告書の提出を行う人を定める届出書です。
中山さん:国外に出て確定申告ができなくなると困りますから、そのような制度があるのですね。わかりました。ちなみに、納税管理人の届出書は、どこで入手することができるのですか?
みらい:国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。インターネットで「納税管理人の届出」と検索すればすぐに見つけられるでしょう。また、固定資産税についても別途、納税管理人の届け出が必要になるので、不動産が所在する市区町村にご相談してください。
中山さん:わかりました。ちなみに、納税管理人には誰がなれるのでしょうか。
みらい:納税管理人は日本に住所および居所を有する者であれば個人でも法人でもなれますので、税理士や比較的連絡の取りやすいお勤め先の会社などがよろしいと思います。また、納税管理人の役割は納税申告書の提出や税務署から送付される書類の受け取りなどで、あくまで納税者の代理人ですので、申告書作成や納税義務自体は中山さん本人にあります。
中山さん:わかりました。ちなみに、出国までに納税管理人を定めないとどうなりますか?
みらい:10月1日に出国する場合、届け出をしていないと出国前に「1月1日~10月1日までの期間に生じる全ての所得(A)」について準確定申告が必要になり、さらに翌年3月15日までに(A)と「11月2日~12月31日までの期間に日本国内で生じる所得(B)」の合計についてもう一度確定申告をする必要があります(準確定申告で納税した税額は控除されます)。納税管理人の届け出をすれば、翌年3月15日までに(A)と(B)を合わせたところで一度の確定申告で済みますので負担が減りますし、余裕をもって申告をすることができます。また、税務当局が納税管理人を決めるよう、書面で期日を指定して求めたり、候補者を指定して納税管理人となることを求めたり、それでも決まらなければ、税務当局が指定することができるようになりました。
中山さん:最終的には税務当局が指名することができるんですね。納税管理人となることを求めたり、指定できたりする人はどのような人でしょうか?
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