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【海外・教育事情】プロの眼 本物の英語力が伸ばせる インター校で学ぶメリット

※特集「プロの眼」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2018年11月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。

グローバル教育のプロ 森山正明(第4回)

今回は、インターナショナル・スクール(インター校)で学ぶメリット&デメリットについて紹介します。インター校といえば、やはり最大のメリットは「本物の英語力が伸ばせる」という点です。日本では大学入試改革における英語教育重視(グローバル化)の流れに沿うかたちで、英語での入試や、英語での授業を導入している学校や学部が増えています。有名どころの私立大学では慶応義塾大学や早稲田大学、上智大学、青山学院大学、ICU(国際基督大学)、APU(立命館アジア太平洋大学)など、国公立では九州大学、一橋大学、AIU(国際教養大学)などで、英語の授業を導入する大学は今後いっそう増えるでしょう。

また前号で触れたとおり、知識偏重ではなく、「思考力・判断力・表現力」が問われる時代を想定し、英語に「小論文&プレゼンテーション」を加えたセット入試が最近のトレンドとなっています。

■小4で英検2級合格も

インター校に通っている日本人の子供たちの中では、小学4年生ですでに英検2級まで合格している例があります。やはり香港やシンガポールで働く親御さんが英語の重要性を認識しているからこそ、お子さんも勉強熱心になるのでしょう。

現地で得られる進学情報も豊富です。グローバル教育に乗り出している日本の私立の中学・高校がわざわざ香港など現地を訪問して学校説明会を開いているほか、日系の学習塾もさまざまな進学先の指針を教えていたりします。そこでは日本での帰国生入試だけではなく、米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパへの大学進学はもとより、ここ数年レベルが急上昇のシンガポール国立大学や香港大学などへの進学情報も入手できます。

やはり英語力向上を目指すのであれば、インター校はとても効果的だと思います。英語の資格として日本人に一番身近な英検ですが、海外への進学、または日本で英語を使った大学やその学部を検討するのでしたら、「TOEFL iBT 」や「IELTS」「TOEIC」といった世界的に通用する英語資格を取得するにも有利な環境になります。

■英語プラスアルファ

もちろん、英語そのものの学力は必要なのですが、それより重視されているのは、物事の本質を追究する力です。インター校はその点で非常に優れたカリキュラムを取り入れています。プロジェクト型の授業が多く、生徒がパワーポイントやキーノートを使って、他の生徒との協業作業を行い、発表形式の授業などが多く取り入れられています。

著者自身、日本人学校と補習校で教鞭をとっていますと、日本人学校と補習校に通っている生徒の違いによく遭遇します。日本人学校の生徒は、真摯に話を聞く態度が実に良くできていますが、積極的に発表をしていく姿勢に欠けているケースが多いです。補習校に通う生徒は、普段インター校やローカル校に通う生徒が中心で、自ら進んで手を挙げ、グループでの話し合いにも積極的に参加し、授業内容を深掘りできるケースが多いです。

どちらがこれからの時代に適合しているかは明白です。自らの意見をどんどん発信していくことができ、学校は生徒同士が意見をどんどん出し合える場所であるべきだと感じています。

<プロフィール>

森山正明(もりやま・まさあき)

香港日本人補習授業校教員。香港日本人学校大埔校非常勤講師。エデュケーショナル・アクティビスト(教育活動家)として、定期的に香港、広東省、シンガポールで「おとなの社会科見学」を主宰。アジア・グローバル時代の子育て・教育に役立つ情報サイト『みんなのグローバル受験』編集長。北京・香港・シンガポールで教育事業に20年従事。二児の父。香港在住。

 

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グローバル教育のプロ 森山正明(第4回)

今回は、インターナショナル・スクール(インター校)で学ぶメリット&デメリットについて紹介します。インター校といえば、やはり最大のメリットは「本物の英語力が伸ばせる」という点です。日本では大学入試改革における英語教育重視(グローバル化)の流れに沿うかたちで、英語での入試や、英語での授業を導入している学校や学部が増えています。有名どころの私立大学では慶応義塾大学や早稲田大学、上智大学、青山学院大学、ICU(国際基督大学)、APU(立命館アジア太平洋大学)など、国公立では九州大学、一橋大学、AIU(国際教養大学)などで、英語の授業を導入する大学は今後いっそう増えるでしょう。 また前号で触れたとおり、知識偏重ではなく、「思考力・判断力・表現力」が問われる時代を想定し、英語に「小論文&プレゼンテーション」を加えたセット入試が最近のトレンドとなっています。

■小4で英検2級合格も

インター校に通っている日本人の子供たちの中では、小学4年生ですでに英検2級まで合格している例があります。やはり香港やシンガポールで働く親御さんが英語の重要性を認識しているからこそ、お子さんも勉強熱心になるのでしょう。 現地で得られる進学情報も豊富です。グローバル教育に乗り出している日本の私立の中学・高校がわざわざ香港など現地を訪問して学校説明会を開いているほか、日系の学習塾もさまざまな進学先の指針を教えていたりします。そこでは日本での帰国生入試だけではなく、米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパへの大学進学はもとより、ここ数年レベルが急上昇のシンガポール国立大学や香港大学などへの進学情報も入手できます。 やはり英語力向上を目指すのであれば、インター校はとても効果的だと思います。英語の資格として日本人に一番身近な英検ですが、海外への進学、または日本で英語を使った大学やその学部を検討するのでしたら、「TOEFL iBT 」や「IELTS」「TOEIC」といった世界的に通用する英語資格を取得するにも有利な環境になります。

■英語プラスアルファ

もちろん、英語そのものの学力は必要なのですが、それより重視されているのは、物事の本質を追究する力です。インター校はその点で非常に優れたカリキュラムを取り入れています。プロジェクト型の授業が多く、生徒がパワーポイントやキーノートを使って、他の生徒との協業作業を行い、発表形式の授業などが多く取り入れられています。 著者自身、日本人学校と補習校で教鞭をとっていますと、日本人学校と補習校に通っている生徒の違いによく遭遇します。日本人学校の生徒は、真摯に話を聞く態度が実に良くできていますが、積極的に発表をしていく姿勢に欠けているケースが多いです。補習校に通う生徒は、普段インター校やローカル校に通う生徒が中心で、自ら進んで手を挙げ、グループでの話し合いにも積極的に参加し、授業内容を深掘りできるケースが多いです。 どちらがこれからの時代に適合しているかは明白です。自らの意見をどんどん発信していくことができ、学校は生徒同士が意見をどんどん出し合える場所であるべきだと感じています。
<プロフィール> 森山正明(もりやま・まさあき) 香港日本人補習授業校教員。香港日本人学校大埔校非常勤講師。エデュケーショナル・アクティビスト(教育活動家)として、定期的に香港、広東省、シンガポールで「おとなの社会科見学」を主宰。アジア・グローバル時代の子育て・教育に役立つ情報サイト『みんなのグローバル受験』編集長。北京・香港・シンガポールで教育事業に20年従事。二児の父。香港在住。
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