NNAグローバルナビ アジア専門情報ブログ

代替食品市場への参入相次ぐ新世界は米国法人、世界需要狙う

韓国で植物由来の代替食品市場への参入が相次いでいる。新世界グループは米国に代替肉を手がける子会社を設立。韓国食品最大手のCJ第一製糖は、菜食の「ビーガン」向け韓国風ギョーザといった代替食品の売上高を3年で20倍に拡大させる目標を立てた。イスラム教の食品認証「ハラル」(イスラム教の戒律で許されたもの)やビーガンなどで急成長する市場を取り込み、新たな成長源にしたい考え。[2369241_1.jpg]
新世界グループで加工食品事業を担う新世界フードは、代替肉で巨大市場と呼ばれる米国に100%子会社「ベターフーズ」を立ち上げる。出資額は600万米ドル(約8億円)で、今月中にも設立する予定だ。2023年上半期には400万米ドルの増資も計画する。
新世界フードは代替肉ブランド「ベターミート」を展開する。米国子会社を通じて、現地生産のインフラを構築し、北米地域を中心に世界市場向けの販売網を強化する。
■CJが大型の新規投資を検討
CJ第一製糖は昨年12月、大豆・エンドウ豆などを配合した代替肉を使ったビーガン向けの韓国式ギョーザを発売した。今年にはハンバーグやトッカルビ(あらびきカルビ焼き)などラインアップを拡充し、日本や米国、オーストラリアなど世界20カ国以上への輸出も始めた。
毎日経済新聞によると、CJ第一製糖は代替食品事業をさらに強化する方針で、数千億ウォン規模の新規投資の検討に入ったもようだ。代替肉のほか、代替牛乳や培養肉製品の開発にも注力しており、代替食品事業の売上高を現在の100億ウォン(約10億4,000万円)から25年までに2,000億ウォン規模まで拡大する計画だ。
■農心はビーガンレストラン
代替肉を新事業の柱に据える食品大手の農心は、ソウル市にビーガン向けレストランの「フォレストキッチン」をオープン。ディナー10食、ランチ7食を提供し、このうち3食に代替肉を使用する。5月末のオープンから6月末の約1カ月間で訪問客が1,000人を突破し、同期間の週末予約率も100%に達したという。
農心は、代替食品ブランド「ベジガーデン」も展開。傘下のテギョン農産が独自開発した「高水分代替肉製造技術」と呼ばれる工法で実際の肉に近い味や食感を再現することで、他社製品との差別を目指す。
調査会社のグローバルインフォメーションによると、植物性代替肉の市場規模は27年には123億2,000万米ドル規模に拡大する見通しだ。これは17年(2億3,600万米ドル)に比べると約60倍の規模となる。
韓流ブームの追い風を受けて、世界で「Kフード」への関心が高まっている。イスラム教徒の主戦場であるアジアを中心に、韓国メーカーによるハラルやビーガン食品市場の開拓はさらに活発化しそうだ。

object(WP_Post)#9817 (24) {
  ["ID"]=>
  int(5625)
  ["post_author"]=>
  string(1) "3"
  ["post_date"]=>
  string(19) "2022-08-01 00:00:00"
  ["post_date_gmt"]=>
  string(19) "2022-07-31 15:00:00"
  ["post_content"]=>
  string(3315) "韓国で植物由来の代替食品市場への参入が相次いでいる。新世界グループは米国に代替肉を手がける子会社を設立。韓国食品最大手のCJ第一製糖は、菜食の「ビーガン」向け韓国風ギョーザといった代替食品の売上高を3年で20倍に拡大させる目標を立てた。イスラム教の食品認証「ハラル」(イスラム教の戒律で許されたもの)やビーガンなどで急成長する市場を取り込み、新たな成長源にしたい考え。[2369241_1.jpg]
新世界グループで加工食品事業を担う新世界フードは、代替肉で巨大市場と呼ばれる米国に100%子会社「ベターフーズ」を立ち上げる。出資額は600万米ドル(約8億円)で、今月中にも設立する予定だ。2023年上半期には400万米ドルの増資も計画する。
新世界フードは代替肉ブランド「ベターミート」を展開する。米国子会社を通じて、現地生産のインフラを構築し、北米地域を中心に世界市場向けの販売網を強化する。
■CJが大型の新規投資を検討
CJ第一製糖は昨年12月、大豆・エンドウ豆などを配合した代替肉を使ったビーガン向けの韓国式ギョーザを発売した。今年にはハンバーグやトッカルビ(あらびきカルビ焼き)などラインアップを拡充し、日本や米国、オーストラリアなど世界20カ国以上への輸出も始めた。
毎日経済新聞によると、CJ第一製糖は代替食品事業をさらに強化する方針で、数千億ウォン規模の新規投資の検討に入ったもようだ。代替肉のほか、代替牛乳や培養肉製品の開発にも注力しており、代替食品事業の売上高を現在の100億ウォン(約10億4,000万円)から25年までに2,000億ウォン規模まで拡大する計画だ。
■農心はビーガンレストラン
代替肉を新事業の柱に据える食品大手の農心は、ソウル市にビーガン向けレストランの「フォレストキッチン」をオープン。ディナー10食、ランチ7食を提供し、このうち3食に代替肉を使用する。5月末のオープンから6月末の約1カ月間で訪問客が1,000人を突破し、同期間の週末予約率も100%に達したという。
農心は、代替食品ブランド「ベジガーデン」も展開。傘下のテギョン農産が独自開発した「高水分代替肉製造技術」と呼ばれる工法で実際の肉に近い味や食感を再現することで、他社製品との差別を目指す。
調査会社のグローバルインフォメーションによると、植物性代替肉の市場規模は27年には123億2,000万米ドル規模に拡大する見通しだ。これは17年(2億3,600万米ドル)に比べると約60倍の規模となる。
韓流ブームの追い風を受けて、世界で「Kフード」への関心が高まっている。イスラム教徒の主戦場であるアジアを中心に、韓国メーカーによるハラルやビーガン食品市場の開拓はさらに活発化しそうだ。" ["post_title"]=> string(84) "代替食品市場への参入相次ぐ新世界は米国法人、世界需要狙う" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(4) "open" ["ping_status"]=> string(4) "open" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(198) "%e4%bb%a3%e6%9b%bf%e9%a3%9f%e5%93%81%e5%b8%82%e5%a0%b4%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%8f%82%e5%85%a5%e7%9b%b8%e6%ac%a1%e3%81%90%e6%96%b0%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%af%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%b3%95%e4%ba%ba%e3%80%81" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2022-08-01 04:00:02" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2022-07-31 19:00:02" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(0) ["guid"]=> string(33) "https://nnaglobalnavi.com/?p=5625" ["menu_order"]=> int(0) ["post_type"]=> string(4) "post" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
 NNA
エヌエヌエー NNA
アジアの経済ニュース・ビジネス情報 - NNA ASIA

アジア経済の詳細やビジネスに直結する新着ニュースを掲載。
現地の最新動向を一目で把握できます。
法律、会計、労務などの特集も多数掲載しています。

【東京本社】
105-7209 東京都港区東新橋1丁目7番1号汐留メディアタワー9階
Tel:81-3-6218-4330
Fax:81-3-6218-4337
E-mail:sales_jp@nna.asia
HP:https://www.nna.jp/

国・地域別
韓国情報
内容別
ビジネス全般人事労務

コメントを書く

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

※がついている欄は必須項目です。

コメント※:

お名前:

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください