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雇用増加数が14年ぶり高水準外国人けん引、入国制限緩和で

シンガポールの労働市場が回復している。2022年4~6月期の総雇用数(速報値、外国人メイドを除く)は前四半期から6万4,400人増加し、08年以来、14年ぶりの高い伸びとなった。22年4月に入国制限が大幅に緩和され、外国人労働者の雇用が増加したことが背景にある。6月末時点の失業率は新型コロナウイルス流行前の水準を維持した。人材開発省は、労働市場が引き続き堅調に推移するとみているものの、世界経済のリスク要因による影響も懸念している。[2370922_2.jpg]
人材開発省が7月29日に発表した22年4~6月期の雇用統計によると、総雇用数は08年4~6月期に6万9,600人増を記録して以来の高い増加幅となった。
4月に新型コロナ関連の入国制限が緩和されたことを受け、建設業と製造業で外国人労働者の雇用が大幅に増加したことが全体を押し上げた。シンガポール国民・永住権(PR)保持者の雇用も、主に情報通信や専門サービス、金融サービスの分野で安定した伸びを示した。
総雇用数を業種別に見ると、サービス業(メイドを除く)が2万7,300人増、建設業が2万5,200人増、製造業が1万2,200人増となり、引き続き全ての業種で前四半期を上回った。
人材開発省は、外国人労働者の雇用数について、「コロナ流行前よりもまだ10%低い水準のため、今後も増加する」との見通しを示した。一方、シンガポール国民・永住権保持者の雇用数に関しては、コロナ禍前の水準を4%上回っており、この先は失業率の改善に伴う労働供給の減少を受けて伸び悩む可能性があると分析した。
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■人員整理数も低水準
22年6月末時点の失業率(季節調整済み)は外国人を含む全体で2.1%となり、3月末から0.1ポイント低下した。国民・永住権保持者の失業率は0.1ポイント低下の2.9%。国民のみでは0.1ポイント低下の3.1%だった。失業率は2月末にコロナ禍前の水準に戻り、それ以降は低水準で推移している。
22年4~6月期に人員整理の対象となったのは1,000人で、前四半期の1,320人を下回った。前年同期の2,340人からはほぼ半減している。主に製造業で人員整理数が低下した。人材開発省は、この数四半期で行われたレイオフ(一時解雇)の多くが組織再編や経営再建によるものだと説明した。
今後の失業率については、20年10月をピークに失業率は低下傾向にあるため、労働市場の逼迫(ひっぱく)により、低水準で推移すると予測。ただロシアのウクライナ侵攻や世界的なサプライチェーン(調達・供給網)の分断といった世界経済に及ぼすリスクが国内の雇用に悪影響を与える可能性があるとの懸念も示した。

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■人員整理数も低水準
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