韓国政府は8月31日、日本とマカオ、台湾を対象に8月限定で実施していた「無査証(ノービザ)入国」を10月末まで延長すると発表した。また、9月3日からは入国前の新型コロナウイルスの陰性確認書の提出も廃止する。新型コロナ感染症の感染者数が減少傾向に転じたことや観光業界の強い要望のほか、世界的に陰性証明を廃止する傾向が強まっていることなどを考慮した。
韓国文化体育観光省によると、8月1~21日に日本と台湾から韓国を訪れた1日平均の外国観光客は7月に比べて約97%急増した。観光業界から「9月以降もノービザ入国を認めてほしい」との要望が強まる中、韓国政府はコロナ禍で疲弊した国内観光産業の回復に役立つと判断して10月末までの延長を決めた。
日本など3カ国・地域を対象にしたノービザ入国は、8月10~14日に開催された「ソウルフェスタ2022」を機に実施された。9月と10月にもさまざまな大規模イベントが控えていることも、期間延長の背景にある。9月は30日に韓流イベントの「韓国文化祭り」があり、10月に入れば5~14日に釜山国際映画祭が開催予定だ。10月15日には、人気男性音楽グループ「BTS」の釜山万博招致コンサートも控えている。
文化体育観光省の関係者は「韓流コンテンツをベースとしたイベントなど、海外で韓国観光の広報活動を積極的に展開していく」と話した。
■入国前の陰性証明も廃止
ノービザ入国の延長に加え、入国前の陰性証明義務も廃止される。韓国では現在、入国希望者に対して入国前48時間以内のPCR検査か、24時間以内の迅速抗原検査による陰性確認書の提出を義務付けている。これについても、観光業界などを中心に「韓国観光の足かせになっている」との指摘が相次いでいた。
韓国政府はこのような観光業界からの指摘や最近の国内の感染状況などを総合的に考慮し、9月3日から入国前の陰性確認書の提出義務を廃止することを決めた。韓国では7月から新型コロナ感染症の再流行が本格化し、8月17日には1日の感染者が18万人を突破した。ただ、その後は減少に転じている。
世界的に陰性証明の提出を義務付けない傾向が強まっていることも、韓国政府の判断に影響を与えたもようだ。日本政府がこのほど9月7日から条件付きで入国時の陰性証明の提出義務を撤廃したことで、入国前検査義務が残る国・地域は経済協力開発機構(OECD)加盟国では韓国のみとなっていた。
防疫対策の方向性などを議論する国家感染病危機対応諮問委員会のチョン・ギソク委員長は29日、「(入国前の陰性証明義務を)廃止するのが望ましい」と述べるなど、国内からも廃止の意見が増えていた。
■入国後のPCR検査は継続
その一方で韓国政府は、入国後1日以内に義務付けているPCR検査については当面継続することを決めた。その理由について疾病管理庁は「感染者の早期発見と変異株の監視のため」と説明している。
韓国政府は今後も、感染状況を監視しつつ、段階的に新型コロナ感染症による入国制限を緩和していく方針だ。日本など3カ国・地域向けのノービザ入国の延長と陰性証明の廃止により、9月以降は外国人観光客の訪韓がさらに増えそうだ。
object(WP_Post)#9817 (24) {
["ID"]=>
int(6164)
["post_author"]=>
string(1) "3"
["post_date"]=>
string(19) "2022-09-01 00:00:00"
["post_date_gmt"]=>
string(19) "2022-08-31 15:00:00"
["post_content"]=>
string(4201) "韓国政府は8月31日、日本とマカオ、台湾を対象に8月限定で実施していた「無査証(ノービザ)入国」を10月末まで延長すると発表した。また、9月3日からは入国前の新型コロナウイルスの陰性確認書の提出も廃止する。新型コロナ感染症の感染者数が減少傾向に転じたことや観光業界の強い要望のほか、世界的に陰性証明を廃止する傾向が強まっていることなどを考慮した。
韓国文化体育観光省によると、8月1~21日に日本と台湾から韓国を訪れた1日平均の外国観光客は7月に比べて約97%急増した。観光業界から「9月以降もノービザ入国を認めてほしい」との要望が強まる中、韓国政府はコロナ禍で疲弊した国内観光産業の回復に役立つと判断して10月末までの延長を決めた。
日本など3カ国・地域を対象にしたノービザ入国は、8月10~14日に開催された「ソウルフェスタ2022」を機に実施された。9月と10月にもさまざまな大規模イベントが控えていることも、期間延長の背景にある。9月は30日に韓流イベントの「韓国文化祭り」があり、10月に入れば5~14日に釜山国際映画祭が開催予定だ。10月15日には、人気男性音楽グループ「BTS」の釜山万博招致コンサートも控えている。
文化体育観光省の関係者は「韓流コンテンツをベースとしたイベントなど、海外で韓国観光の広報活動を積極的に展開していく」と話した。
■入国前の陰性証明も廃止
ノービザ入国の延長に加え、入国前の陰性証明義務も廃止される。韓国では現在、入国希望者に対して入国前48時間以内のPCR検査か、24時間以内の迅速抗原検査による陰性確認書の提出を義務付けている。これについても、観光業界などを中心に「韓国観光の足かせになっている」との指摘が相次いでいた。
韓国政府はこのような観光業界からの指摘や最近の国内の感染状況などを総合的に考慮し、9月3日から入国前の陰性確認書の提出義務を廃止することを決めた。韓国では7月から新型コロナ感染症の再流行が本格化し、8月17日には1日の感染者が18万人を突破した。ただ、その後は減少に転じている。
世界的に陰性証明の提出を義務付けない傾向が強まっていることも、韓国政府の判断に影響を与えたもようだ。日本政府がこのほど9月7日から条件付きで入国時の陰性証明の提出義務を撤廃したことで、入国前検査義務が残る国・地域は経済協力開発機構(OECD)加盟国では韓国のみとなっていた。
防疫対策の方向性などを議論する国家感染病危機対応諮問委員会のチョン・ギソク委員長は29日、「(入国前の陰性証明義務を)廃止するのが望ましい」と述べるなど、国内からも廃止の意見が増えていた。
■入国後のPCR検査は継続
その一方で韓国政府は、入国後1日以内に義務付けているPCR検査については当面継続することを決めた。その理由について疾病管理庁は「感染者の早期発見と変異株の監視のため」と説明している。
韓国政府は今後も、感染状況を監視しつつ、段階的に新型コロナ感染症による入国制限を緩和していく方針だ。日本など3カ国・地域向けのノービザ入国の延長と陰性証明の廃止により、9月以降は外国人観光客の訪韓がさらに増えそうだ。"
["post_title"]=>
string(116) "《安全》【リオープニング】日本からのノービザ入国延長10月末まで、観光回復に期待"
["post_excerpt"]=>
string(0) ""
["post_status"]=>
string(7) "publish"
["comment_status"]=>
string(4) "open"
["ping_status"]=>
string(4) "open"
["post_password"]=>
string(0) ""
["post_name"]=>
string(198) "%e3%80%8a%e5%ae%89%e5%85%a8%e3%80%8b%e3%80%90%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%97%e3%83%8b%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%80%91%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%93%e3%82%b6"
["to_ping"]=>
string(0) ""
["pinged"]=>
string(0) ""
["post_modified"]=>
string(19) "2022-10-15 04:14:23"
["post_modified_gmt"]=>
string(19) "2022-10-14 19:14:23"
["post_content_filtered"]=>
string(0) ""
["post_parent"]=>
int(0)
["guid"]=>
string(33) "https://nnaglobalnavi.com/?p=6164"
["menu_order"]=>
int(0)
["post_type"]=>
string(4) "post"
["post_mime_type"]=>
string(0) ""
["comment_count"]=>
string(1) "0"
["filter"]=>
string(3) "raw"
}
- 国・地域別
-
韓国情報
- 内容別
-
ビジネス全般人事労務