生活雑貨ブランド「MUJI(無印良品)」を展開する良品計画(東京都豊島区)は、東南アジアの生活や風土に合わせた製品開発を推進する。域内での事業拡大に向けた戦略の一環となる。第一弾として、シンガポールの現地法人が新作のアパレル商品を発表した。年末には現地のニーズを反映した生活雑貨の新製品の販売を開始する予定だ。来年4月にはシンガポール中心部で新店舗を開設する。【大友賢】
良品計画は現地のニーズを反映した新作アパレルの発表会を開催した=11日、シンガポール中央部(NNA撮影)
良品計画は、日本をはじめ東南アジア、欧州、北米、中国、中東、オーストラリアなどに計1,000店以上の店舗を構える。東南アジアでは2021年8月時点でタイに22店舗、シンガポールに10店舗、マレーシアに9店舗、フィリピンに5店舗、ベトナムに2店舗を展開している。
タイでは既にMUJIブランドが定着し、これにシンガポールとマレーシアが続く。マレーシアでは2022年度(21年9月~22年8月期)の売上高が前年度比で8割増となり、新型コロナウイルス禍のロックダウン(都市封鎖)などによる低迷から大幅に回復。シンガポールは15%の増収だった。
域内での業績のさらなる回復と成長に向けた戦略が求められる中、現地特有の気候や風土に合った商品設計に注力している。第一弾として、日常生活に欠かせない服などのアパレル製品の改良に着手した。
■新たなライフスタイル意識
シンガポールをはじめとする域内で新たに販売するアパレル製品は、高温多湿の気候に対応するため軽くて涼しい生地を使用している。カジュアルさもデザインコンセプトの中心に据えた。
従来は商品の設計、開発を日本のチームに依存していたため、ニーズを捉え切れなかった。今後はより現地に根付くブランドを意識し、商品設計を手がけていく考えだ。
コロナ禍によるライフスタイルの変化も商品設計に取り入れている。ヨガやサイクリングなどをする人たちが増えたことを背景に、アウトドアブランドである「MUJI WALKER」の製品ラインアップを拡充した。
シンガポール現地法人MUJI(シンガポール)の大西克史マネジングディレクターは、NNAの取材に対し「MUJIのアパレル製品はトレンドや斬新さを求めるファッションではなく、長く使用してもらう衣料雑貨と位置付けている」と他社との差別化について説明。オーガニックコットンにこだわり、長持ちする商品を提供することが、サステナビリティー(持続可能性)につながると付け加えた。
■既存店舗の拡張も計画
良品計画はシンガポールでは現在、全10店舗で約5,000品目の商品を取り扱っている。今後も製品数を拡充する。今年の年末には、東南アジアの消費者のニーズを取り入れた生活雑貨品の新製品の販売も開始する予定だ。
来年4月には、中央商業地区(CBD)に新店舗を開設する。将来的には北部エリアでの新店舗の開設も視野に入れている。
大西マネジングディレクターは、「店舗の平均面積は約200坪(約661平方メートル)で大型の旗艦店は約500坪となる。店舗の増設に限らず、既存店舗も拡張していく」と意気込みを語った。
object(WP_Post)#9816 (24) {
["ID"]=>
int(6956)
["post_author"]=>
string(1) "3"
["post_date"]=>
string(19) "2022-10-12 00:00:00"
["post_date_gmt"]=>
string(19) "2022-10-11 15:00:00"
["post_content"]=>
string(4245) "生活雑貨ブランド「MUJI(無印良品)」を展開する良品計画(東京都豊島区)は、東南アジアの生活や風土に合わせた製品開発を推進する。域内での事業拡大に向けた戦略の一環となる。第一弾として、シンガポールの現地法人が新作のアパレル商品を発表した。年末には現地のニーズを反映した生活雑貨の新製品の販売を開始する予定だ。来年4月にはシンガポール中心部で新店舗を開設する。【大友賢】[caption id="attachment_6957" align="aligncenter" width="620"]良品計画は現地のニーズを反映した新作アパレルの発表会を開催した=11日、シンガポール中央部(NNA撮影)[/caption]
良品計画は、日本をはじめ東南アジア、欧州、北米、中国、中東、オーストラリアなどに計1,000店以上の店舗を構える。東南アジアでは2021年8月時点でタイに22店舗、シンガポールに10店舗、マレーシアに9店舗、フィリピンに5店舗、ベトナムに2店舗を展開している。
タイでは既にMUJIブランドが定着し、これにシンガポールとマレーシアが続く。マレーシアでは2022年度(21年9月~22年8月期)の売上高が前年度比で8割増となり、新型コロナウイルス禍のロックダウン(都市封鎖)などによる低迷から大幅に回復。シンガポールは15%の増収だった。
域内での業績のさらなる回復と成長に向けた戦略が求められる中、現地特有の気候や風土に合った商品設計に注力している。第一弾として、日常生活に欠かせない服などのアパレル製品の改良に着手した。
■新たなライフスタイル意識
シンガポールをはじめとする域内で新たに販売するアパレル製品は、高温多湿の気候に対応するため軽くて涼しい生地を使用している。カジュアルさもデザインコンセプトの中心に据えた。
従来は商品の設計、開発を日本のチームに依存していたため、ニーズを捉え切れなかった。今後はより現地に根付くブランドを意識し、商品設計を手がけていく考えだ。
コロナ禍によるライフスタイルの変化も商品設計に取り入れている。ヨガやサイクリングなどをする人たちが増えたことを背景に、アウトドアブランドである「MUJI WALKER」の製品ラインアップを拡充した。
シンガポール現地法人MUJI(シンガポール)の大西克史マネジングディレクターは、NNAの取材に対し「MUJIのアパレル製品はトレンドや斬新さを求めるファッションではなく、長く使用してもらう衣料雑貨と位置付けている」と他社との差別化について説明。オーガニックコットンにこだわり、長持ちする商品を提供することが、サステナビリティー(持続可能性)につながると付け加えた。
■既存店舗の拡張も計画
良品計画はシンガポールでは現在、全10店舗で約5,000品目の商品を取り扱っている。今後も製品数を拡充する。今年の年末には、東南アジアの消費者のニーズを取り入れた生活雑貨品の新製品の販売も開始する予定だ。
来年4月には、中央商業地区(CBD)に新店舗を開設する。将来的には北部エリアでの新店舗の開設も視野に入れている。
大西マネジングディレクターは、「店舗の平均面積は約200坪(約661平方メートル)で大型の旗艦店は約500坪となる。店舗の増設に限らず、既存店舗も拡張していく」と意気込みを語った。"
["post_title"]=>
string(81) "良品計画、東南アで新戦略現地ニーズ反映した製品開発推進"
["post_excerpt"]=>
string(0) ""
["post_status"]=>
string(7) "publish"
["comment_status"]=>
string(4) "open"
["ping_status"]=>
string(4) "open"
["post_password"]=>
string(0) ""
["post_name"]=>
string(198) "%e8%89%af%e5%93%81%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%80%81%e6%9d%b1%e5%8d%97%e3%82%a2%e3%81%a7%e6%96%b0%e6%88%a6%e7%95%a5%e7%8f%be%e5%9c%b0%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%82%ba%e5%8f%8d%e6%98%a0%e3%81%97%e3%81%9f%e8%a3%bd"
["to_ping"]=>
string(0) ""
["pinged"]=>
string(0) ""
["post_modified"]=>
string(19) "2022-10-12 04:00:04"
["post_modified_gmt"]=>
string(19) "2022-10-11 19:00:04"
["post_content_filtered"]=>
string(0) ""
["post_parent"]=>
int(0)
["guid"]=>
string(33) "https://nnaglobalnavi.com/?p=6956"
["menu_order"]=>
int(0)
["post_type"]=>
string(4) "post"
["post_mime_type"]=>
string(0) ""
["comment_count"]=>
string(1) "0"
["filter"]=>
string(3) "raw"
}
- 国・地域別
-
シンガポール情報
- 内容別
-
ビジネス全般人事労務