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4Qの企業景況感、20年3Q以降では最悪

中国人民銀行(中央銀行)が27日発表した2022年第4四半期(10~12月)の企業家調査によると、企業景況感の指標となる「経済熱度指数」は23.5%となり、20年第3四半期(7~9月)以降では最低となった。前四半期からは3.4ポイント、前年同期からは13.7ポイント下がった。新型コロナウイルスの流行が響いた。12月初旬まで厳しい新型コロナ対策を講じていたことも景況感を押し下げた。
足元の経済状況について「冷え込んでいる」と答えた企業は53.7%だった。前四半期(46.9%)を6.8ポイント上回った。経済が「過熱している」と答えた企業は0.8%、「正常」と答えた企業は45.5%だった。
「経済熱度指数」は「過熱」と「正常」の割合を基に算出している。
各社の経営状況は「比較的悪い」(21.6%)が「比較的よい」(14.8%)を上回った。「普通」は63.7%だった。前四半期に比べて「減益・赤字拡大」の企業は29.9%、「増益・赤字縮小」は30.0%。「変化なし」は40.0%だった。
原材料の買い付け価格は、前四半期から「上がった」企業が26.2%、「横ばい」が64.5%、「下がった」が9.3%。
前四半期比の製品販売価格は、「上がった」が10.9%、「横ばい」が72.7%、「下がった」は16.4%だった。
海外向けの受注状況は、前四半期と比べ「減少」(35.3%)が「増加」(13.2%)を大幅に上回った。国内向けは「減少」が28.6%、「増加」が16.8%。
■金融政策「緩和」が拡大
第4四半期の銀行家調査では、足元の経済状況が「冷え込んでいる」との回答は66.0%で、前四半期を4.6ポイント上回った。「正常」は33.2%で、4.2ポイント下落した。
現在の金融政策に対する見方は、「緩和の状態」が38.0%で、7.9ポイント下落。「適度」は60.0%で、7.0ポイント上昇した。
貸し出しの需要を示す指数は、製造業と卸売・小売業向けが前四半期比で上がった。一方、インフラ建設向けと不動産業向けは下落した。企業規模別では大企業と中型企業が上昇し、小型・零細企業が下落した。
■住宅購入意欲が6年半ぶりの低水準
第4四半期の都市部預金者調査では、収入が「増加した」との回答は10.8%で、前四半期から1.3ポイント下落した。「減少した」は23.3%、「おおむね変わらない」は65.9%だった。
就業状況は「比較的よい」が8.9%、「普通」が42.0%、「厳しい」または「分からない」が49.1%だった。
今後の消費を「増やす」との回答は22.8%で、前四半期から横ばいだった。「貯蓄を増やす」は61.8%となり、3.7ポイント上昇した。
「投資を増やす」は15.5%で、前四半期を3.7ポイント下回った。投資先は高金利の財テク商品「理財商品」(44.1%)、「ファンド」(20.4%)、「株式」(14.7%)の順だった。
今後3カ月で支出を増やす準備がある分野は、医療・保健(29.6%)、教育(27.9%)、社交・文化・娯楽(18.5%)、高額商品(18.5%)、住宅購入(16.0%)、保険(15.0%)、旅行(13.3%)となった。
ネットメディアの澎湃新聞によると、住宅購入の比率は16年第3四半期以降では最低となった。
23年第1四半期(1~3月)の住宅価格の見通しは、「上昇する」が14.0%、「おおむね変わらない」が53.7%、「下落する」が18.5%、「分からない」が13.8%となった。
企業家調査は全国の工業企業5,000社余り、銀行家調査は約3,200行、都市部預金者調査は全国50都市の2万人を対象にそれぞれ実施した。

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各社の経営状況は「比較的悪い」(21.6%)が「比較的よい」(14.8%)を上回った。「普通」は63.7%だった。前四半期に比べて「減益・赤字拡大」の企業は29.9%、「増益・赤字縮小」は30.0%。「変化なし」は40.0%だった。
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■金融政策「緩和」が拡大
第4四半期の銀行家調査では、足元の経済状況が「冷え込んでいる」との回答は66.0%で、前四半期を4.6ポイント上回った。「正常」は33.2%で、4.2ポイント下落した。
現在の金融政策に対する見方は、「緩和の状態」が38.0%で、7.9ポイント下落。「適度」は60.0%で、7.0ポイント上昇した。
貸し出しの需要を示す指数は、製造業と卸売・小売業向けが前四半期比で上がった。一方、インフラ建設向けと不動産業向けは下落した。企業規模別では大企業と中型企業が上昇し、小型・零細企業が下落した。
■住宅購入意欲が6年半ぶりの低水準
第4四半期の都市部預金者調査では、収入が「増加した」との回答は10.8%で、前四半期から1.3ポイント下落した。「減少した」は23.3%、「おおむね変わらない」は65.9%だった。
就業状況は「比較的よい」が8.9%、「普通」が42.0%、「厳しい」または「分からない」が49.1%だった。
今後の消費を「増やす」との回答は22.8%で、前四半期から横ばいだった。「貯蓄を増やす」は61.8%となり、3.7ポイント上昇した。
「投資を増やす」は15.5%で、前四半期を3.7ポイント下回った。投資先は高金利の財テク商品「理財商品」(44.1%)、「ファンド」(20.4%)、「株式」(14.7%)の順だった。
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ネットメディアの澎湃新聞によると、住宅購入の比率は16年第3四半期以降では最低となった。
23年第1四半期(1~3月)の住宅価格の見通しは、「上昇する」が14.0%、「おおむね変わらない」が53.7%、「下落する」が18.5%、「分からない」が13.8%となった。
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