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【日本の税務】海外駐在員に対する賞与の社会保険について

第312回

濱口さん:みらいさん、こんにちは。夏本番を感じさせる陽気が続いていますね。実は、今月から、私の会社では3名の社員がインドへ海外駐在員として赴任しています。先日、全社員に夏季賞与を支給したのですが、新拠点の立ち上げ業務に貢献してくれた海外駐在員に対しては、夏季賞与に加えて、決算賞与を支給することになりました。来月支給予定の決算賞与に対して社会保険料はかかるのでしょうか?

みらい:濱口さん、こんにちは。本当に暑い日が続いていますね。さて、ご質問頂いた件についてですが、まず、日本本社と海外駐在員がどのような雇用関係にあるのか、また、海外駐在員の賃金が日本または海外のどちらの企業から支給されるのかで、社会保険の取り扱いが異なります。今回対象の海外駐在員は日本企業で雇用関係を継続したまま海外で勤務する在籍出向となりますか?

濱口さん:在籍出向となります。また、賞与を含めて賃金は日本本社から全額支給されます。

みらい:今回のように、日本国内の厚生年金保険適用事業所で雇用関係を継続したまま海外で勤務し、賃金も日本国内の厚生年金保険適用事業所から全額支給される場合、日本の健康保険・厚生年金保険の加入は継続します。次に、社会保険で対象となる賞与は、いかなる名称であるかを問わず、労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のものをいいます。もし1年間に4回以上賞与が支給される場合は、社会保険料を計算する上では毎月支給する給与に合算して処理する必要があります。海外駐在員へ支給する賞与は、夏季賞与などの定期的に支給する賞与、決算賞与やその他賞与を合わせると1年間で何回支給することになりそうですか?

濱口さん:海外駐在員は夏季賞与、冬期賞与と今回の決算賞与を合わせて年3回の賞与支給を予定しています。

みらい:年3回以下の支給であれば、決算賞与は賞与として処理をすることになります。社会保険では、対象となる賞与を「標準賞与額」といいます。実際に支給された賞与額(税引き前の総支給額)から1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」とし、標準賞与額に保険料率を掛けて社会保険料を計算します。この標準賞与額は健康保険、厚生年金ごとに上限が設定されており、健康保険の上限は年度の累計額(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)573万円、厚生年金は支給月ごとに150万円となっていて上限を超えた部分に社会保険料はかかりません。なお、介護保険については、健康保険と同様に取り扱いますが、介護保険適用除外等該当届を提出し、免除されている場合は、月々の給与支給時と同様に、介護保険料の控除は不要です。

濱口さん:なるほど。今回の決算賞与にも社会保険料がかかるのですね。

みらい:そうですね。今回の決算賞与についても、支給日から原則5日以内に賞与支払届を提出する必要がありますので、ご対応をお願いします。なお、日本国内の厚生年金保険適用事業所の規定に基づき現地通貨で賞与を支給している場合、賞与支給日のレートで日本円に換算した額を賞与支払届へ記載することになりますのでご注意ください。

濱口さん:参考になりました。ありがとうございます。

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濱口さん:みらいさん、こんにちは。夏本番を感じさせる陽気が続いていますね。実は、今月から、私の会社では3名の社員がインドへ海外駐在員として赴任しています。先日、全社員に夏季賞与を支給したのですが、新拠点の立ち上げ業務に貢献してくれた海外駐在員に対しては、夏季賞与に加えて、決算賞与を支給することになりました。来月支給予定の決算賞与に対して社会保険料はかかるのでしょうか?

みらい:濱口さん、こんにちは。本当に暑い日が続いていますね。さて、ご質問頂いた件についてですが、まず、日本本社と海外駐在員がどのような雇用関係にあるのか、また、海外駐在員の賃金が日本または海外のどちらの企業から支給されるのかで、社会保険の取り扱いが異なります。今回対象の海外駐在員は日本企業で雇用関係を継続したまま海外で勤務する在籍出向となりますか?

濱口さん:在籍出向となります。また、賞与を含めて賃金は日本本社から全額支給されます。

みらい:今回のように、日本国内の厚生年金保険適用事業所で雇用関係を継続したまま海外で勤務し、賃金も日本国内の厚生年金保険適用事業所から全額支給される場合、日本の健康保険・厚生年金保険の加入は継続します。次に、社会保険で対象となる賞与は、いかなる名称であるかを問わず、労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のものをいいます。もし1年間に4回以上賞与が支給される場合は、社会保険料を計算する上では毎月支給する給与に合算して処理する必要があります。海外駐在員へ支給する賞与は、夏季賞与などの定期的に支給する賞与、決算賞与やその他賞与を合わせると1年間で何回支給することになりそうですか?

濱口さん:海外駐在員は夏季賞与、冬期賞与と今回の決算賞与を合わせて年3回の賞与支給を予定しています。

みらい:年3回以下の支給であれば、決算賞与は賞与として処理をすることになります。社会保険では、対象となる賞与を「標準賞与額」といいます。実際に支給された賞与額(税引き前の総支給額)から1,000円未満を切り捨てた額を「標準賞与額」とし、標準賞与額に保険料率を掛けて社会保険料を計算します。この標準賞与額は健康保険、厚生年金ごとに上限が設定されており、健康保険の上限は年度の累計額(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)573万円、厚生年金は支給月ごとに150万円となっていて上限を超えた部分に社会保険料はかかりません。なお、介護保険については、健康保険と同様に取り扱いますが、介護保険適用除外等該当届を提出し、免除されている場合は、月々の給与支給時と同様に、介護保険料の控除は不要です。

濱口さん:なるほど。今回の決算賞与にも社会保険料がかかるのですね。

みらい:そうですね。今回の決算賞与についても、支給日から原則5日以内に賞与支払届を提出する必要がありますので、ご対応をお願いします。なお、日本国内の厚生年金保険適用事業所の規定に基づき現地通貨で賞与を支給している場合、賞与支給日のレートで日本円に換算した額を賞与支払届へ記載することになりますのでご注意ください。

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みらいコンサルティング(旧中央青山PwCコンサルティング)は、グループに監査法人、税理士法人、社会保険労務士法人、各種事業会社を持つ総勢約300名の総合コンサルティングファーム。国内には東京本社のほか10都市に支社を展開。海外には中国(北京・上海・深セン)、シンガポール、タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン・ハノイ)、マレーシア(クアラルンプール)に子会社を設立、現地にて日系企業の海外展開におけるビジネスコンサルティングを提供している。

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