マレーシアのZ世代(1990年代後半以降の生まれ)は、購買プロセスにソーシャルメディアを多く活用する一方、購入チャンネルはオフラインとオンラインを使い分けている——。日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が国内の若者を対象に実施した調査から、コストパフォーマンス(コスパ)を重視する「賢い消費者像」が浮かび上がった。販売側は、ターゲットに合わせた綿密なソーシャルメディア戦略が必要となりそうだ。
ジェトロ・クアラルンプール事務所では、1990年代半ばから2000年代に生まれたZ世代の購買行動分析を目的に、首都クアラルンプールと国内第3の都市であるペナンにキャンパスを置く総合大学4校の学生を対象にオンライン調査を実施。調査期間は1月19日~2月11日。50人から回答を得た。回答者のうち、同国の主要民族であるマレー系が20人、華人系が25人と多数を占めた。
「好きなブランド」の1位は日本のユニクロ。2位以下は地場アパレルのパディニ(Padini)、スウェーデン衣料大手のH&M、日本のファミリーマート、MUJI(無印良品)、米ナイキの順だった。
好きな理由は品質の良さ(80%、回答者40人)と「価格と割引」(66%、33人)が多数。また、購買要因も首位は「価格と品質のバランス」(86%、43人)で、次点の「割引やセール」(32%、16人)を大きく引き離し、コスパが重視されていることが分かる結果となった。
最新トレンド情報の入手経路については、ブログやキーオピオニオンリーダーによる流行が発信されるソーシャルメディアが76%(38人)。「買い物習慣にテクノロジーや交流サイト(SNS)は良い影響を与える」とした人は回答者の74%(37人)、購買決定プロセスにオンラインプラットフォームやアプリを使用する人は82%(41人)に上った。
Z世代は情報収集にソーシャルメディアやインターネットを活用する一方で、購入手段は実店舗が6割、オンラインが4割と、オフラインでの購入の方が多かった。
ただ、全てオフラインで購入するという人は20%(10人)に過ぎず、オフラインとオンラインで購入するものを分けている人は60%(30人)。使い分ける理由は「品ぞろえ」「価格」「(店舗や販売場所の)立地」が多かった。
ただ、割引特典があればオフライン・オンライン問わず購入するという回答も目立ち、ここでもコスパを重視して購入チャンネルを使い分けていることがうかがえた。
また、価格や利便性だけでなく、環境保全や労働環境への配慮など、昨今の社会問題もZ世代の購買行動に影響を与えているようだ。「買い物をする際に環境へ配慮した商品やエシカル商品を気にする」と回答した人は64%(32人)に上り、「商品のタグを調べる」「ブランドを調べる」人はそれぞれ58.8%(各20人)だった。
■ティックトック人気、幅広く
情報収集手段として利用するソーシャルメディアプラットフォームについても聞いた。全体では、▽インスタグラム▽ユーチューブ▽TikTok(ティックトック)▽フェイスブック——の順だったが、フェイスブックは華人系がマレー系の2倍近くに達し、使用状況に大きな開きがあった。一方、ティックトックは、上位5プラットフォームで唯一、マレー系と華人系の回答数が同数となり、若年世代で急速に普及が進んでいる状況が表れた。
ジェトロは「マレーシア市場を目指す場合はターゲット像を明確にし、それに合わせたマーケティング手法を検討することが重要」と提言している。
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情報収集手段として利用するソーシャルメディアプラットフォームについても聞いた。全体では、▽インスタグラム▽ユーチューブ▽TikTok(ティックトック)▽フェイスブック——の順だったが、フェイスブックは華人系がマレー系の2倍近くに達し、使用状況に大きな開きがあった。一方、ティックトックは、上位5プラットフォームで唯一、マレー系と華人系の回答数が同数となり、若年世代で急速に普及が進んでいる状況が表れた。
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