中国主要45都市の通勤者のうち通勤時間が片道45分以内の人の比率が2022年にやや上向いたことが、官民の調査報告で明らかになった。新型コロナウイルス流行を背景とする在宅勤務の増加と交通網の拡充・効率化が背景とみられる。一方、片道60分以上の比率は横ばいで、依然1,400万人以上が長時間通勤を強いられている状況も浮き彫りとなった。
中国住宅都市農村建設省(住建省)、中国都市計画設計研究院、中国インターネット検索大手の百度(バイドゥ)が共同で主要都市を対象に通勤状況を調査。同様の調査を行うのは4回目。
調査対象は人口1,000万人以上の超大型都市と軌道交通(地下鉄・LRT=軽量軌道交通)がある地方都市の計45都市で、直轄市や省都などが中心。調査チームは主に昨年9~11月に通勤関連のデータを収集し、通勤時間、通勤距離、交通手段の3分野を調べた。
調査を行うに当たっては、「片道の通勤距離41キロメートル、通勤時間45分が人の耐えられる通勤の最大値」と定義。片道60分を超える通勤は負担が非常に重いことから「極端通勤」と名付け、住宅から職場までの距離が5キロ以内の通勤は「幸福通勤」と定義した。
片道の平均通勤時間は、北京市を除く44都市が45分以内に収まった。超大型都市の7都市を見ると、広東省深セン市は36分、同省広州市は38分、天津市と四川省成都市は39分、上海市と重慶市は40分、北京市は47分だった。
超大型都市に次ぐ規模の特大都市に分類される14都市は、山東省青島市(40分)以外が30分台。浙江省杭州市は35分、江蘇省南京市と遼寧省大連市は37分だった。より小規模の都市が属する1型~2型大都市の計24都市は全て30分台だった。
都市の規模別の平均値は、超大型都市が40分で、通勤距離は9.6キロ。特大都市は36分(8.6キロ)、1型大都市は34分(7.8キロ)、2型大都市は32分(8.2キロ)となった。
片道の通勤が45分以内の人の比率は、超大型都市が69%、特大都市が77%、1型大都市が82%、2型大都市が85%。45都市のうち、比率が前年から上昇したのは17都市、下落したのは5都市だった。残る都市は前年から横ばい。
超大型都市では、天津市(2ポイント上昇の72%)や広州市(2ポイント上昇の71%)、上海市(1ポイント上昇の70%)、北京市(1ポイント上昇の56%)が前年から上がった。
ただ調査チームは「8割超えが都市の生活環境改善を図る上で重要な目標になる」と指摘し、超大型都市はまだ目標値を大きく下回っているとの見方を示した。
■1400万人超が60分以上
極端通勤の比率は全体の12%を占め、前年から横ばいとなった。調査時点で1,400万人以上が片道60分以上かけて通勤していたことになるという。
都市の規模別の平均値は、超大型都市が17%、特大都市が11%、1型大都市と2型大都市がともに8%。
北京市が28%で唯一の20%超えとなったが、前年から2ポイント下落した。第一財経日報(電子版)によると、2ポイントの下落は20万人減ったことに相当する。
天津市は16%で、1ポイント下落。上海市(18%)や広州市(15%)、深セン市(12%)など他の超大型都市は全て横ばいで、超大型都市全体の極端通勤の数は減少した。超大型都市の極端通勤が減少するのは調査以来初めてという。
10%台は23都市。比率が前年から上がったのは湖北省武漢市や山東省済南市、福建省厦門(アモイ)市、安徽省合肥市など7都市。
■5キロ以内の比率低下
幸福通勤の比率が下落したのは38都市で、上昇した都市はなかった。45都市の平均比率は50%。前年から1ポイント下落し、下落は3年連続となった。住宅価格の高止まりなどを背景に都市中心部に住むことを避ける動きが進んだと考えられる。
幸福通勤の比率は、浙江省温州市の62%が最高。海南省海口市が60%で続いた。超大型都市では、深セン市が55%で最も高かった。ただ前年からは3ポイント下がった。
最も低かったのは北京市の36%で、唯一4割を下回った。前年からは1ポイント下落した。成都市(42%)や上海市(45%)、重慶市(45%)をはじめ40%台は12都市あった。
新入社員の通勤距離が長いことも判明。大半の都市で、新入社員の住宅から職場までの平均距離が同都市の平均を0.5キロ以上上回った。給与の低さと住宅価格・賃料の高さを背景に、居住地を郊外に選ばざるを得ない状況がある。
22年には41都市で計1,000キロの軌道交通が新規開通した。総距離は1万キロに迫り、軌道交通の各駅の半径800メートル以内に住む通勤者は通勤者全体の19%となった。前年からは2ポイント上がった。都市別の比率は、深セン市が35%で最も高かった。前年からは6ポイント上昇。2位以下は成都市の34%、武漢市の33%、広州市の31%と続いた。上海市は30%、北京市は21%。
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中国住宅都市農村建設省(住建省)、中国都市計画設計研究院、中国インターネット検索大手の百度(バイドゥ)が共同で主要都市を対象に通勤状況を調査。同様の調査を行うのは4回目。
調査対象は人口1,000万人以上の超大型都市と軌道交通(地下鉄・LRT=軽量軌道交通)がある地方都市の計45都市で、直轄市や省都などが中心。調査チームは主に昨年9~11月に通勤関連のデータを収集し、通勤時間、通勤距離、交通手段の3分野を調べた。
調査を行うに当たっては、「片道の通勤距離41キロメートル、通勤時間45分が人の耐えられる通勤の最大値」と定義。片道60分を超える通勤は負担が非常に重いことから「極端通勤」と名付け、住宅から職場までの距離が5キロ以内の通勤は「幸福通勤」と定義した。
片道の平均通勤時間は、北京市を除く44都市が45分以内に収まった。超大型都市の7都市を見ると、広東省深セン市は36分、同省広州市は38分、天津市と四川省成都市は39分、上海市と重慶市は40分、北京市は47分だった。
超大型都市に次ぐ規模の特大都市に分類される14都市は、山東省青島市(40分)以外が30分台。浙江省杭州市は35分、江蘇省南京市と遼寧省大連市は37分だった。より小規模の都市が属する1型~2型大都市の計24都市は全て30分台だった。
都市の規模別の平均値は、超大型都市が40分で、通勤距離は9.6キロ。特大都市は36分(8.6キロ)、1型大都市は34分(7.8キロ)、2型大都市は32分(8.2キロ)となった。
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ただ調査チームは「8割超えが都市の生活環境改善を図る上で重要な目標になる」と指摘し、超大型都市はまだ目標値を大きく下回っているとの見方を示した。
■1400万人超が60分以上
極端通勤の比率は全体の12%を占め、前年から横ばいとなった。調査時点で1,400万人以上が片道60分以上かけて通勤していたことになるという。
都市の規模別の平均値は、超大型都市が17%、特大都市が11%、1型大都市と2型大都市がともに8%。
北京市が28%で唯一の20%超えとなったが、前年から2ポイント下落した。第一財経日報(電子版)によると、2ポイントの下落は20万人減ったことに相当する。
天津市は16%で、1ポイント下落。上海市(18%)や広州市(15%)、深セン市(12%)など他の超大型都市は全て横ばいで、超大型都市全体の極端通勤の数は減少した。超大型都市の極端通勤が減少するのは調査以来初めてという。
10%台は23都市。比率が前年から上がったのは湖北省武漢市や山東省済南市、福建省厦門(アモイ)市、安徽省合肥市など7都市。
■5キロ以内の比率低下
幸福通勤の比率が下落したのは38都市で、上昇した都市はなかった。45都市の平均比率は50%。前年から1ポイント下落し、下落は3年連続となった。住宅価格の高止まりなどを背景に都市中心部に住むことを避ける動きが進んだと考えられる。
幸福通勤の比率は、浙江省温州市の62%が最高。海南省海口市が60%で続いた。超大型都市では、深セン市が55%で最も高かった。ただ前年からは3ポイント下がった。
最も低かったのは北京市の36%で、唯一4割を下回った。前年からは1ポイント下落した。成都市(42%)や上海市(45%)、重慶市(45%)をはじめ40%台は12都市あった。
新入社員の通勤距離が長いことも判明。大半の都市で、新入社員の住宅から職場までの平均距離が同都市の平均を0.5キロ以上上回った。給与の低さと住宅価格・賃料の高さを背景に、居住地を郊外に選ばざるを得ない状況がある。
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