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日系の景況感、過去最低にSMBC7月調査、先行き明るさ

三井住友銀行(SMBC)ハノイ支店・ホーチミン支店が在ベトナム日系企業を対象に7月に実施した最新の景況感調査「SMBC短観(ベトナム)」で、足元の景況感を示す業況指数(DI)はマイナス33となり、調査を開始した2017年以降で最低だった。世界経済の減速による需要減が輸出企業だけでなく内需向け産業にも波及した。6カ月後の景況感を示す先行き指数はプラス8と楽観視する企業が上回った。国内向けを中心に景気の底打ち感が広がっているが、海外の需要は戻りが遅く、業績回復は緩やかに進むとみられる。
DIは景気動向を示す指数の一つで、「景気が良い」など前向きに答えた企業の割合から、「景気が悪い」など後ろ向きに答えた企業の割合を差し引いた数値。プラス値になれば楽観的な見方が多いことを示す。
全体の現況DIは、1~2月に実施した前回調査(22年冬期)より27ポイント低いマイナス33となり、コロナ禍が本格化した20年夏期のマイナス32を下回り過去最低となった。前回調査で、半年後の景況感を尋ねる先行きDIは11と楽観圏だったが、予想に反して景気は悪化した。
業態別の現況指数は、国内向け製造業がマイナス38、海外向け製造業がマイナス36、非製造業がマイナス26で、製造業の落ち込みがより深刻だった。製造業の中でも海外向けの金属製品関連はマイナス75、機械・電子機器はマイナス63だった。回答した製造業からは「需要の減退で減産を強いられている」といった声が上がった。非製造業では卸・小売りがマイナス54と、消費低迷の深刻化がうかがえる。需要が「上向き」との回答から「下向き」を差し引いた指数は3期連続で悪化し、マイナス35に落ち込んだ。
業績も低迷している。業績が「好転」「やや好転」している企業から、「悪化」「やや悪化」を差し引いた指数はマイナス26で、前回調査から42ポイント下落した。業績の指数がゼロを割り込むのはコロナ禍で南部を中心にロックダウン(都市封鎖)が敷かれた21年夏以来となる。

■半年後は改善見通し
6カ月後の景況感を示す先行き指数は8とプラス圏だった。回復を見込む企業が悪化を見込む企業を上回ることを示すが、6カ月後の景気を「さほど良くない」と予想する企業は全体の6割を超えた。景気は悪化しないまでも回復の足取りは重いと考える企業が多いことが見て取れる。
業態別では、国内向け製造業が20、海外向け製造業がマイナス7、非製造業が13で、輸出製造業の落ち込みが目立った。機械・電子機器業界では国内向けは33と大幅な回復を見込むが、海外向けはマイナス37と戻りが遅い。海外向け金属製品業界は先行きに対する楽観と悲観が拮抗(きっこう)している。金属製品の輸出企業からは「中国の景気動向次第だが、まだ先行きが見えていない」といった声が上がった。
SMBCは短観調査を17年夏から半年ごとに実施しており、今回は7月10~31日に日系企業83社(北部=56社、中部=3社、南部=22社、未回答=2社)から回答を得た。

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■半年後は改善見通し
6カ月後の景況感を示す先行き指数は8とプラス圏だった。回復を見込む企業が悪化を見込む企業を上回ることを示すが、6カ月後の景気を「さほど良くない」と予想する企業は全体の6割を超えた。景気は悪化しないまでも回復の足取りは重いと考える企業が多いことが見て取れる。
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