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丸紅がコーヒーチェーン1号店国内外初、数億Sドルの売上目標

丸紅は17日、カナダの大手コーヒーチェーン「ティムホートンズ」のシンガポール1号店をオープンする。丸紅がコーヒーチェーンを運営するのは日本国内外で初めて。来年中に現地で10数店舗の開店を目指すほか、マレーシアとインドネシアにも進出する予定だ。東南アジア3カ国で2033年までに数百店舗を展開し、数億Sドル(1Sドル=約112円)の売上高を目指す。【藤原絵美】

丸紅はカナダのコーヒーチェーン「ティムホートンズ」のシンガポール1号店をオープンする=シンガポール南部(NNA撮影)

ティムホートンズは1964年にカナダで創業したコーヒーチェーン。世界14カ国で5,600店舗以上を展開している。運営元はバーガーキングやポパイズなど世界的な飲食ブランドを保有するカナダの外食大手レストラン・ブランズ・インターナショナルだ。
丸紅は今年2月、シンガポール子会社マルベニ・グロース・キャピタル・アジアを通じて東南アジア3カ国での店舗開発や運営に関わるマスターフランチャイズ契約を結んでいた。3カ国での事業展開に当たり、マルベニ・グロース・キャピタル・アジアの子会社としてシンガポールにMGCAカフェを設立した。
シンガポール1号店は、同国南部の大型商業施設「ビボシティー」のハーバーフロントウォークの1階に設置した。コーヒー、ラテなどのカフェメニューのほか、店舗で作るドーナツやサンドイッチなどのフードメニューを展開する。
シンガポール限定メニューも投入する。パンダンリーフで色付けされた緑色とココナツ風味が特徴のオンデ・オンデ・ケーキは、丸紅が消費者分析を行い、何度もテストを繰り返しながら開発したオリジナルメニューだ。
丸紅の執行役員である福村俊宏・次世代コーポレートディベロップメント本部長は、「出来合いのものを温めたものではなく、その場で新鮮な食材を使って作るフードメニューを手ごろな価格帯で提供するという点で、他のコーヒーチェーン大手などと差別化を図れる」と自信を見せる。
丸紅は自社初となるコーヒーチェーンの出店に際し、立地の特定から店舗開発・運営、サプライチェーン(供給網)の構築までの全てを手がけた。シンガポールでは店舗賃料や物価が高いため、約200店舗近くある商業施設やモールで人の流れ、時間帯別の行動などを分析。これらのデータをもとに家主と賃料を交渉して1号店の立地を決めた。
■次世代消費者事業の第1弾
丸紅は、今後成長が期待される東南アジアの次世代消費者向け事業を推進するため、22年度に次世代コーポレートディベロップメント本部を設置。傘下企業として投資や企業の合併・買収(M&A)を手がけるマルベニ・グロース・キャピタル・アジアを設立した。今回の取り組みは同本部主導の東南アジア事業の第1弾となる。
福村氏は「世の中の動きをみていると、次の成長ポテンシャルはコンシューマーに近い領域にあると分析している。当社としても消費者向けビジネスを強化していかないといけないということで新会社を立ち上げた」と説明した。
消費者領域の中でも特に東南アジアで成長性の高い飲食関連領域を柱の一つに据え、その事業展開の足がかりとして、グローバルコーヒーブランド世界3位の認知度を誇るカナダのティムホートンズに焦点を当てた。
福村氏は「東南アジア全体でみると、特に若い世代は欧米から入ってくる新しい食べ物やカルチャーを趣向するといった明確なトレンドが日本よりもある」と指摘。特にコーヒーチェーンやファストフードではこうした傾向が顕著と付け加えた。
東南アジアでのコーヒー消費量が増加していることもコーヒーチェーンを手がけることになった背景にあるという。丸紅によると、経済発展に伴う消費の拡大に加え、若年層を中心としたコミュニティースポットとしてのカフェ利用やオンライン注文・デリバリー利用の拡大などコーヒーショップの概念・利用方法の変化で今後も高い市場成長が見込まれている。
ベンチャー企業支援を手がけるシンガポールのモメンタム・ワークスの最新調査によると、シンガポールのコーヒー年間支出額は2億8,400万米ドル(430億円)で、国民1人当たりのコーヒー支出額が東南アジアで最も多い。

飲食関連を柱の一つに据え、新規事業を広げていきたいと語る丸紅の福村俊宏執行役員=シンガポール中心部(NNA撮影)

■2カ国メニューはハラル認証も
ティムホートンズにとってシンガポールは、タイ、フィリピンに続く3カ国目の東南アジア出店となった。丸紅は向こう10年でティムホートンズの店舗数を管轄の3カ国で3桁まで増やす計画を掲げる。
シンガポールではまず、国内北東部の「ネックス」、中心部の「ワン・ラッフルズ・プレイス」「サンテック・シティー」などの商業施設に数カ月以内に3店舗をオープン。来年中に10数店舗を展開する予定だ。
来年はマレーシアとインドネシアの市場にも参入する。両国向けのメニューも開発中で、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)認証を準備中だという。
まずはマレーシアのクアラルンプールとインドネシアのジャカルタにそれぞれ1号店をオープンする。その後も出店を加速し、33年までにシンガポールを含む3カ国で数百店舗の展開を目指す。
丸紅はティムホートンズのほかにも「成長性の高い消費者セクターへの投資事業」を拡大している。今月初めにはベトナムの食品原料サプライヤーであるAIGへの出資を発表した。
福村氏は「22年に新たな組織を立ち上げてからようやくフル稼働できる状態になり、23年はいくつかの案件が形となって発表された。来年以降はペースをさらに加速していきたい」と意気込みを語った。

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ティムホートンズは1964年にカナダで創業したコーヒーチェーン。世界14カ国で5,600店舗以上を展開している。運営元はバーガーキングやポパイズなど世界的な飲食ブランドを保有するカナダの外食大手レストラン・ブランズ・インターナショナルだ。
丸紅は今年2月、シンガポール子会社マルベニ・グロース・キャピタル・アジアを通じて東南アジア3カ国での店舗開発や運営に関わるマスターフランチャイズ契約を結んでいた。3カ国での事業展開に当たり、マルベニ・グロース・キャピタル・アジアの子会社としてシンガポールにMGCAカフェを設立した。
シンガポール1号店は、同国南部の大型商業施設「ビボシティー」のハーバーフロントウォークの1階に設置した。コーヒー、ラテなどのカフェメニューのほか、店舗で作るドーナツやサンドイッチなどのフードメニューを展開する。
シンガポール限定メニューも投入する。パンダンリーフで色付けされた緑色とココナツ風味が特徴のオンデ・オンデ・ケーキは、丸紅が消費者分析を行い、何度もテストを繰り返しながら開発したオリジナルメニューだ。
丸紅の執行役員である福村俊宏・次世代コーポレートディベロップメント本部長は、「出来合いのものを温めたものではなく、その場で新鮮な食材を使って作るフードメニューを手ごろな価格帯で提供するという点で、他のコーヒーチェーン大手などと差別化を図れる」と自信を見せる。
丸紅は自社初となるコーヒーチェーンの出店に際し、立地の特定から店舗開発・運営、サプライチェーン(供給網)の構築までの全てを手がけた。シンガポールでは店舗賃料や物価が高いため、約200店舗近くある商業施設やモールで人の流れ、時間帯別の行動などを分析。これらのデータをもとに家主と賃料を交渉して1号店の立地を決めた。
■次世代消費者事業の第1弾
丸紅は、今後成長が期待される東南アジアの次世代消費者向け事業を推進するため、22年度に次世代コーポレートディベロップメント本部を設置。傘下企業として投資や企業の合併・買収(M&A)を手がけるマルベニ・グロース・キャピタル・アジアを設立した。今回の取り組みは同本部主導の東南アジア事業の第1弾となる。
福村氏は「世の中の動きをみていると、次の成長ポテンシャルはコンシューマーに近い領域にあると分析している。当社としても消費者向けビジネスを強化していかないといけないということで新会社を立ち上げた」と説明した。
消費者領域の中でも特に東南アジアで成長性の高い飲食関連領域を柱の一つに据え、その事業展開の足がかりとして、グローバルコーヒーブランド世界3位の認知度を誇るカナダのティムホートンズに焦点を当てた。
福村氏は「東南アジア全体でみると、特に若い世代は欧米から入ってくる新しい食べ物やカルチャーを趣向するといった明確なトレンドが日本よりもある」と指摘。特にコーヒーチェーンやファストフードではこうした傾向が顕著と付け加えた。
東南アジアでのコーヒー消費量が増加していることもコーヒーチェーンを手がけることになった背景にあるという。丸紅によると、経済発展に伴う消費の拡大に加え、若年層を中心としたコミュニティースポットとしてのカフェ利用やオンライン注文・デリバリー利用の拡大などコーヒーショップの概念・利用方法の変化で今後も高い市場成長が見込まれている。
ベンチャー企業支援を手がけるシンガポールのモメンタム・ワークスの最新調査によると、シンガポールのコーヒー年間支出額は2億8,400万米ドル(430億円)で、国民1人当たりのコーヒー支出額が東南アジアで最も多い。[caption id="attachment_16708" align="aligncenter" width="620"]飲食関連を柱の一つに据え、新規事業を広げていきたいと語る丸紅の福村俊宏執行役員=シンガポール中心部(NNA撮影)[/caption]
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来年はマレーシアとインドネシアの市場にも参入する。両国向けのメニューも開発中で、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)認証を準備中だという。
まずはマレーシアのクアラルンプールとインドネシアのジャカルタにそれぞれ1号店をオープンする。その後も出店を加速し、33年までにシンガポールを含む3カ国で数百店舗の展開を目指す。
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